ロスト・ボールパーク編

Midway Stadium (St. Paul, MN)
Labatt Memorial Park (London, ON, Canada)
Campbell's Field (Camden, NJ)
Hanover Insurance Park at Fitton Field (Worcester, MA)
Wahconah Park (Pittsfield, MA)
Bernie Robbins Stadium (Atlantic City, NJ)
Smith-Wills Stadium (Jackson, MS)
LaGrave Field (Fort Worth, TX)
Holman Stadium (Nashua, NH)
Fraser Field (Lynn, MA)
Dunn Field (Elmira, NY)
The Ballpark at Habor Yard (Bridgeport, CT)
Riverfront Stadium (Newark, NJ)
 

ミッドウェイ・スタジアム
テナント:セント・ポール・セインツ(1993-2014)
所在地:ミネソタ州セント・ポール
開場:1982年
収容人数:6,069人

photo by 球場巡礼

 セント・ポール・セインツはかつてクスリのためMLBから干されていたダリル・ストロベリー(後ヤンキース入り)や地元出身の名投手ジャック・モリス、キューバからの亡命遊撃手レイ・オルドニエス(後メッツ入り)、フィリーズからのドラフト1位指名を足蹴にしたJ. D. ドリュー(後カーディナルズ入り)らもプレイした、恐らく世界一有名なインディペンデント球団。20世紀の終わりから始まったインディ・ブームの先駆者的存在で、以前はほとんどの主催試合をソールドアウトにしてしまうモンスター・チームだった。
 球場は平地にスタンドを直置きした古いタイプ。グランドスタンド、ベースライン沿いのブリーチャー、外野席がそれぞれ独立している。レフトのすぐ後には鉄道が通っており、試合中に列車が通ると警笛を鳴らしてくれる。ゲーム前に駐車場でテールゲート・パーティをするのがお約束らしいが、マイナーでテールゲート・パーティをやってる球場ってなかなかお目にかかれない。球団の共同オーナーの一人にコメディアンのビル・マーレーが名を連ねており、映画『スペース・ジャム』(マイケル・ジョーダン主演)で彼はセインツのキャップを被って登場している。私が1997年に見たゲームがちょうどJ. D. ドリュー(背番号は24をつけていた)のプロ・デビューの日でスタメンで登場、いきなり初HRをかっ飛ばした。以前から球場の老朽化が指摘されていたため、セインツは2014年シーズンを最後にダウンタウンに新設された"CHS Field"に移った。
行き方:セント・ポールはミネソタ州の東側、ツイン・シティの片割れミネアポリスの東に接しており、この二つの大都市はバスで行き来できるほど隣接している。球場はMidwayの名前の通りセント・ポールとミネアポリスの真ん中に位置しており、どちらからでもバスで行くことができる。ミネアポリスから行く場合は、まずダウンタウンの4th & Nicollet Mall から#3BのバスでEnergy Park Dr. & Snelling Ave. まで行き、そっからEnergy Park Dr. を西に10分ほど歩けば球場に到着。ナイトゲーム終了後もミネアポリスのダウンタウンへ帰るバスは有る(ただし本数はグッと減るが)。
観戦したゲーム(2):
1997.07.11 Northerm League: St. Paul Saints vs. Fargo-Moorhead RedHawks
2013.06.10 American Association: St. Paul Saints vs. Fargo-Moorhead RedHawks

ラバット・メモリアル・パーク
テナント:ロンドン・リッパーズ(2012)
所在地:オンタリオ州ロンドン(カナダ)
開場:1877年
収容人数:5,200人

Photo by 球場巡礼

・現在のトコロ最後のプロ野球チーム住人となったフロンティア・リーグの"London Rippers"は2012年に立ち上げられたチーム。19世紀にイギリスのロンドンで起こった連続猟奇殺人事件の犯人"Jack The Ripper"からチーム名をとったことで良識ある市民から非難され、さらに球場でのアルコール販売ライセンスを取得することができず観客動員が低迷。シーズン終了まで持ちこたえることができず、7月末をもってチームは早々に解散してしまった。
・この球場は1877年にオープンし、現役球場としては世界で最も古い、とされている。
・現在のスタンドは2001年に全面的に建替えられたもの。屋根の上のファウルボール用フェンスが独特のカタチをしており、この球場のチャームポイントとなっている。
・普段は1925年に結成されたセミプロ・リーグの"London Majors"が本拠地として使用しているが、歴史上何度か傘下のマイナーリーグや独立リーグの本拠地となったこともある。1989年から5シーズンはダブルAイースタン・リーグの"London Tigers"、1999年から3シーズンはフロンティア・リーグの"London Werewolves"が入居していた。"London Tigers"は1994年にニュージャージー州のトレントンに移転し"Trenton Thunder"となった。
行き方:ダウンタウン内。テムズ川沿い。グレイハウンド・バスのターミナルから北西に徒歩10分ちょい。
観戦したゲーム(1):
2012.06.29 Frontier League: London Rippers vs. Windy City ThunderBolts

