Truist Park (Cumberland, GA)
LoanDepot Park (Miami, FL)
Citizens Bank Park (Philadelphia, PA)
Citi Field (Flushing, NY)
Nationals Park (Washington, DC)
 

アトランタ・ブレーヴス
球場:トゥルーイスト・パーク
所在地:ジョージア州カンバーランド
開場:2017年
収容人数:41,149人

photo by 球場巡礼

・2017年にアトランタ郊外にオープンした新球場。住所的にはアトランタ市内だが球場周辺のエリアはカンバーランドと呼ばれている。ハイウェイの降り口に人工的に造られたニュータウンで、球場の周辺にはホテルやオフィスビル、高層集合住宅、ショッピングモールなどが立ち並ぶ。比較的裕福な層が住むエリアなので球場周辺の環境はアトランタのダウンタウンとは別世界。旧球場とは周辺環境が違いすぎる。
・2019年に南部の大手銀行BB&Tがサントラスト・バンクを買収した関係で2020年から球場名が"SunTrust Park"から現行のものに変更された。
行き方:アトランタのはるか北西にあるがダウンタウンから公共交通で往復できる。地下鉄Arts Center駅からCobb County Transit のバス(10番)でCumberland Transfer Center まで。このバスはハイウェイをかっ飛ばすので所要時間は約20分。運賃は$2.50。Cumberland Transfer Center から球場まで歩いても30分もかからないが、球場周辺のホテルやショッピングモールなどを循環しているサーキュレイターという循環バスがあるので、そいつのブルー・ラインかグリーン・ラインに乗り継げば球場のすぐ近くまで行ってくれる。Cobb County Transit のバスに乗る際にトランスファー・チケットをもらっておくと無料で乗り継げる。ただしCobb County Transit のバスは日曜日は運休するのでこの行き方は平日&土曜日しかできない。日曜日は地下鉄Midtown駅からMARTAのバス(12番)でCumberland Transfer Center まで行けるがこのバスは始終地べたを走るので約45分ほどかかる。運賃はこちらも$2.50。日曜日はサーキュレイター(循環バス)も運休しているのでCumberland Transfer Center から球場までは徒歩で。なお、球場周辺にはウーバーがウヨウヨ待機しているのでバスにこだわらない人はウーバーでどうぞ。
観戦したゲーム(2):
2017.07.15 Braves vs. Diamondbacks
2017.07.16 Braves vs. Diamondbacks

マイアミ・マーリンズ
球場:ローンディーポ・パーク
所在地:フロリダ州マイアミ
開場:2012年
収容人数:36,742人

photo by 球場巡礼

・マーリンズの二代目本拠地球場。初代はマイアミの北、ほぼフォート・ローダーデイルにあり公共交通機関でのアクセスがかなり難しかったが二代目はダウンタウンやビーチ・エリアから路線バスで簡単に行けるようになった。
・7万人以上を収容できた巨大なフットボール・スタジアム"Miami Orange Bowl"の跡地に建てられた。球場の周辺は住宅地。ちなみにマイアミ・ボウルではたまにマイナーリーグの公式戦も行われていたようで、1950年代にはサッチェル・ペイジの登板試合に5万人以上の観客が集まったらしい。また、1990年にはカリビアン・シリーズも開催されたこともある。
・外観は白一色でトロントの"Rodgers Centre"に似ている。90年代から00年代に流行ったネオクラシック=レトロ調ではなく近未来のアリーナのようなつるんとしたデザインになっている。屋根はヒューストンの"Minute Maid Park"のようにスライドして開閉するタイプ。デザインはあのポピュラス社。
・屋根が閉まっても外野の大きなガラス窓から光をとり入れることができる。
・左中間にフィールドに迫り出すカタチで設置された独特なデザインの「ホームラン・スカルプチャー」は一応この球場のシンボルだったがデレク・ジーターがチームの筆頭オーナーに就任した際に撤去することが決定された。どけた跡地は何層かの立ち見スペースになるとの事。ホームラン・スカルプチャーはマーリンズの選手がホームランを打つと電飾がピカピカと光り、カジキ(マーリン)のオブジェが泳いでるかのようにクルクル回る仕掛けだったが選手にも不評だった…。
・2019年のシーズン終了後に天然芝から人工芝へと貼り替えられた。人工芝はフェニックスの"Chase Field"やアーリントンの"Globe Life Field"にインストールされているものと同じタイプだそうだ。
・全面LEDのスコアボードは右中間のセンター寄りの高い位置に設置されている。四角形ではなく、向かって左側が斜めにカットされているという斬新な形状。
・内外野のウォールが黄緑色にペイントされている。こんなビビッドな色のウォールはおそらくこの球場だけだろう。ラテン現代アート感丸出しなホームラン・スカルプチャーと共に我々がラテン・アメリカ文化圏にいる事を強烈に感じさせてくれる。
・座席は全てブルーで統一されている。
・左中間はガラス張りになっているのでスタンドはコンコースの下にしかないが、右中間には壁にへばりつくような傾斜のキツイアッパーレベルのスタンドがある。
・球場の正面にはオレンジ色の巨大なアルファベットのオブジェが地中に埋め込まれており、ちょっとした撮影スポットになっている。アルファベットを集めるとMIAMIになる。
・バックストップのウォールは水槽になっていて中にほんまもんのおさかなが飼われている。強烈なファウルボールが直撃しても大丈夫な分厚い(厚さ3.80cm)ファイバーグラス製のパネルが使われているらしいがヒヤヒヤする。
・この球場名物ボブルヘッド・ミュージアムは1階コンコースにあるので是非。
・MLBだけではなく2013年、2017年、2023年のWBCの会場にもなっている。
・開場から2020年までは単純に"Marlins Park"と呼ばれていたが2021年からネーミング・スポンサーが付いて現行の名称に改められた。なお、ローンディーポ社は住宅ローンを取り扱っている会社との事。
行き方:ダウンタウンの西側に広がるキューバ人街リトル・ハバナにある。マイアミのダウンタウンから行く場合は国際空港とダウンタウンを結ぶメトロレイルという高架鉄道でCulmer駅まで。そこから球場まで徒歩で約20分。地球の歩き方情報ではゲームのある日は駅から球場までシャトルバスバスが出るとのこと。あるいはメトロレイルのGovernment Center駅からNW 7th St. を走る#7のバスでも行ける。球場が見えたら下車。
観戦したゲーム(2):
2016.07.23 Marlins vs. Mets
2016.07.24 Marlins vs. Mets

