ジャック・ラッセル・メモリアル・スタジアム
テナント:クリアウォーター・フィリーズ(Advanced A:1985-2003)/ダニーデン・ブルー・ジェイズ(Advanced A:2019)
所在地:フロリダ州クリアウォーター
開場:1955年
収容人数:1,200人
球場名は地元出身の元メジャー・リーガーで後に知事を務め、球場の建設に尽力したジャック・ラッセル氏にちなむ。住宅街の中にある小振りな球場。かつてMLBフィリーズがスプリング・トレーニングのメイン球場として1955年から2003年まで使用していた。フィリーズ傘下のマイナーリーグチームは1985年に創設され、同じく2003年までここをホームとしていた。クリーム色の外壁と赤い屋根のスパニッシュ・コロニアル様式の建物がパーム・ツリーと青い空によく映えていた。スタンドは一層で大きな屋根がかかっている昔ながらの典型的なスタジアムだった。 私が観戦した日は前日の試合が雨で中止になったため急遽ダブルヘッダーとなった。当日も昼過ぎまで雨が降っていたため客足が伸びず後日発表された観客はわずか402人。でも実際はその半分くらいだったような気がする。チームは2004年から町の東側を通るハイウェイ19号線沿いに新たに建設された8,500席の"Bright House Networks Field"(現Spectrum Field)へ移った。もちろんMLBフィリーズのスプリング・トレーニングもそちらに移った。 スタジアムはその後ダグアウトと1塁側のオフィス棟を残して全て解体されたが、2018年に新たに3塁側にクラブハウス、バックネット裏にスチール製の簡易なスタンド、スコアボード、スタンド裏にフィリーズのレジェンドを讃えるメモリアル・パークなどが造られ再び野球場として蘇った。現在は地元のハイスクールとカレッジのベースボール・チームが使用している。2019年には本拠地球場"Dunedin Stadium"(現TD Ballpark)の大改修でホームレスとなったシングルAダニーデン・ブルー・ジェイズが仮の本拠地として1シーズン限りではあるが使用することとなり、2003年以来16年降りにプロの試合が行われた。 |
行き方:「クリアウォーター」という程きれいでもないビーチがあるクリアウォーターはセント・ピーターズバーグから北へ車で約30分、国際空港のあるタムパからは西へオールド・タンパ湾にかかる橋を渡ったのところにある。球場はビーチ側ではなく陸地側にあり、ダウンタウンの路線バスのターミナルから歩いて20分ぐらい。球場の西側のMartin Luther King Jr. Ave. を通る#61のバスやダニーデンのダウンタウンや球場へ行く#78のバスが球場の北側のPalmetto St. を通る。 |
観戦したゲーム(4): 1998.07.16 A Florida State League : Clearwater Phillies vs. Vero Beach Dodgers (DH) 2019.06.05 A Florida State League : Dunedin Blue Jays vs. Charlotte Stone Crabs 2019.06.06 A Florida State League : Dunedin Blue Jays vs. Charlotte Stone Crabs |
キャッシュマン・フィールド
テナント:ラス・ベガス・スターズ/フィフティワンズ(AAA:1983-2018)
所在地:ネヴァダ州ラス・ヴェガス
開場:1983年
収容人数:9,334人
エンターテイメントの本場ラス・ヴェガスなのでついカジノような華やかさを想像しがちだが、球場は平屋建ての至ってシンプルな構造。角度のない一直線なスタンドがポール際まで伸びており、インフィールドはハネ上げ式の一人がけ席、アウトフィールド側はスチール製の背もたれのあるベンチシートになっている。外野には観戦スペースがなく、ポール際のあたりにちょろっと芝生席があるのみ。オープン・コンコースだが外野のウォール裏へは行けない構造。バックネット裏の2階席はスイートルーム。屋根はない。空港の中は言うに及ばず、コンビニの中ですらスロットマシーンのある町だが球場内にもちょろっとだけスロットマシーンが置いてある。80年代の球場なのでそろそろトリプルAの球場としてはキツくなってきたこともあり、2010年代になると移転や新球場建設の話がちょろちょろと話題にのぼるようになった。選手にも設備面での評判がよろしくないようで、以前は西海岸のチームとアフィリエイト契約を結んでいたがドジャースとの契約が切れてからは全く地縁のないブルージェイズやメッツの傘下となっていた。外壁はアドビ風(土とワラで造られたベージュ色のインディアン、あるいはスパニッシュ・コロニアル風住居)のベージュとブラウンでペイントされており、ストリップやダウンタウンの華やかさとは一線を画す雰囲気になっている。以前は"Stars"というチーム名でモミアゲ+サングラスに白いジャンプスーツというモロに70年代のエルヴィス・プレスリーを意識したElvee(エルヴィー)というマスコットがいて個人的には大いに気に入っていたのだが、2001年にチーム名を現在のものに変更したついでにロゴを宇宙人風のイラストに一新してしまった(その新ロゴは変更当時はマイナー全体でもトップクラスの人気ロゴとなった)。ちなみにこの球場は1998年から始まりわずか3度の開催で打ち切られたトリプルAワールド・シリーズ(パシフィック・コースト・リーグ対インターナショナル・リーグ)の開催地となった。またメジャーリーグとの関わり合いも深く、1996年当時オークランド・コロシアムが改装工事中で使えなかったアスレティックスが一時的にホームゲーム(ブルー・ジェイズ戦2・タイガース戦4の計6試合)を開催している。またスプリング・トレーニングを終えたチームが公式戦に入る直前にこの球場でエキシビション・ゲームを行うのは毎年の恒例になっている。 移転か新球場建設かで迷っていたラス・ヴェガス市はついに郊外のサマーリンという町に新球場の建設を決め、チームは2019年から新球場へ移ることが決定した(新チーム名は"Las Veagas Aviators"と発表された)。オールド・スタジアムではなくひと昔前の70〜80年代の建物として今や珍しい存在となっていたこの球場は2018年シーズンいっぱいでプロフェッショナル・ベースボールの球場としての役目を終えた。 |
行き方:アメリカ屈指の観光地ラス・ヴェガスはネヴァダ州の南端に位置する。2017-18年シーズンにNHLがエクスパンションするまでは4大スポーツのフランチャイズは皆無だったが現在はそのNHL(ゴールデン・ナイツ)の他にNFLレイダーズがオークランドからの移転を予定している。球場はダウンタウンの北側、ヴェガスの目抜き通りであるLas Vegas Blvd. 沿いのCashman Center という複合施設内にある。カジノホテルや劇場が並ぶストリップ地区からはLas Vegas Blvd. を走る24時間運行のバス(運賃は2時間乗り放題券$6.00、24時間乗り放題券$8.00の2種類しかない)でダウンタウン(フレモント・ストリート・エクスペリエンスのある辺り)へ行き、そっからLas Vegas Blvd. を北へ徒歩15分ほど。高架になってるハイウェイをくぐり、セブンイレブンを過ぎると右手にパーキング見えてくる。ダウンタウンより北側には特に何もないので旅行者はあまり行く機会はないが、球場はダウンタウンからそんなに離れてないのでアクセスは簡単。 |