キャンベルズ・フィールド
テナント:カムデン・リヴァーシャークス(2001-2015)
所在地:ニュー・ジャージー州カムデン
開場:2001年
収容人数:6,425人

Photo by 球場巡礼

 2001年にオープンし、同時にアトランティック・リーグの"Camden Riversharks"のホームとなった。00年代の新球場の傾向としては「鉄骨に赤レンガを組み合わせたクラシカルな外観+広いオープン・コンコースに豊富なコンセッション(売店)」がキーワードになってるわけだが、それに加えて「スタンドから何が見えるのか」というのも重要な要素になっている。有名な缶詰メーカーでカムデンの地元企業でもあるキャンベル社がネーミング・スポンサーをつとめるこの美しい球場からはフィラデルフィアとカムデンをつなぐベンジャミン・フランクリン・ブリッジが間近に絵に描いたような構図で見渡せる。この橋が如何に大きいかは外野フェンスのすぐ向こうに壁のようにそびえる橋脚を見るだけでもわかるだろう。1926年に完成したオールド・ブリッジを球場の一部として取り込んだこのスタジアム・デザインには唸らされる。ここほどいい写真が撮れる球場は他に思いつかない。
 球場は同じ州内にあるトレントンサマーセットと同系統・同規模で、古い町並みにはことさらマッチする正調ネオクラシック・スタイル。グリーンに塗られた三角屋根と赤レンガを多用したメイン・エントランスが旧き良き時代の鉄道駅舎のようでかなりカッコイイ。スタンドは全席一人掛けのハネ上げイスで外野の中程辺りまで伸びている。スタンドの向こうとポールの間はレフト側がパーティー・デッキ、ライト側が広めのキッズの遊び場となっている。外野は残念ながらフェンス1枚で仕切られているだけで行き来できない。これがこの球場唯一の欠点か。ちなみに私はこの球場を3度訪れたが売店でキャンベル・スープを見た事がない。
 リバーシャークスは2015年のシーズン終了後に突如活動停止を発表し、電光石火の早業でダブルAイースタン・リーグのチームが転出して空き家になっていたコネティカット州ニュー・ブリテンへの移転を決定した。その後球場は2018年に取り壊された…。
行き方:カムデンはフィラデルフィアのすぐ東側、デラウェア川を渡ったところにある昔の工業都市。「全米で最も犯罪発生率の高い都市」として有名で2004年から2年連続で第1位の栄誉に輝いている(モーガン・クイットノー社調べ)。球場はデラウェア川に架かるベンジャミン・フランクリン・ブリッジのたもとにあり、フィラデルフィアのダウンタウンから歩いてでも行ける。川を渡るにはフィラデルフィアとカムデンを結ぶPATCOという近郊列車を利用するのが一般的。ダウンタウンの8th St. & Market St. 駅から乗り込み橋を渡った最初のCity Hall駅で下車、Market St. を川の方に歩けば右手に球場が見える。PATCOは深夜12時近くまで走っているのでナイトゲーム終了後でもフィラデルフィアへ帰れる。料金は片道$1.40。(11年9月現在)
 橋を歩いて渡る場合はMarket St. の北側、5th St. からスタートとなる。川ベリまで下で行っても直接橋の歩道には上がれないので注意。川を渡っても球場を横目にだいぶ向こうまで行かねば下まで降りられず、しょうみ30分以上も歩かねばならない(橋の歩道は18時でクローズされる)。
観戦したゲーム(3):
2003.07.05 Atlantic League: Camden Riversharks vs. Pennsylvania Road Warriors
2006.05.04 Atlantic League: Camden Riversharks vs. Road Warriors
2011.09.08 Atlantic League: Camden Riversharks vs. York Revolution

ハノーヴァー・インシュランス・パーク・アット・フィットン・フィールド
テナント:ウースター・トルネードズ(2005-2012)
所在地:マサチューセッツ州ウースター
開場:2005年
収容人数:3,000人

Photo by 球場巡礼

・ホーリー・クロス大学の敷地内にあり、普段は同大学のベースボール・チームが使用している。球場自体は1905年からこの地にあったようだが現在のカタチになったのは2005年に大改修をして以降。
・トルネードズは2005年に創設されCan-Amリーグに加盟、2012年限りで廃業。
・チーム名は1953年6月に発生し、甚大な被害をもたらした竜巻からとられた。
・ボストンに近いので戦前はブレーブスやレッドソックスがエキシビション・ゲームを行っていたらしい。
・左中間のフェンスの向こうにハイウェイ290号線が通っているためレフト側はふくらみがなくかなりひしゃげている。
・2014年からカレッジ・サマー・リーグの"Wocester Bravehearts"が新たなテナントとして入居。
・1塁側スタンドの奥に23,500席のフットボール・スタジアムが隣接している。こちらもホーリー・クロス大学のフットボール・チームが使用している。
行き方:ダウンタウンのホーリークロス大学のキャンパス内。
観戦したゲーム(1):
2010.07.09 Can-Am League: Worcester Tornadoes vs. Brockton Rox