フィラデルフィア・フィリーズ
球場:シチズンズ・バンク・パーク
所在地:ペンシルヴェニア州フィラデルフィア
開場:2004年
収容人数:43,302人

Photo by 球場巡礼

 先代の「コンクリートの固まり」と較べると、もはや同じ競技を行う場所だとは思えないような隔世の感を覚える。スタジアムのデザインはかの大御所HOK(現ポピュラス)。一部ではマンネリと揶揄されているクラシック・スタイルだがルックスも見やすさも十分評価できるシロモノに仕上がっているのはさすが。MLBでは既にHOK製品が飽和状態に達しているにもかかわらず、これほどのクオリティを新作でもキープできているのは第一級の職人技だと認めざるを得ない。あずき色の鉄骨と赤レンガを多用したシブい色合いの外観は古都フィラデルフィアの落ち着いた雰囲気によく調和しており秀逸。
 印象に残るのはスコアボード。外野の空間をポッカリとあけてスタンドから町並みを見せるのはHOKのよく使う手で、ここでもスコアボードはレフトのポール際に寄っている。独特なのはヨコ型ではなくタテ型になっている点。スコアボードとビデオ・スクリーンを上下に並べ、その脇にフィールドを見下ろすように照明を配置した姿はなかなか斬新。ちなみにスコアボードの後ろ側は外野のメインゲートになっており、ボードの裏にはどでかいフィリー・ファナティックの肖像が掲げられている(ゲートの脇にはホール・オブ・フェイマー左腕スティーヴ・カールトンのスタチュもあるので待ち合わせにどうぞ)。
 外野のセンター後方のコンコースは、往年の名選手リッチー・アッシュバーンを称えてアッシュバーン・アレイと呼ばれている。コンコース沿いにはフィリー名物チーズステーキなどの高カロリーな屋台が並び、ゲーム前はビール片手にニオイにつられてやってきたファンでかなり賑わう。また壁にはフィリーズの栄光の歴史を紹介するパネルも展示してあるのでニワカファンはここで必ず予習しておくように。人気の場所ブルペンもセンター後方にあり、ビジター・チームが入る上段のブルペンは不幸にもコンコースから丸見え状態。試合前は先発投手がウォームアップをしているが、アッシュバーン・アレイで飲み食いしてデキ上がったフィリーズ・ファンの餌食になっているのは言うまでもない(ちなみにフィラデルフィアのファンの執拗なBOOINGは全米イチと恐れられている)。思ったより高さのあるグランドスタンドからは設計者の意図通り、はるか向こうにダウンタウンのスカイラインが望める。アッパーデックの照度が異様に暗い事を除けば十分に素晴らしいスタジアムである。
行き方:地下鉄オレンジ・ライン(Broad Street Line)の終点Pattison駅(現在は駅にネーミング・スポンサーが付いて「NRG駅」と呼ばれている)下車、徒歩5分。ダウンタウンの中心City Hall駅から南へ約15分(Expressなら10分弱)。駅を出ると右手にNHLフライヤーズ&NBAシクサーズの"Wells Fargo Center"、その向こうにNFLイーグルスの"Licoln Financial Field"が見える。旧"Veterans Stadium"のあった場所は現在はパーキングになっており、Pattison Ave. 沿いには旧スタジアムに関するメモリアルプレートが展示されている。
観戦したゲーム(3):
2006.05.07 Phillies vs. Giants・・・SFのバリー・ボンズが通算713号
2006.05.09 Phillies vs. Mets
2010.07.11 Phillies vs. Reds