観戦したゲーム(5): 1999.04.23 AAA Pacific Coast League : Las Vegas Stars vs. Edmonton Trappers 1999.04.24 AAA Pacific Coast League : Las Vegas Stars vs. Edmonton Trappers 1999.04.25 AAA Pacific Coast League : Las Vegas Stars vs. Edmonton Trappers 2018.05.02 AAA Pacific Coast League : Las Vegas 51s vs. Sacramento River Cats 2018.05.03 AAA Pacific Coast League : Las Vegas 51s vs. Sacramento River Cats |
バーリントン・アスレティック・スタジアム
テナント:バーリントン・インディアンズ/ロイヤルズ(Rookie:1986-2020)
所在地:ノース・キャロライナ州バーリントン
開場:1960年
収容人数:3,500人
・ダウンタウンの東、Fairchild Parkという公園内にあり、オープン当時は"Fairchild Stadium"と呼ばれていた。この球場は元々はヴァージニア州ダンヴィルにあった"League
Park"という球場で、それを買い取って移設したとの事。なので1960年にオープンという事になってるが鉄骨で組まれたグランドスタンドは1930〜40年代の雰囲気がプンプンする。鉄骨はブルーにペイントされておりビンテージ感が漂う。スタンドの下にはフードの売店が入っている。 ・1960年代はキャロライナ・リーグのチームがここを本拠地にしていたが1986年に現在のチームがケンタッキー州ペインツヴィルから移転してきた。インディアンズ傘下からロイヤルズ傘下へ変わったがチームは2020年まで存続した。しかし2020年のオフに断行されたマイナーリーグ改編でルーキー級自体が廃止となり、アパラチアン・リーグに所属していた全チームがMLB傘下のマイナーリーグとしての活動を終え、アパラチアン・リーグは2021年からカレッジ・サマー・リーグとなった。 |
行き方:バーリントンへのアクセスは両隣のグリーンズボロかダーラムから市バスあるいはアムトラックになり、グレイハウンド・バスは発着していない。球場へはダウンタウンのバス・ターミナルから歩いて50分ほど。市バスでも行けるが土日祝は運行していないので注意。 |
観戦したゲーム(1): 2017.07.22 Rookie Appalachian League : Burlington Royals vs. Bristol Pirates |
ノースイースト・コミュニティ・クレジット・ユニオン・ボールパーク
テナント:エリザベストン・ツインズ(Rookie:1974-2020)
所在地:テネシー州エリザベストン
開場:1974年
収容人数:2,000人
・ワトーガ川沿いにある風光明媚なスモール・スタジアム。3塁側のスタンドの奥に川が流れている。 ・1974年の球団創設と同時に球場もオープン。一度も親球団が変わったことがなく、1974年からMLB傘下のマイナーリーグとしての活動を終えた2020年までずっとツインズ傘下で通した。 ・球場は1996年にリノベイションされている。 ・左中間のウォールの向こうはストリートになっているので左中間はふくらみがなくほぼ一直線になっている。 ・1・3塁側とバックネット裏に簡素なスタンドがあるだけで立ち見スペースや芝生席はない。スタンドはどこもネットに覆われていて観戦環境的にはあまり良くない。 ・1塁側スタンドの最上段は常連がマイ・チェア持参で占拠しており、試合が終わるとフェンスにマイ・チェアをくくりつけて置いて帰る習わしがある。 ・バックネット裏スタンドとベースライン沿いの内野スタンドの間にプレハブのようなプレスボックスがあり、その下にもマイ・チェア持参の常連が陣取っている。ここはネットがジャマでうっとしーが、バッターボックスが異様に近くかなりの臨場感が味わえる。さすが常連はええ場所を知っている。 |
行き方:エリザベストンは人口わずか14,000人のスモール・シティ。公共の交通機関ではアクセスできないのでまず隣町のジョンソン・シティまでグレイハウンド・バスで行き、そっから先はタクシーかウーバーを利用するしか手段はない。球場の近くにTraveler's Inn というモーテルがあるので、そこを拠点にすれば球場まで歩いて行ける。球場はダウンタウンの北、Elk Ave. という幹線道路とワトーガ川に挟まれた公園内にある。 |
観戦したゲーム(2): 2017.07.18 Rookie Appalachian League : Elizabethton Twins vs. Bristol Pirates 2017.07.19 Rookie Appalachian League : Elizabethton Twins vs. Bristol Pirates |
ヴォイス・コックス・フィールド・アット・デヴォー・メモリアル・スタジアム
テナント:ブリストル・タイガース/ホワイトソックス/パイレーツ(Rookie:1969-2020)
所在地:ヴァージニア州ブリストル
開場:1969年
収容人数:2,000人
・住宅地の中の公園にある簡素なスモール・スタジアム。高校野球の名門ヴァージニア・ハイ・スクールのベースボール・チーム「ベアーキャッツ」と共用している。公園内にはフットボール・スタジアムと少年野球用の球場もある。フットボール・スタジアムは球場と同じくヴァージニア・ハイのフットボール部が使用している。 ・右中間のすぐ外側はDivision St. という通りになっており、フェンスに目隠しはあるものの基本的には通りから球場が丸見え状態になっている。通りがあるため右中間は非常に浅く、逆にセンターからレフトがかなり深くなっていてフィールドはほぼ長方形になっている。 ・3塁側の大きな斜面を利用した芝生席にマイ・チェアを持ち込んで観戦するのが地元流。ここには大きな樹があるため常に日陰になっているので常連率がすこぶる高い(そして試合途中で帰る率もかなり高い)。 ・外野には観戦スペースがなくウォールの向こうは外界。 ・売店のホットドッグはなんとたったの1ドル! ・球場内の通路に1952年にBristol Twins (当時は"Class D"というレベルのマイナーリーグ)の19歳の某ピッチャーが27奪三振のパーフェクト・ゲームをやったことを記す記念碑がある。ちなみにその記録が達成された球場はこの球場とは別の場所とのこと。 ・オープンと同時にアパラチアン・リーグのブリストル・タイガースがこの球場を本拠地とした。以降、2020年のオフに断行されたマイナーリーグ改編でリーグ自体が廃止となるまで1度も移転することなくブリストルはプロフェッショナル・ベースボールのフランチャイズで有り続けた。現在はカレッジ・サマー・リーグのチームが入居している。 |
行き方:ブリストルはヴァージニア州とテネシー州の州境の町で、ダウンタウンの北にある球場はヴァージニア州側、ダウンタウンにあるグレイハウンド・バスのターミナルはテネシー州側に所属する。ダウンタウンの目抜き通りであるState St. が州境になっており、北側がヴァージニア州、南側がテネシー州。球場はダウンタウンから歩いて30分ほど。Euclid Ave. という大通り沿いに面している。 |