ワコナー・パーク
テナント:ピッツフィールド・コロニアルズ(2010-2011)
所在地:マサチューセッツ州ピッツフィールド
開場:1919年
収容人数:4,500人

Photo by 球場巡礼

・1960年代〜00年代にかけてダブルAイースタン・リーグやショート・シーズン・シングルAニューヨーク・ペン・リーグがフランチャイズを置いていたこともある由緒正しき球場。2005年には国によって歴史的建造物に登録されている。貴重な戦前のリアル・オールド・パークの生き残り。
・スタンドは木製。
・太陽がバックスクリーン方向に沈むので、日没直前から完全に陽が沈むまで約20分ほどSun Deley(日没中断)になる。私はこんな中断は初めて経験して驚いたが、地元の人はいたって普通に受け止めていたのが印象的。
・2010年にCan-Amリーグがコロニアルズというチームを置いたが、1試合平均1,000人も集めることができずチームはたった2シーズンで活動を停止した。2012年からはカレッジ・サマー・リーグのFutures Collegiate Baseball Leagueが進出し、"Pittsfield Suns"というチームを置いている。
・MLB傘下の最後のチームは2001年の"Pittsfield Astros"。2001年シーズン終了後にニューヨーク州の州都オールバニー郊外に移転し"Tri-City Valley Cats"となった。
行き方:ダウンタウン内
観戦したゲーム(2):
2010.07.04 Can-Am League: Pittsfield Colonials vs. New Jersey Jackals
2010.07.05 Can-Am League: Pittsfield Colonials vs. New Jersey Jackals

バーニー・ロビンズ・スタジアム
テナント:アトランティック・シティ・サーフ(1998-2008)
所在地:ニュー・ジャージー州アトランティック・シティ
開場:1998年
収容人数:5,500人

photo by 球場巡礼

 1998年のオープンと同時にアトランティック・リーグの"Atlantic City Surf"のホームとなった。サーフは2006年にアトランティック・リーグから脱退し、同業で試合数の少ないCan-Amリーグ(2019年オフにフロンティア・リーグに吸収)に移籍したが2シーズンしかもたず2008年シーズン終了後に廃業した。ブラウン、ベージュ系のパステルカラーを多用したメルヘンチックな外観とチームカラーであるネイビーブルーとエメラルドブルーでペイントされたシートが独特の色彩センスをうかがわせる個性派スタジアム。2006年6月から急にネーミング・スポンサーがついて現行の名称に変更されたが、それ以前は単純に"The Sandcastle"と呼ばれていた。ガラーンとした空き地にポツリと建っているカラフルなこの球場にぴったしな名前で、ラブホチックなネーミング・センスが個人的にはかなり好きだった。
 球場はアトランティック・シティ名物カジノ街からちょっと離れたトコロにある。外野の向こうは一見空き地に見えるが実はプライベート・セスナの空港になっていて試合中でも小型機が頻繁に離着陸する。そしてその向こうに見える高層ビル群がカジノ&ホテル。グランドスタンドは外野の途中までで、中程の通路で上段・下段に分けられている。スタンドの向こうはレフト側が芝生席、ライト側はなんと白砂を敷き詰めたビーチになっている。きっとビーチ・パーティ気分を味わいたい若人達がグループで借り切るのだろう。スタンドがポール際まで伸びていないので当然外野は行き来できない。フィールドと外界を隔てるのは一枚のフェンスのみ。これは90年代の比較的新しい球場でよく認められる特徴だが、悲しいかなこの手の構造は21世紀以降に造られた新球場では全く採用されなくなった。
 アトランティック・シティには1932年まで"Bacharach Giants"というニグロ・リーグのチームが実在した。しかしそれ以降から1998年まで66年間の長きに渡りプロフェッショナル・ベースボール空白地帯だった。球場のメインゲートの脇にはニグロ・リーグを称える大きな記念碑が建っている
行き方:東海岸の一大リゾート地アトランティック・シティは縦長のニュー・ジャージー州の南東、名前の通り大西洋岸に位置する。ニューヨークやフィラデルフィアから頻繁にグレイハウンド・バスが出ているのでアクセスは非常に便利。球場はダウンタウンの南西、Atlantic Ave. & Albany Ave. から少し北へ上がったトコロにある。グレイハウンド・バスのターミナルの出口を出た所がNJ Transit のバス・ストップになっているので、そこでAtlantic Ave. を西へ行く#504(Ventnor Plaza行き)を捕まえれば球場のすぐ近くまで行ける。15分ほど乗るとAlbany Ave. に入り、運河を越えたらAlbany Ave. & Porter Ave. で下車。そっから球場まではAlbany Ave. を北へ1ブロックほど。スケジュールを見る限りではナイトゲーム終了後も走っている。運賃は$1.25。(06年5月現在)
観戦したゲーム(1):
2006.05.04 Atlantic League: Atlantic City Surf vs. Lancaster Barnstomers