ニューヨーク・メッツ
球場:シティ・フィールド
所在地:ニューヨーク州フラッシング
開場:2009年
収容人数:41,922人

Photo by 球場巡礼

・旧球場の隣に建設されたメッツにとって3代目の本拠地球場。デザインは大御所のポピュラス(元HOK)。ネーミング・スポンサーは世界中で金融業を展開しているシティ・グループ。
・こけら落としは2009年3月29日に行われたセント・ジョンズ大学対ジョージタウン大学のカレッジ・ベースボール。
・メインゲートの印象的な外観はブルックリンにあったドジャースの旧本拠地"Ebbets Field"を模している。メッツは球団創設から最初の2シーズンはジャイアンツの旧本拠地"Polo Grounds"でプレイしていたのに何故エベッツ・フィールドのデザインを取り入れたのだろう?答えはメッツのオーナーであるフレッド・ウィルポン氏がブルックリンの出身だから、らしい。
・正面ゲートのエントランス広場脇にホール・オブ・フェイム&ミュージアムが併設されている。入場無料。
・コンセッションで注目はNYで激ウマとの評判が高いハンバーガー屋さん"Shake Shack"の店舗。外野にあります。シャックバーガー、高いけど確かにウマイ。
行き方:球場はマンハッタンの東、クイーンズにある。マンハッタンから地下鉄7号線でMets/Willets Point駅で下車。マンハッタンの42nd St. /Times Sq.駅より所要時間約30分。
観戦したゲーム(2):
2010.07.06 Mets vs. Reds
2010.07.07 Mets vs. Reds

ワシントン・ナショナルズ
球場:ナショナルズ・パーク
所在地:コロンビア特別区ワシントン
開場:2008年
収容人数:41,888人

photo by 球場巡礼

 ダウンタウンの南東、アナコスティア川沿いのネイビー・ヤードと呼ばれるエリアに建設されたナショナルズの2代目本拠地。設計はさすがに「もぉ飽きた」との声も多く聞かれる独占禁止法違反ギリギリの大御所HOK(現ポピュラス社)で、MLBでは通算15コ目の作品にあたる。オフィスビルのような素っ気ない外観のせいで安っぽく見られがちだが、趣向を凝らした複雑な構造のスタンドやヤング・ガイズのお楽しみの飲みスペースがかなり広くとってあるなど、やはり従来のものにはない何らかの工夫が施されているゴキゲンなスタジアムである。
 メインゲートは地下鉄の駅の出口からまっつぐ行った外野側にあるが、ボールパーク・サインが掲げられていて、まぁ、表情は乏しいがそれなりに正面の顔とされているのは反対側のホームプレート裏のゲート。ここは試合前であっても閑散としているが、初代セネターズから始まるワシントンの野球史にまつわる記念碑が並んでおり、二度も嫁ハン(初代&二代目セネターズ)に逃げられた暗黒の歴史がわかりやすく展示されている。最近の球場にしてはフィールドの形状はオーソドックスな造りで、よく見れば右中間と左中間がイレギュラーになっているくらいでほぼシンメトリーと言える。グランドスタンドは基本5層からなっていて結構迫力がある。3塁側のアッパーデックからは見晴らしも良く、唯一リバービューが楽しめる。シンシナティの"Great American Ball Park"などで取り入れられたいにしえのボールパーク構造である「ギャップ」がここでも再び採用され、1塁側のスタンドが内野と外野の間でバッサリと分断されている。これは黎明期のボールパークでよくあった、外野側のスタンドを増設した際に生じた段差=ギャップをデザインとして復活させたもので、特に意味はなく単に見た目だけのものである。ギャップから外野側は3層構造に変更されおり、そのスタンドはテラスと呼ばれている。スコアボード裏およびバックスクリーンを挟んだレフト側はかなり広いスペースが取られていて、そこら一帯は大人や若者がゲームそっちのけでアルコールを楽しめるエリアになっている。特にスコアボードの裏には2011年にNYで人気のハンバーガー屋さん"Shake Shack"がオープンし、毎夜毎夜長蛇の列ができて賑わっているらしい。
 球場のこけら落としはカレッジの試合だったが、MLBデビューは2008年3月30日のブレーヴス戦。当時の大統領ジョージ・ブッシュの始球式で幕を開けた。球場のハイライトはイニング間に行われるジョージ、トム、エイブ、テディの歴代大統領4人によるかぶり物レース。ミルウォーキーのソーセージ・レースと同じくマスコットが実際に走るかけっこなのだが、いつもテディがズルい手を使って勝とうとするが結局負けるというオチがつく。国のレジェンドですら笑いモノにしてしまう大胆不敵さが愉快。ジョージ、トム、エイブ、テディがどの大統領なのかわからない方はサウス・ダコタ州のマウント・ラッシュモアで確認してください。
行き方:地下鉄グリーン・ラインのNavy Yard駅下車スグ。
観戦したゲーム(1):
2008.06.27 Nationals vs. Orioles (Interleague)