観戦したゲーム(1): 2017.07.17 Rookie Appalachian League : Bristol Pirates vs. Princeton Rays |
ジム・ペリー・スタジアム
テナント:バイーズ・クリーク・アストロズ(Advanced A:2017-2018)
所在地:ノース・キャロライナ州バイーズ・クリーク
開場:2013年
収容人数:1,000人
・キャンベル大学内の施設。普段は大学のベースボール・チーム"Campbell Fighting Camels"のホーム。 ・フィールド自体は1940年代からあるらしいが2013年に現在の装いとなってリニューアル・オープンした。その際に同校のOBであり、MLBで先発ピッチャーとして活躍し1970年にはサイ・ヤング賞も獲得したジム・ペリーに敬意を表し現在の球場名に改めた。 ・この球場がプロフェッショナル・ベースボールの本拠地として使用されたのは2017〜18年の2シーズンのみ。最初から2019年にオープンするフェイエットヴィルの新球場に移るまでの仮住まいだった。 ・マウンド以外はすべて人工芝。外野と3塁側ベースライン沿いに観戦スペースはない。 ・内野スタンドは端から端までくまなくネットがかかっており、1塁側のベースライン沿いにある芝生席以外はどっから見てもネット越しの観戦となる。 |
行き方:球場へ行く公共の交通機関はない。フェイエットヴィルのバス・ターミナルかローリー/ダーラム国際空港からタクシーかウーバーで。一番近いホテルがリリントン(Lillington)という町にあるのでそこから徒歩90分。 |
観戦したゲーム(1): 2017.07.13 A Carolina League : Buies Creek Astros vs. Frederick Keys |
ヘンリー・フィールド
テナント:レイクランド・タイガース(Advanced A:1963-64, 2002)/フライング・タイガース(Advanced A:2016)
所在地:フロリダ州レイクランド
開場:1925年
収容人数:1,000人
・1966年に"Joker Marchant Stadium"ができるまでデトロイト・タイガースがスプリング・トレーニングを行っていた歴史的な球場。球場名は球場建設とスプリング・トレーニングの誘致に尽力したクレア・ヘンリー氏にちなむ。 ・1997年にNational Register of Historic Placesに登録され、名実ともに歴史的建造物に指定された。 ・シングルAフロリダ・ステイト・リーグのレイクランド・タイガースもここをホームとしていたが、1966年に"Joker Marchant Stadium"ができてからはそちらに移った。しかし"Joker Marchant Stadium"の大規模改修工事が行われた2002年と2016年はそれぞれ1シーズン限りではあったが再びレイクランド・タイガースのホームに返り咲いた(2016年はレイクランド・フライング・タイガースに改称)。 ・2002年にレイクランド・タイガースが一時的に使うこととなったのでその前にリノベイションが行われており、バックネット裏スタンドのスティール製のベンチシートなどは結構新しい。 ・トロピカルな色にペイントされたコロニアル・ミッション様式のファサードは一見の価値あり。 ・スタンドは屋根に覆われたバックネット裏にしかなく、あとは3塁側にスティール製のブリーチャーがちょろっとあるのみ。売店やテーブル、チームストアも3塁側にある。外野や1塁側には観戦スペースはない。 ・普段はフロリダ・サザン・カレッジや地元ハイスクールのベースボール・チームがホームとして使用している。 |
行き方:レイクランドのダウンタウン内。タイガースのスプリング・トレーニングのメイン球場であるジョーカー・マーチャント・スタジアムから南へ徒歩30分ほど。North Florida Ave. という大きな道路沿いにあり、球場の前には路線バスのバスストップもある。球場の北側には地元のハイスクールが使用するフットボール・スタジアムが隣接している。 |
観戦したゲーム(2): 2016.07.21 A Florida State League : Lakeland Flying Tigers vs. St. Lucie Mets 2016.07.22 A Florida State League : Lakeland Flying Tigers vs. St. Lucie Mets |
エドワード・A・ラローシュア・パーク
テナント:ローウェル・スピナーズ(SS-A:1998-2020)
所在地:マサチューセッツ州ローウェル
開場:1998年
収容人数:5,000人
ローウェルは新チームとしてプレイボールがかかる前からレッドソックス・ネイションの新メンバーとして成功を約束されていた。元はニューヨーク州の田舎町エルマイラで細々と興業していたが、1996年にボストン近郊の工業都市ローウェルに移転してきた。最初の2シーズンは暫定的に町の小さな球場"Stoklosa
Alumni Field"でプレイしたが、1998年にHOK(現ポピュラス)のデザインによるショート・シーズンAにしては立派すぎるこの球場に移ってきた。それ以降、2020年のオフに断行されたマイナーリーグの改編で廃業させられるまでやんややんやの大盛況が続いていた。 球場はダウンタウンの北、メリマック川沿いの古い工場が建ち並ぶエリアにある。U-Mass Lowell と呼ばれる大学のキャンパスに隣接、と言うかキャンパスの一部でもある。スタンドからは川に架かるアーチ型のレトロな鉄橋やレンガ造りの巨大な旧紡績工場が望め、あたりには往時の繁栄を偲ばせるニュー・イングランドらしいノスタルジックな景観が広がる。球場ももちろんその町並みに合わせてバリバリのネオ・クラシック・スタイルに仕上げられている。外観はお約束通りレンガ造り、エントランスは鉄骨ムキ出しのタワーとゲートの組み合わせ。ゲートから階段を上がるとスタンド最上段のオープン・コンコースに出る。箱庭のような狭さを感じるのは広告だらけの外野フェンスとスタンドに四方を囲まれ、眼下にフィールドを見下ろしているからか。スタンドの形状は1塁側と3塁側ではかなり違っている。1塁側はちょうど"Fenway Park"の3塁側スタンドのように、急にベースラインに寄るようにスタンドの角度が変わる。一方、3塁側はポールまで一直線になっていて、外野側には砂かぶり席やキッズの遊び場がある。外野はフェンスのみで行き来はできない。フェンスの裏にはすぐメリマック川が流れているが、球場の外周は一周できるように散歩道が敷いてある。この球場のミドコロはバックスクリーンの脇に鎮座しているHOOD MILKの容器型の看板。これは知る人ぞ知る貴重なモノでして、実は"Fenway Park"のライトの屋根の上に飾ってあったものをそのまま譲り受けたものなのだ。現在、フェンウェイのライトの屋根の上には新たに増設されたスタンドとバドワイザーのでかい広告があるのだが、その場所は以前はここにあるミルクボトル様のナワバリだったのだ。名物看板を移設するなんてレッドソックス・ネイションの絆の強さがうかがえるエピソードだ。ちなみにレッドソックスがらみで言うとライトポール横の外野フェンスには1・4・8・9・27のリタイアード・ナンバーが掲げてある。また2008年シーズンにはバックストップにレッドソックスの2007年ワールド・チャンピオン記念ロゴまでペイントするという力の入れようだった。 |