スミス-ウィルズ・スタジアム
テナント:ジャクソン・セネターズ(2002-2005)
所在地:ミシシッピ州ジャクソン
開場:1975年
収容人数:5,200人

photo by 球場巡礼

 1975年生まれ。他人とは思えないスタジアムなのでなんとかいい評価をしてあげたいのだが、これが「個性的な」としか言いようのない困った球場でして…。オールディーズでもなくモダンでもなく、この時代の空気を反映した造りと言うか…この球場が評価されるにはまだまだ途方もない時間が必要な気がする。球場の名前は若くして亡くなった地元のスポーツ少年、ジョン・スミス君とダグラス・ウィルズ君にちなむ。
 個性的なのはフィールド。なんと全面人工芝。全面と言うのは大ゲサではなく、内外野はもちろん、塁間、そしてバッターボックスに至るまで全てが人工芝。つまり土はマウンドにしか使われていないのだ。人工芝上のベースに(つい体が勝手に反応して)頭から滑り込んだ選手は、その時初めて己が如何に過酷な業界に就職したかを身をもって知る事になるだろう。こんなフィールドでもハッスルプレーを求められる選手には心から同情する。ただし守備に関しては守りやすいかも。あとグラウンド整備の必要がないので経費はかからずに済む。本格的なグランドスタンドはバックネット裏のみで、そこだけはコンクリ剥き出しのカバーに覆われており、天井には南部らしくファンがクルクルと回っている。シートは下段がブルー、上段がイエローにペイントされている。ダグアウトから向こうはアルミの安っぽいベンチシート。座席と足置きの間にスキ間があるタイプなので下から丸見えの状態になる(誰も覗こうとするヤツはいないが)。外野席はなくもちろん行き来もできない。スタンドからの眺めは一面に広がる密度の濃い南部の樹々。スコアボードはレフト側にあるがビデオ・スクリーンはおろか選手名やスタッツも出ず、ただBSOと得点が表示されるだけの簡素なもの。唯一の救いは照明。背が高くスリムで、鉄骨組みの支柱がタワーのようになっていて非常に画になる。
 開場から1999年まではダブルAテキサス・リーグの"Jackson Mets/Generals"がホームとしていたが、チームは劣悪な施設に見切りを付けてさっさとテキサス州のラウンド・ロックへ移転。その後ふたつの独立リーグが入居したが、2002-05年まで活動していたセントラル・リーグの"Jackson Senators"が最後のプロ野球のテナントになってしまった(セントラル・リーグ自体も2005年を最後に廃業)。

行き方:ジャクソンは「深南部」ミシシッピ州のほぼ中央に位置し、州内最大の都市であり州都でもある。市の名前は第7代アメリカ大統領のアンドリュー・ジャクソンから名付けられた。隣接するパールという町に2005年からダブルAサザン・リーグのフランチャイズが置かれている。球場はLakeland Park と呼ばれるスポーツ・コンプレックス内にある。クルマで行ったので公共の交通機関の有無は不明。Lakeland Park はダウンタウンの東、ハイウェイ55号線のすぐ東にある。I-55をLakeland Dr. で降りてEastへ。Lakeland Dr. に入るとすぐに左側(北)に球場が見える。

観戦したゲーム(1):
2005.06.26 Central League: Jackson Senators vs. Pensacola Pelicans


ラグレイヴ・フィールド
テナント:フォート・ワース・キャッツ(2002-2014)
所在地:テキサス州フォート・ワース
開場:2002年
収容人数:5,100人

photo by 球場巡礼

 独立リーグのチーム誘致の為にわざわざ新設された球場。テナントである"Fort Worth Cats"は当球場のオープンの前年である2001年に創設されており1年目は別の球場でプレイした。球場は2002年にオープン。1926〜67年にこの地にあったオリジナルの"LaGrave Field"の跡地に建設され、球場名やその当時そこでプレイしていたドジャース傘下のチーム名"Cats"はそのまま新チームに踏襲された。新しいチームにしてはヒネリのない古くさいニックネームやなぁ、と思っていたが実はそういう歴史があったのだ。一度消滅してしまった名跡がチームを変えて現代に蘇る、というのは北米プロ・スポーツの世界ではよくある事だがなんとなく途切れた歴史が再び繋がったような気がしてうれしくなる。ちなみにチームのマスコット(クロネコ)の名前はそのものズバリ"Dodger"。
 球場は全体的にシンプルだが必要な設備は一通り揃っており、とても見やすくて居心地のいい空間に仕上がっている。シート、鉄骨類は伝統のフォレスト・グリーン、内外の壁はベージュという最強のカラーリング。グランドスタンドの内野側は、安っぽいがそれがあるだけで球場全体にノスタルジックな雰囲気を演出する鉄骨組みの屋根に覆われている。テキサスの夏は殺人的な暑さになるので実用面においても屋根は必要不可欠だ。外野席もしっかりと整備されており、レフト側には開放的なブリーチャーが、ライト側にはこれまたクラシカルなカバーで覆われた旧"Tiger Stadium"のようなブリーチャーが新たに完成した。スタンドからはこのブリーチャー越しにダウンタウンの高層ビル群が望める。大都会のすぐ近くでのんびりとマイナー観戦ができるなんてなかなか贅沢な場所だ。
 キャッツは創設以来何度も所属するリーグを変えて2014年まで存続したが、最後に所属していたユナイテッド・リーグ自体が2014年シーズン終了後に廃業したため遂にそこで力尽きた。
行き方:フォート・ワースはテキサス州で5番目に人口の多い大都市。地理的にはダラスやMLBレンジャーズの本拠地があるアーリントンの西に位置し、隣接している両ビッグ・シティをダラス/フォート・ワースとひとくくりにする場合もある。フォート・ワースには四大スポーツのフランチャイズはないが、ダラスとアーリントンには全てが揃っている。球場はダウンタウンの北を東西に流れるWest Fork Trinity River を渡ったところにあり、ダウンタウンから徒歩で約25分ほど。Main St. をひたすら北へ歩き、橋を渡りきれば右手(東側)に照明灯が見えてくる。また、ダウンタウンのThrockmorton St. を走るバス#1の北行き(有名な観光地ストックヤードへ行くバス)を利用するとたった5分で行ける。Main St. & NE 6th St. の角で下車、球場まで徒歩1分。時間帯によっては直接球場に横付けしてくれる便もある。ナイトゲーム終了後もバスは走っている。
観戦したゲーム(1):
2005.06.05 Central League: Fort Worth Cats vs. San Angelo Colts

ホルマン・スタジアム
テナント:ナシュア・プライド(1998-2008)/アメリカン・ディフェンダーズ・オブ・ニュー・ハンプシャー(2009)
所在地:ニュー・ハンプシャー州ナシュア
開場:1937年
収容人数:4,000人

photo by 球場巡礼

 開場当時から数々のリーグがフランチャイズを置いてきたようだが、1986年にダブルAイースタン・リーグが撤退して以来長い間空き家になっていた。この球場、恥ずかしげもなく自らを"Historic Holman Stadium"とのたまっておるが、それにはちゃんとした理由がある。時は遡って1940年代。当時ニューヨークのブルックリンをホームとしていたドジャースは傘下のマイナー・チームをここナシュアに置いていた。チーム名は"Nashua Dodgers"。そして、その時ここでプレイしていたのが後にドジャースで大活躍する名投手ドン・ニューカムと後に殿堂入りする名捕手ロイ・キャンパネラのバッテリーだった。彼らの背番号36と39は独立リーグのチームでも永久欠番として引き継がれていた(同チームのユニフォームがドジャースにソックリだったのもこのような理由からだろう)。
 肝心な球場に関しては「来るのが少し遅かったか…」というのが率直な感想。パイン・ツリーに囲まれた静かな公園内にある落ち着いたいい球場なのだが、2002年にグランドスタンドの上に安っぽいスイートが増設され、残念ながらオリジナルの素朴な雰囲気は激減した。スイート増設のため、味のある赤レンガのメインゲートが隠れてしまって外観はそっけない普通のレトロ調スタジアム様式になり果てた。無論、新しく増設された建物もフォレスト・グリーンで塗られ、外壁はオリジナルと同じようなレンガで装飾しているので見た目はそれほど違和感ないのだが何かが違う気がする。3塁側の木製ブリーチャーや、レフト側スコアボードの手前に残るレンガ造りの外野フェンスなど古さは随所に残っているが、リノベイション前の写真を見てしまうと「オリジナルのままが良かったのに…」と思わずにはいられない。ちなみにリニューアルされたシートはアトランタの旧"Fulton County Stadium"から持ってきた、これまた由緒あるシートなのだ(タダのリサイクルとも言う)。
 ナシュア・プライドは1998年から2005年までアトランティック・リーグに所属していたが2006年からランニング・コストの安いCan-Amリーグに移籍した。2009年にチーム名を"American Defenders of New Hampshire"に変えたが同年のオフにマサチューセッツ州のピッツフィールドへ移転。2011年からはカレッジ・サマー・リーグの"Nashua Silver Knights"が入居。
行き方:ナシュアはニュー・ハンプシャー州の南の端っこに位置する小都市。マサチューセッツ州との州境も近く、ボストンからグレイハウンド・バスでわず1時間ちょいのキョリ。しかしながら本数が非常に少なく、日帰り観戦にちょうどいい便がないのが痛い。球場はダウンタウンの北西にあり、グレイハウンドの発着するNashua Transit Center から徒歩約20分。トランジット・センターから東へ2ブロックほど行くと町の目抜き通りであるMain St. へ出るのでそいつを北へ。ナシュア川を越えると道が二手に分かれるので、左側(つまり西側)のAmherst St. へ入る。そのまま住宅街を歩いてると右側に球場が見える。
観戦したゲーム(1):
2004.06.05 Atlantic League: Nashua Pride vs. Pennsylvania Road Warriors