行き方:ローウェルはボストンからクルマで1時間ほど北へ行った中都市で、ボストンのノース・ステーションから出てる近郊列車のローウェル・ラインでアクセスできる。終点のLowell 駅から球場までは徒歩で北西へ徒歩30分弱。メリマック川にかかるAiken Street Bridge を目指せば球場は橋のたもとにある。ナイトゲーム終了後でもボストンへ帰る列車はあるが、平日と土日では終電の時間が違うので注意。 |
観戦したゲーム(2): 2008.06.22 SS-A New York-Penn League : Lowell Spinners vs. Vermont Lake Monsters 2016.07.18 SS-A New York-Penn League : Lowell Spinners vs. State College Spikes |
マッコイ・スタジアム
テナント:ポータケット・レッド・ソックス(AA:1970-72 / AAA:1973-2020)
所在地:ロード・アイランド州ポータケット
開場:1946年
収容人数:10,031人
1999年に大規模な改装がほどこされたが昔の雰囲気を壊さないよう上手くアップ・グレードされている。素朴な外観からは想像できないがリーグ屈指の集客力を誇り、ファンから深く愛されていたスタジアムとチームだった。1970年のダブルA時代から長年に渡りレッドソックスとの濃密な関係を続けていたがやはり施設の老朽化には勝てず、ポータケットの隣町で州都でもあるプロヴィデンスとマサチューセッツ州ウースターの間で争奪戦が繰り広げられたが、新球場建設を確約した後者に軍配が上がり2020年を最後に"ポゥソックス"は転出、このオールド・スタジアムも空き家になってしまった。 客席は屋根に覆われたグランドスタンドに集中している。結構傾斜がキツイ。アメリカの球場では珍しく、日本の球場のようにフィールド・レベルからワン・フロア分くらい上にスタンドがのっかってる。ゆえに選手に直接サインをもらうのは難しく、ファンはみなダグアウトの上からペンとベースボールカードをヒモで吊るしてサインをねだる。その光景はゲーム前の風物詩になっている。特徴は1999年のリノベイションでお目見えした3塁側にある見張り櫓のようなタワー。赤い屋根がかわいらしい。外野はレフト側が芝生席、ライト側がブリーチャーになっている。人気チームだけあってチームストアはかなり充実。ポータケットものを身につけて"Fenway Park"に行くとレッドソックス・ファンがいじってくるのでお試しを。スタンド裏のコンコースには有名な"The Longest Game in Professional Baseball History"の展示がある。1981年4月18日に行われたロチェスター戦がなんと延長33回まで行われ、これがプロ野球での最長イニング試合としてレコード・ブックに載っているのだ。ちなみに結果はポータケットが3-2で勝っている。当時の新聞記事やボックス・スコアと共に、このゲームを取り上げた日本の雑誌記事まで展示されている。 |
行き方:ポータケットはロード・アイランド州の州都プロヴィデンスの隣町。両方の町はRhode Island Public Transit Authority(通称RIPTA)の運行するバスが深夜0時台まで頻繁に行き来しているので、球場は実質プロヴィデンス郊外に位置すると考えればよい。ポータケットは言うにあらずプロヴィデンスにも4大スポーツのフランチャイズはない。プロヴィデンスへはボストンからグレイハウンド・バスやピーターパン・バス、近郊列車で約1時間。どれもダウンタウンのサウス・ステーションから発着している。プロヴィデンスのダウンタウンのKennedy Plaza が都市間バスや前述のRIPTAバスの発着ターミナルになっているので、ここからR-Line という系統のNorth行きのバスで約20分。ポータケットのバスターミナル(Main St. & Roosevelt Ave. )で降りて、そっから球場までは住宅街の中を歩いて約15分ほど。プロヴィデンスへ戻るバスはナイトゲーム終了後も走っている。(16年07月現在) |
観戦したゲーム(2): 2004.05.24 AAA International League : Pawtucket Red Sox vs. Charlotte Knights 2016.07.16 AAA International League : Pawtucket Red Sox vs. Charlotte Knights |
ファルコン・パーク
テナント:オーバーン・アストロズ/ダブルデイズ(SS-A:1982-2020)
所在地:ニューヨーク州オーバーン
開場:1995年
収容人数:2,800人
・Casey Park という公園内にある小さな球場。オリジナルのファルコン・パークは1927年に完成したオールド・スタジアムだったが1994年のシーズン終了後に一旦解体され、翌1995年の開幕に間に合うようにつくられたのが現在の2代目。 ・球場の正式名称は"Leo Pinckney Field at Falcon Park"。レオ・ピンクニー氏はオーバーンにマイナーリーグを誘致するのに尽力した人物でニューヨーク・ペン・リーグのコミッショナーを務めたこともある。 ・チームは1958年に創設された古参だが1980年限りで一度歴史が途絶え、1シーズン後の1982年に復活し2020年のマイナーリーグ改編まで一貫してニューヨーク・ペン・リーグに所属していた。チーム名はその時々の親球団の名前を名乗っていたが、オーバーンで少年時代を過ごした南北戦争の北軍の将軍…というより「野球の発明者」として認定されているアブナ−・ダブルデイにちなみ1996年から"Doubledays"と名乗っている。 |
行き方:オーバーンはニューヨーク州の中央、フィンガー・レイクス・エリアのスモールシティでシラキュースの西約40`に位置する。グレイハウンド・バスの停留所はないがシラキュースのシティ・バスが少ないながらもオーバーン行きの路線を走らせており、どの路線もダウンタウンのループ内のSouth St. とLincoln St. の交差点近くのバスストップに発着する(運賃は片道$4.00)。球場はダウンタウンの北、Casey Park とゆう公園の一画にある。Division St. 沿いにメインゲートとチケット窓口がある。ダウンタウンから歩くと40〜50分くらい。 |
観戦したゲーム(1): 2015.07.19 SS-A New York-Penn League : Auburn Doubledays vs. West Virginia Black Bears・・・オーバーン先発のマリアーノ・リヴェラ3世は3回7失点で降板 |
ドワイヤー・スタジアム
テナント:バテーヴィア・パイレーツ/トロージャンズ/クリッパーズ/モックドッグズ(SS-A:1961-2020)
所在地:ニューヨーク州バテーヴィア
開場:1996年
収容人数:2,600人