フレイザー・フィールド
テナント:ノース・ショア・スピリット(2003-2007)
所在地:マサチューセッツ州リン
開場:1940年
収容人数:3,804人

photo by 球場巡礼

 入場したところが即スタンド最上段になっている完璧な掘り下げ型のスタジアムで、表のストリートからはバックネット裏にかかっている屋根がかろうじて見えるだけという、隠れた秘密の球場。1980年代前半にはダブルAイースタン・リーグのチームが本拠地としていたが、1995年以降は専ら独立リーグのフィールドとなっている。古い時代の球場の割にはゴチャゴチャしてなくてスッキリしており、むしろモダンな感じさえする。あえて古いモノを探すならコンクリ製の重厚な屋根だろう。柱を全く使用していないタイプなので地面から先端にかけての流れるようなカーヴが抜群に美しく、外から見るとまるでシェル(貝殻ですな)のように見える。この個性的なカバーが球場の顔なのは間違いないだろう。
 最後のプロフェッショナル・ベースボールのテナント"North Shore Spirit"が入居してきたのは2003年からだが、それ以前にスタンドにフィールド・ボックス席が増設され、ライト側にはスコアボードが新設、内野にはフカフカ系の人工芝がインストールされるなどプロの使用に耐えうるように全面的にリノベイトされていた。スタンドは下段の新調された一人掛けイス以外は全てスチール製のベンチシート。キャパは最低限しかなく、地域の愛すべきスモール・パークという表現がとてもよく似合う。リノヴェイションが球場の雰囲気を壊すことなく、さりげなくしっくりハマっている好例と言えるだろう。新しくもあり、古くもある痛快な球場。コンコースには地元リン出身の選手に関するパネルが多数展示してあり、その中でもレンジャーズなどで活躍したケン・ヒル(投手)が地元の稼ぎ頭のようだ。1塁側のフェンスのスグ向こうには普通に民家が並んでおり、思わずマンガのように窓ガラスにファウルボールが直撃して割れるシーンを想像してしまった。2007年にスピリットが廃業した後、2008年にカレッジ・サマー・リーグの"North Shore Navigators"が入居してきた。
行き方:リンはボストン郊外にある小都市で、ボストンからMBTAが運行しているコミューター・レイル(近郊列車)で簡単にアクセスできる。地下鉄North Station 駅からコミューター・レイルのNewburyport/Rockport Line に乗り換えて3駅、Lynn 駅で下車。所要時間は約20分で運賃は片道$3.50。ボストン行きの列車はナイトゲーム終了後の23時台まで走っている。Lynn 駅から球場までは徒歩で約20分。駅前の道は少々ややこしくなってるが、Washington St. という比較的大きめの通りを見つけてそいつを北西へ。住宅街をズンズン進んでWestern Ave. (この通りも比較的大きい)まで来たらそれを右折(北東へ)。これまた住宅街を歩いてると左側に忽然とエントランスが現れる。ちなみにWashington St. 沿いには黒人・ヒスパニック系の低所得者住民が多く、ひとりで歩いていると遠慮なくジロジロ見られるので覚悟するべし。
観戦したゲーム(2):
2004.06.04 Northeast League: North Shore Spirit vs. Aces (DH)

ダン・フィールド
テナント:エルマイラ・パイオニアーズ(1996-2005)
所在地:ニューヨーク州エルマイラ
開場:1939年
収容人数:4,020人

photo by 球場巡礼

 スモールタウンの割には野球熱が高く、1960年代にはダブルAイースタン・リーグ、その後1995年まではショートシーズン・シングルAニューヨーク・ペン・リーグのフランチャイズが置かれていた。そしてMLB傘下のマイナーリーグが見切りをつけた後もすぐさまインディペンデントが参入し、「おらが町のプロ野球」は2005年まで途切れることなく脈々と受け継がれていた(現在はカレッジ・サマー・リーグのフランチャイズが置かれている)。
 球場は完成当時からほとんど改装されておらず、手つかずのまま現存する数少ないWWU時代の正統派クラシック・スタイル。球場名は土地を寄贈したエドワード・ジョゼフ・ダン氏にちなむ。球場の顔である黄色レンガを使った豪快なメイン・エントランスはしょぼくれたスタンドと較べるとアンバランスな気もするがとても味わい深い。フェイクでは決して出せない味だ。グランドスタンドはダグアウト手前までしかない超ショートタイプで、ブルーに塗られた木製のカバーに覆われている。下段やボックス席は新しいシートになっているようだが、上段は未だにフェンウェイ・パークのような木製のハネ上げイス。おしりの痛さが心地よい(←決してこのフレーズだけ抜き出して読まないように)。屋根の上にちょこんと放送ブースが乗っかっているのはオールド・スタジアムのお約束様式。もう至る所古いものだらけなのだ。この手の球場は近年どんどん全面改装・解体の憂き目にあっているので生きながらえている間に是非見ておくべきだろう。コンコース裏には1900年代初頭のパイオニアーズの写真が展示されており、この町の長い野球史を実感できる。入場した所にチームストアがあるが品揃えは最低限なので期待しないように。
 独立リーグ時代の晩年には野茂英雄、伊良部秀輝、マック鈴木ら日本人ビッグ・リーガーが共同でオーナーをつとめていた事があり、その関係で毎年数名の日本人選手がロースターに名を連ねていた。元近鉄の佐野や品田もここでプレイしていた事がある。マイナーリーグのオーナーを夢見る人も多いと思うが(私だけか?)、利益をあげてる球団ばかりではないのでよっぽどお金をもてあましているヒト以外はウカツに手を出さない方がよいかと思われ。
行き方:エルマイラはニューヨーク州西部の森の中に多々ある小都市のひとつ。はっきり言って何もない田舎町だ。町へのアクセスはビンガムトンからCoach USA Short Line Bus で約70分、またペンシルヴェニア州のハリスバーグからCapitol Trailways Bus でアクセスする事もできる。いずれのバスもダウンタウンのバスターミナル(Church St. & Clemens Center Pkwy. )に発着し、市内を走るシティ・バスもここを起点としている。球場はダウンタウンの南東、Chemung River の南側バンク(土手)に面して建っている。球場へ直接行くバスはないが、前述のバスターミナルから出ているSouthtown 行きに乗り、Maple Ave. & Luce St. まで行く。そしてLuce St. をひたすら川の方へ(東へ)ドンツキまで歩けば右手に球場が見えてくる。バスはきっちり1時間に1本しかなく、もちろんナイトゲーム終了後は走っていない。ダウンタウンから歩く場合はChurch St. & Madison St. から歩き始めるとわかりやすい。Madison St. を南へ下り、橋を渡ってそのままMaple Ave. へ入る。Luce St. まで来たらあとはバス利用の場合と同じ。所要時間は約30〜40分。
観戦したゲーム(0):
2004.05.27 Northeast League: Elmira Pioneers vs. New Haven County Cutters・・・4回表1死のあと大雨のため試合成立せず

ボールパーク・アット・ハーバー・ヤード
テナント:ブリッジポート・ブルーフィッシュ(1998-2017)
所在地:コネティカット州ブリッジポート
開場:1998年
収容人数:5,300人