・住宅街にある小さな球場。球場の周囲にはリトルリーグの球場やハイスクールがある。 ・オリジナルのドワイヤー・スタジアムは1937年に完成したオールド・スタジアムだったが1995年のシーズン終了後に一旦解体され、翌1996年の開幕に間に合うようにつくられたのが現在の2代目。1年前に完成していたニューヨーク州オーバーンの"Falcon Park"をお手本にしてデザインされたので両者はウリ二つの構造になっている。 ・バテーヴィアはニューヨーク・ペン・リーグが創設された時から(2度の空白期間を挟むが)ずっと続いてきた伝統のフランチャイズだったが、2020年のマイナーリーグ改編で容赦なくMLB傘下からはじき出された。現在はカレッジ・サマー・リーグのチームとして存続している。 |
行き方:ダウンタウンの北側、ハイウェイ90号線の南側。グレイハウンド・バスのディーポを兼ねているCITGOのガソリンスタンドから東へ徒歩20分ほど。グーグルマップでは道が途切れて表示されていないが、デイズインの南側の道を東へ行くとBOCESという学校のような建物の敷地内を歩いてState St. へ抜けることができる。ダウンタウンからだとState St. を北へまっすぐ徒歩約20分。 |
観戦したゲーム(2): 2015.07.15 SS-A New York-Penn League : Batavia Muckdogs vs. Williamsport Crosscutters 2015.07.16 SS-A New York-Penn League : Batavia Muckdogs vs. Williamsport Crosscutters |
サム・リン・バールパーク
テナント:ベイカーズフィールド・マリナーズ/ドジャース/ブレイズ(Advanced A:1982-2016)
所在地:カリフォルニア州ベイカーズフィールド
開場:1941年
収容人数:3,500人
・何度も改修を繰り返しておりオールド・ボールパークの風情はほとんどないが古いとゆうことだけは確実に伝わってくる昔ながらの球場。 ・写真でもわかるが照明がかなり暗い。 ・外野はウォールで外界と区切られており観戦スペースはない。 ・センター方向に太陽が沈むためグリーンモンスターのような大きなバックスクリーンがそびえている。そして夏場は陽が沈むのを待ってからゲームを始めるので試合開始時間が19:45に設定されている。 ・1995年にドジャースでメジャーリーグ・デビューした野茂英雄は開幕前に当時ドジャース傘下だったベイカーズフィールド・ブレイズで1試合だけ調整登板を行っている(登板は遠征先のランチョ・クカモンガだったが)。 ・ベイカーズフィールド・ブレイズはリーグの意向で2016年のシーズン終了後に廃業し、代わりに独立リーグのペコス・リーグのチームが入居してきた。 ・この球場がオープンした1941年から2016年まで(途中で3度の空白期間はあるが)常にカリフォルニア・リーグのチームがここをホームにしてきた。チーム名はアフィリエイトが変わる度に変更されてきたが、1995年以降は「ブレイズ」を名乗り続けた。 |
行き方:ベイカーズフィールドはカリフォルニア州中央部の「バレー」と呼ばれているエリアの南端に位置する中都市。球場はダウンタウンの北、ハイウェイ28号線とカーン川に挟まれた広場のようなところにある。ダウンタウンの18th St. にあるグレイハウンド・バスのターミナルから歩く場合は町の目抜き通りであるChester Ave. をひたすら北へ約30〜40分、40th St. の角に球場の看板があるのでそいつを西へ折れると球場が見える。シティ・バスで行く場合はダウンタウンのChester Ave. & 22nd St. にあるシティ・バスのターミナルから#22で。ナイトゲーム終了後でもバスは走っているのでダウンタウンへ戻ることができる。 |
観戦したゲーム(1): 2015.05.08 A California League : Bakersfield Blaze vs. Visalia Rawhide |
ウィリアム・H・グレイソン・スタジアム
テナント:サヴァンナ・カーディナルズ/サンド・ナッツ(A:1984-2015)
所在地:ジョージア州サヴァンナ
開場:1926年
収容人数:4,000人
ほんまもんのオールド・スタジアム。開場は1926年だが1940年のハリケーンでスタンドが全壊し、現在の建物は翌1941年に再建されたもの。球場名はスペイン戦争の英雄ウィリアム・グレイソン将軍にちなむ。球場はDaffin
Park というフットボール・フィールドやバスケ、テニスのコートなどを備えた大きな公園の中にある。年季の入った赤レンガでつくられたファサードは周りの南部独特の深い緑とよく調和しており、近年のネオ・クラシック・スタイルが成金趣味に見えてしまうほど素朴で美しい。グランドスタンドは当然のように全体的に屋根で覆われており古球場マニアの期待を裏切らないだろう。しかし、実際に席に座ってみると残念ながらネットやフェンスが内野はおろか外野付近にまで全体的に、しかもかなり上の方まで張ってあるのでフィールドが見えづらかったりする。オールド・スタジアムは得てしてネットやフェンスがジャマというケースが多いので油断ならない。1塁側の外野側スタンドは座席をすべてとっぱらって3層の巨大なバー・スタイルに改造してあり、ゲームを見に来ているというより明らかに飲みに来ているといった感じの地元連中で盛り上がる。以前はフットボール場も兼ねていたためレフト側にブリーチャーがあったのだが現在は撤去されている。チーム名の「サンド・ナッツ」とは南部によくいる蚋(ブヨ)の事。実に痒そうなニックネームである。 そのブヨ軍団は2015年のシーズンを最後にサウス・キャロライナ州の州都コロンビアに移転し美しいホタルに生まれ変わった(Columbia FireFlies)。空き家になると懸念されたスタジアムだったがすぐにカレッジ・サマー・リーグの大手"Coastal Plain League"の新チームが入居し、初年度となった2016年はソールド・アウトを連発して大いに盛り上がった。 |
行き方:古都サヴァンナはジョージア州の東端、サヴァンナ川の河口に位置する。ダウンタウンは昔ながらの南部の町並みを残しており、日本ではマイナーだがアメリカ国内では結構有名な観光地でもある。映画「フォレスト・ガンプ」の有名なオープニング・シーンは歴史地区のChippewa
Squareで撮影されている。 球場はダウンタウンの南東、ダフィン・パークという東西に細長い公園の中にある。ダウンタウンのインターモーダル・トランジット・センターから出ているシティ・バスの#27、#28に乗り、Waters Ave. とVictory Dr. の角で下車。Victory Dr. を公園に沿って東の方へ10分弱歩くと球場が見えてくる。Victory Dr. 沿いには南部の不思議植物スパニッシュ・モスが垂れ下がった巨木が茂り、またコロニアル様式のゴージャスなお屋敷が並んでるのでダウンタウンから歩いて行っても飽きることはないだろう。ナイトゲーム終了後は#27のバスしか走っていないがダウンタウンに戻ることはできる。 |
観戦したゲーム(4): 1998.07.26 A South Atlantic League : Savannah Sand Gnats vs. Delmarva Shorebirds (DH) 2015.05.03 A South Atlantic League : Savannah Sand Gnats vs. Lakewood BlueClaws 2015.05.04 A South Atlantic League : Savannah Sand Gnats vs. Lakewood BlueClaws |