photo by 球場巡礼

・大仰な正面ゲートもボールパーク・サインもない、白い屋根とグリーン、ネイビーに色分けされた座席のシンプルな球場。
・1998年にアトランティック・リーグが創設された際にチームの誕生と共にオープンした。同じリーグのサマーセットの正調コテコテネオクラシック球場に較べると貧弱な感じは否めないが、スイート完備の2階席やビデオ・スクリーン付きスコアボードなどダブルAクラスのグレードは備えている。
・ライト側に見える大きなプラントが特徴。
・右中間の外野フェンス沿いにMetro-North Railroad の線路が通っており列車からも球場が見える。
・レフト側にはプロフェッショナル・アイスホッケー・チーム"Bridgeport Sound Tigers"のホーム・アリーナが隣接している。
・魚か怪獣かよぉわからん半漁人みたいなマスコット"B.B"は一見キモいが逆に忘れられないキョウレツな個性をもつ。
・2001年から2003年までブリッジポートでプレイしていた元日本ハムファイターズの今関投手によると、球場はラクロスのプロチームと共用しているため芝の状態は良くなかったらしい。
・ニューヨークに比較的近いため、元メジャーリーガーやNPBの助っ人たちが晩年を過ごすことが多かった。
・チームは創設から20年目にあたる2017年シーズンを最後に活動を休止し、この球場はコンサート会場として再利用されるそうだ。
行き方:ブリッジポートはコネティカット州の大西洋岸沿い、Pequonnock川の河口に位置するその名の通りの港町。ブリッジポートへはマンハッタンからMTAが運営するMetro-North Railroad でアクセスできる。最寄り駅はNew Haven 線のBridgeport 駅で、駅に着く前に車内から左手に球場が見える。所要時間はグランド・セントラル・ステーションから約90分、運賃はオフ・ピークのラウンド・トリップ(往復)で$22.00。本数は1時間に1〜2本ぐらいだが深夜でも走っているのでナイトゲーム終了後でもマンハッタンへ帰れる。(03年7月現在)
 球場と駅(グレイハウンド・バスのディーポも隣接)はどちらもダウンタウン内にあり徒歩で10分もかからない。ダウンタウンのMain St. を南へ下り、フリーウェイをくぐり抜けるとまずアリーナが、続いて球場が見えてくる。
観戦したゲーム(1):
2003.07.07 Atlantic League: Bridgeport Bluefish vs. Long Island Ducks

リヴァーフロント・スタジアム
テナント:ニューアーク・ベアーズ(1999-2013)
所在地:ニュー・ジャージー州ニューアーク
開場:1999年
収容人数:6,200人

photo by 球場巡礼

 正式名称は"Bears & Eagles Riverfront Stadium"。ベアーズとイーグルスはどちらもかつてニューアークを本拠地にしていたプロ野球チームの名前。1998年に創設されたベアーズは1949年まで実在したトリプルAインターナショナル・リーグのベアーズにちなんで名付けられた。イーグルスはニグロリーグのチームで殿堂入りのラリー・ドビーやモンテ・アーヴィンら名選手がプレイしていた名門。
 球場は約50年振りにニューアークに戻ってきたベアーズの誕生から1年後にオープンした(1998年はコネチカット州ブリッジポートの"The Ballpark at Harbor Yard"を仮のホームとしていた)。グランドスタンドの2階がラグジュアリー・スイートになっている典型的なダブルAクラスの球場で、外野側の座席がアルミの長イスになってるのはこのクラスの球場のお約束。外観は昔ながらの町並みに合わせるため赤茶色系のレンガ装飾で統一されており、コンコースの壁面などはワザと色褪せた風合いにしてありなかなか凝っている。チームストア内にはニグロリーグに関する展示スペースがあり、ベアーズが我が町の野球史を大事にしていることがヒシヒシと伝わってきた。ちなみにこのベアーズ、アトランティック・リーグに所属していた当時(1998〜2010年)は「六甲おろし」の熱唱で知られる元阪神・ヤクルトのトーマス・オマリーが監督を務め、ホセ・カンセコやリッキー・ヘンダーソンなどの超大物メジャー・リーガーと契約するなどしてずいぶん話題を提供してきた。ニューヨークに近く、スカウトが来やすいという理由からメジャー復帰を狙うそれなりに名の通った選手は好んでこのチームと契約する傾向があった。ベアーズは財政状況の悪化により2011年からランニング・コストの安いCan-Amリーグに移ったが観客の減少に歯止めがかからず2013年のシーズン終了後に活動を休止した。現在、球場は既に取り壊されて跡地にタワーマンションが建設されている。
行き方:ニューアークはニュー・ジャージー州の中都市ではあるがマンハッタンにほど近く、ほとんど隣町といった感じ。全米でも屈指の犯罪都市として有名ではあるがニューヨークの三大空港の一つとして機能しているニューアーク空港もある。マンハッタンからはペン・ステーションから出ているNJ Transit でアクセスできる。球場の最寄り駅はNewark Broad St. 駅かニューアーク・ペン・ステーション。ペン・ステからだと球場まで徒歩20分ぐらいかかるが、前者だと駅からわずか1ブロックで球場へ行ける。所要時間は20〜30分。尚、Broad St. 駅へ行くのはMontclair-Boonton 線とMorris & Essex 線で、ニューアーク・ペン・ステーションへ行くのはNortheast Corridor 線とNorth Jersey Coast 線。どちらも深夜でも走っているのでナイトゲーム終了後でもマンハッタンへ帰れる。マンハッタンのWorld Trade Center か33rd St. & 6th Ave. とニューアーク・ペン・ステーションを結ぶPATH Train なら時間はかかるが片道$2.50で行ける。
観戦したゲーム(1):
2003.06.29 Atlantic League: Newark Bears vs. Pennsylvania Road Warriors
・・・リッキー・ヘンダーソンが1番DHでスタメン出場