ハーシェル・グリア・スタジアム
テナント:ナッシュヴィル・サウンズ(AA:1978-84, AAA:1985-2014)
所在地:テネシー州ナッシュヴィル
開場:1978年
収容人数:10,700人
球場名になったハーシェル・グリア氏はナッシュヴィルにマイナーリーグのチームを誘致するのに尽力した人物。スタンドは1層で屋根はなく、バックネット裏のみ2階席がある典型的なひと昔前の平べったい型球場。2階席と言ってもスイートとガラス越しに観戦できるレストランしかなく一般人用のスタンドはない。座席はブルーで統一されているがもはや色褪せて白みがかってしまい、なんともやるせない雰囲気を漂わせている。外野側のスタンドなどは床板がたわんでもはや腐る寸前。所有者はこの球場を改修する価値はない、と判断したのか独立リーグでもここまで放置しているトコロはなかなかお目にかかれない。芝の状態も酷く、トータル的にみて2014年当時のトリプルAクラスではダントツで最低の球場だった。しかしながらギターの形をしたスコアボード、コイツだけは見逃せない。ネックの部分にスコア、ヘッドの部分にカウントが表示されるだけというたいして芸のないシロモノで、もちろんビデオボードなんて気の利いたものも備えていないがのんびりした球場にやけに似合っていた。ミュージック・シティならではのチーム名といい、個性的なスコアボードといい、ローカル色が非常に濃い球場だ。外野にはパーティーデッキがあるだけでラワン(芝生席)やブリーチャー(外野席)はない。新球場を造る造るという話は00年代から出ては消え、出ては消えの繰り返しだったが、ついに建設予定地が決まり2015年の開幕に合わせてオープンすることが決定した。というわけでこの時代遅れなヴィンテージ球場も2014年が最後のシーズンとなった。個人的には何度も訪れている球場なので名残惜しいような気もするが、球場の価値的にはそれほどダメージはないだろう。しかし、マイナーリーグが今ほど商業化されていなかった70年代、80年代の雰囲気を残す球場なので、何年か後には「あのいけてないスタンドも昔っぽくて良かったなー」と懐かしむ時が来そうな予感。 2002年に訪れた時は「キットカットの歌」を1塁側・3塁側で交互に歌い、声が大きかった方にキットカットをバラまくというプロモーションがあったが、2005年の再訪では"Goo-Goo(グーグー)"という聞いたことのないお菓子のプロモーションに変わっていた。場内の売店で売っていたのでチェックしてみると、どうやら地元ナッシュビルの会社が生産しているチョコパイのようなものでひたすら甘かった。 |
行き方:州都ナッシュヴィルは東西に細長いテネシー州のほぼ中央に位置する。Music City U.S.A. と呼ばれるほど音楽産業がさかんで、カントリー・ミュージック専門のレコード会社やレーベルが軒を連ねる町として知られる。4大スポーツの中ではNFLタイタンズとNHLプレデターズがフランチャイズを置いている。球場はダウンタウンの中心から3マイル南、Chestnut St. 沿いにある南北戦争「ナッシュヴィルの戦い」の遺跡Fort Negley Site に隣接している。ダウンタウンのバス・ターミナル(Deaderick & 4th)から出ているバス#1か#25が球場の真ん前を通る。また同じ所から出ているバス#8も球場の近くを通る(Chestnut & 8th で下車、球場まで徒歩5分)。ダウンタウンから歩いても30分程。 |
観戦したゲーム(11): 2002.05.12 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. New Orleans Zephyrs 2002.05.14 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. New Orleans Zephyrs 2002.05.22 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Salt Lake Stingers 2005.06.18 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Iowa Cubs 2005.06.19 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Iowa Cubs・・・リハビリ調整中のアイオワ先発ケリー・ウッド、4回を6K2失点 2005.06.20 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Iowa Cubs・・・アイオワのスコット・マクレーン(元西武)2HR・5打点 2005.06.30 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Memphis Redbirds 2005.07.03 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Memphis Redbirds 2005.07.15 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. Albuquerque Isotopes (DH)・・・ナッシュヴィルのプリンス・フィルダー2安打2打点 2014.06.28 AAA Pacific Coast League : Nashville Sounds vs. New Orleans Zephyrs |
ジョー・W・デイヴィス・ミュニシパル・スタジアム
テナント:ハンツヴィル・スターズ(AA:1985-2014)
所在地:アラバマ州ハンツヴィル
開場:1985年
収容人数:10,200人
1985年にテネシー州ナッシュヴィルから移転してくる新チームを迎えるにあたり新設された多目的スタジアム。球場の名前はチームの誘致に尽力した当時の市長ジョー・W・デイヴィス氏にちなむ。スターズ以外にも地元の高校や大学がフットボール、サッカーなどで使用しており野球専用というワケではない。80年代の球場なのでに特に凝った趣向もなく、ボールパークといった風情は皆無。無機質で必要以上にデカいスタンドが3塁側、レフト側にそびえており、一方の1塁側のスタンドはダグアウトまでしかないショート・バージョン。あきらかにフットボールを意識したスタンドのレイアウトである。3塁側アウトフィールド部分には白いタープで覆われた広いピクニック・エリアがあるのだが、私が観戦した2試合では団体さんのご来場がなかったため閉鎖されていた。外野には観戦スペースはなく、フェンスの裏は外界になっている。あえてこの球場の特徴を述べるならスコアボードの左右の星形の広告スペースか。しかし、HRが出ても星がピカピカ光ったりする...という事も特にない。7回裏の"Take
me out to the ballgame"の後にレナード・スキナードの名曲『スウィート・ホーム・アラバマ』が流れた時はちょっとシビれた。南部の誇りを感じさせられる選曲だ。 |
行き方:テキサス州ヒューストン、フロリダ州オーランドと共に宇宙の町として有名なハンツヴィルはアラバマ州北部に位置する。球場はダウンタウンから4マイルほど南へ下った郊外にある。球場の近くに"Parkway Place Mall"という大きなショッピングモールがあるのでそこまでバス(#1 Red Core Loop)で行って、モールから球場まで歩くのが一番わかりやすい。球場の周辺にはクルーガーとゆう大型のスーパーやアメリカ南部のカントリーをコンセプトとしたレストラン・チェーンCracker Barrel が隣接している。ナイトゲーム終了後はバスは走っていないのでタクシーか徒歩で帰ることになるが、ダウンタウンまでは歩いて1時間弱かかる。 |
観戦したゲーム(2): 2002.05.13 AA Southern League : Huntsville Stars vs. West Tenn Diamond Jaxx 2014.06.27 AA Southern League : Huntsville Stars vs. Montgomery Biscuits |
リックウッド・フィールド
テナント:バーミングハム・バロンズ(AA:1981-87)
所在地:アラバマ州バーミングハム
開場:1910年
収容人数:10,400人
この球場に関しては"America's Oldest Ballpark"という肩書き以外に語るべき事は特にない。古典主義だのネオ・クラシックだのレトロ調だのと、私も球場を語る際にウダウダと色々な形容詞を使ってきたが、「アメリカで最も古い」という単純明快な形容詞を使う事が許されているのはアメリカ広しといえどもこの球場のみ。アメリカの国立公園を運営するNational
Park Service が徹底的なリサーチを行った結果、公式に「ごちゃごちゃ文句言うヤツが出てくると思うけどこの球場がアメリカで一番古いんじゃ!」と認定した。開場はMLB最古の球場"Fenway
Park"よりさらに2年遡った1910年。それからバーミングハムの郊外に"Hoover Metropolitan Stadium"が完成する1988年までニグロリーグの伝説的な強豪チーム「バーミングハム・ブラック・バロンズ(*)」も含む様々なチームがホームとして使用してきた。現在は主にアマチュア野球に使われているが、1996年から毎年6月に1試合だけバロンズの公式戦が開催されている。この試合は"Rickwood
Classic"と銘打たれ、今では地元民だけではなくアメリカの各地からマイナーリーグ好きが集まる一大イベントになっている。この試合ではバロンズも対戦相手も先人に敬意を表し、通常のユニフォームではなく大昔のダブダブユニフォームを着用して行われるのが通例になっている。 球場はキチンとメンテナンスされおりフィールドは草ぼうぼうで座席はハトの糞だらけ...って事はない。正面エントランスは意外にも煉瓦造りではなくコンクリで、不自然な程きれいにペンキで塗り直されている。狭いゲートを抜けると薄暗いエントランスになっていてそのままスタンド裏のコンコースに続く。壁には各時代の様々な写真やチャンピオン・フラッグが展示されており、随所に歴史を感じる事ができる。圧倒的に美しいのはスタンドの端から端までをカバーしている見事な木製の三角屋根。やはり球場には屋根がないと風情が出ませんなぁ...。この屋根と1936年に増設されたアンティークな鉄骨組みの照明を見るだけでもバーミングハムまで足を運ぶ値打ちは十分ある(ただしこの屋根は1994年に全面張り替えられたもの)。グランドスタンドは1塁側はポールを巻き込んでライトの外野まで伸びているが、3塁側は内野までしかない。木製の外野フェンスには映画『タイ・カッブ』の撮影の際に描かれた1920年代風の広告が残っており、わざわざこの球場を見学に来たファンを喜ばせている。ちなみに外野フェンスの向こうには何やら刑務所の壁のようなコンクリート製フェンスがそびえているが、実はこれ、昔の外野フェンス。コンクリート製というだけでも十分怖すぎるワケだが、ホームからレフトまでの距離がなんと470フィート(約143m)もあった!これじゃあHRが出ないよ〜って事で元のオリジナルの距離にまで縮められる事になり、恐怖のコンクリート製フェンスはめでたく木製になりましたとさ。 見学は自由。ゲームのない日はフィールドの中に入ってベンチやマウンドを自由にウロつく事もできてしまう。でもどうせなら"Rickwood Classic"に合わせて行くのがベストなのは言うまでもない。アメリカの良心、ここにあり。 |
*Birmingham Black Barons・・・1920〜1960年まで存在したニグロリーグの名門チーム。伝説的な名投手サッチェル・ペイジや、3世代メジャー・リーガーとして有名なジェリー&スコット兄弟のおじいちゃんであるサム・ヘアストーンらが所属していた。が、なんと言っても1948年に当時若干16歳だったウィリー・メイズがプレイしていた事で有名。 |
行き方:イギリスの工業都市バーミンガムにちなんで名付けられたがこちらの発音はバーミンハムが正しい。アラバマ州のほぼド真ん中に位置し、州内では最大の都市。球場はダウンタウンの西、2rd Ave. West & 12th St. West がメイン・エントランスになっている。ダウンタウンの南端にあるバスターミナルから出ているバス#5か#45で行ける。所要時間約15分で3rd Ave. West & 12th St. Westで下車、徒歩1ブロック。運行は月〜土曜日で日曜日は走っていない。ダウンタウンから歩いても40~50分。 |
観戦したゲーム(1): 2005.06.02 AA Southern League : Birmingham Barons vs. Montgomery Biscuits・・・グラウンド状態不良の為中止 2014.06.26 AA Southern League : Birmingham Barons vs. Mississippi Braves |
![]() |
ハンク・アーロン・スタジアム
テナント:モービル・ベイベアーズ(AA:1997-2019)
所在地:アラバマ州モービル
開場:1997年
収容人数:6,000人
・モービルはハンク・アーロンの出身地。敷地内にアーロンの生家が移築され、ミュージアムとして公開されている。 |
行き方:モバイルではない。アラバマ州モービル。現地ではモービールと言う人もいる。球場はダウンタウンのはるか西、ハイウェイ90号線沿い。球場へ直接行く公共の交通機関はない。最寄りのバスストップから徒歩15〜20分くらい。ナイトゲーム終了後のバスはない。歩ける範囲内にホテルはなく、もちろんダウンタウンまで歩くにも遠すぎる。タクシーかUberを呼ぶしかない。 |
観戦したゲーム(1): 2014.06.24 AA Southern League : Mobile BayBears vs. Jacksonville Suns |
キンドリック・リージョン・フィールド
テナント:ヘレナ・ブルワーズ(Advanced Rookie:1978-2000, 2003-2018)
所在地:モンタナ州ヘレナ
開場:1932年
収容人数:2,000人
・現在のグランドスタンドは1949年に完成したもの。古き良き木製のほんまもんのスタンドを擁するリアルガチ・オールド・パーク。 ・現在のチームは二代目の"Helena Brewers"にあたる。初代は1978年に移転してきて以来長らくヘレナに居着いていたが、2000年を最後にユタ州プロヴォへ移転し"Provo Angles"となった(現在は同州内のオレムへ移転し"Orem Owlz"と名乗っている)。空白期間が2シーズン続いた後、カナダのアルバータ州メディシン・ハットから"Medicine Hat Blue Jays"が移転してきて二代目"Helena Brewers"を名乗った。 ・スタンドからの眺望はモンタナ州らしく山々が見渡せる。 ・グランドスタンドだけでなくベースライン沿いにあるブリーチャーも木製。 ・チームは2018年のシーズン終了後にコロラド州のコロラド・スプリングスに移転し、2年間の空白があるものの1978年から都合40年続いた歴史が再び途絶えてしまった。復活を期待したい。 |
行き方:ダウンタウン内。バス・ターミナルから歩いて行ける。 |
観戦したゲーム(1): 2012.06.26 Rookie Pioneer League : Helena Brewers vs. Missoula Osprey |
マンシー・バンク・ボールパーク・アット・ヒストリック・ボウマン・フィールド
テナント:ウィリアムズポート・カブス/クロスカッターズ(SS-A:1994-2020)
所在地:ペンシルヴェニア州ウィリアムズポート
開場:1926年
収容人数:4,200人
・北米屈指の現役オールド・スタジアムだが90年代にリノヴェイションされているので過度な期待は禁物。レトロな屋根に覆われたスタンドは雰囲気あり。 ・リトル・リーグ・ワールド・シリーズが行われる少年野球用の球場は全く別の場所にある。 ・有名なポテト事件が起こったのはこの球場である。 ・2012-13年の1シーズンだけ"Williamsport Outlaws"というインディペンデント系マイナーリーグ・アイスホッケーチームがこの球場を本拠地にしていたことがある。内野に特設リンクを設置し全てのホームゲームを屋外で開催した珍しいチームだったが寒さが厳しくなってくると客足が伸びず、結局1シーズンも持たずにシーズン途中で解散してしまった。 ・2017年からリトル・リーグ・クラシックと銘打ち、リトル・リーグ・ワールド・シリーズの開催中(毎年8月中旬)にMLBの公式戦が1試合だけ行われている。2020年はコロナで中止になったが2021年は復活した。 |
行き方:ダウンタウンの西。W 4th St. をひたすら西へ。球場はLycoming Creekというサスケハナ川の支流の手前にある。行きはダウンタウンのバスターミナルから4th St. を走るバスで(30分に1本)、帰りはナイトゲーム終了後でも走っている同じく4th St. を走っているSuper Nightline Routesで(1時間に1本で22時台が最終)。 |
観戦したゲーム(1): 2010.07.12 SS-A New York-Penn League : Williamsport Crosscutters vs. Connecticut Tigers |
ニュー・ブリテン・スタジアム
テナント:ハードウェア・シティ・ロック・キャッツ/ニュー・ブリテン・ロック・キャッツ(AA:1996-2015)
所在地:コネチカット州ニュー・ブリテン
開場:1996年
収容人数:7,489人
・1996〜2015年まではダブルAイースタン・リーグ所属の"New Britain Rock Cats"の本拠地だった。ロック・キャッツは2015年を最後にコネチカット州ハートフォードに移転。空き家となった当球場に間髪入れず2016年からアトランティック・リーグの新チーム"New
Britain Bees"が入居してきたが2019年を最後に活動を休止。現在はカレッジ・サマー・リーグのチームが入居している。 ・比較的新しめの球場にしては旧態然とした構造で特に見るべきものはない。外野に観戦スペースがないとか、スタンドに角度がついていないとか、オープン・コンコースではないとか昔のままの仕様。 ・ダブルA時代の1995〜96年の2シーズンは町のニックネームでもある"Hardware City Rock Cats"と名乗っていた。それ以前は長らくレッドソックスの傘下で"New Britain Red Sox"と名乗っていた。 ・1995年まで使用されていた"Beehive Field"はまだ隣に残っておりアマチュアの試合で使われている。 |
行き方:グレイハウンド・バスのディーポからMain St. を南へ徒歩40分くらい。Main St. にはバスも走っている。球場はWillow Brook
Park という公園内にあり、敷地内には前述の"Beehive Field"やフットボール・スタジアム、ニュー・ブリテン・ハイスクールが隣接している。 |
観戦したゲーム(1): 2010.07.08 AA Eastern League : New Britain Rock Cats vs. Reading Phillies |
UCCUボールパーク
テナント:オレム・オウルズ(Rookie-Advanced:2005-2020)
所在地:ユタ州オレム
開場:2005年
収容人数:2,500人
オウルズは2001年から4シーズンは"Provo Angels"という名前で、オレムの南にあるプロヴォという町を本拠地としていた。当地ではブリガム・ヤング大学の球場を間借りしていたのだが、BYUはご存知の通りモルモン系の学校なので球場内でのアルコール類の販売は一切許されなかった。ビールの販売を巡って大学側と揉めた当時のオーナーはあっさりとチームを売却してしまい、オウルズと名を変えたチームはビールを求めて急遽隣町のオレムに移ってきた。ビールぐらいで移転せんでもええやん…と言いたいトコロだが売店の売り上げは球団運営にとって生命線のひとつ。ユタ州ならではの移転劇だった。 球場はユタ・ヴァレー大学のキャンパス内にあり、春先は大学のベースボール・チーム"Wolverines"が使用している。この球場、ややこしいコトに2つの名前を使い分けている。基本的には"UCCU(Utah Community Credit Union) Ballaprk"と呼ばれているが、これはユタ・ヴァレー大学の施設としての名称で、オウルズの本拠地としては開場以来ずっと"Home of the Owlz"と呼ばれていた。早いハナシが球場のネーミング・スポンサーは大学と契約を結んではいるがオウルズとは契約を結んでいないので、オウルズは"UCCU Ballaprk"という名称を使っていないのだ。契約ってめんどくせー。 大学の施設なので小ぶりな球場ではあるがこのレベルのプロとなら余裕でシェアできる。スタンドからは例によって雄大なワサッチ山脈が見渡せる。ユタの球場はどこにでもこの絶景があるのでビールがなくても十分幸せな気分になれてしまう。スタンドとフィールドは掘り下げになっており外から見える建物はチケットブースくらいで外観といったものは特にない。グランドスタンドはダグアウトまでしかないシンプルなもので、スタンドとコンコースの両方をカバーしている白い屋根がアクセントになっている。3塁側にある唯一のゲートから入場するとそのままコンコースになっているが場内を周回することはできない。1塁側スタンドの先には観戦スペースはなく、ライトからセンターの外野フェンスの向こうはUniversity Parkway という交通量の多い大通りになっている。一方の3塁側はポールを巻き込んでバックスクリーンまで広い芝生席になっており、たった$4.00で入れることもあってこちらはファミリーに人気の場所となっている。オウルズには"Hootz"と"Holly"という真っ赤なフクロウのマスコットがいるのだが、女の子の"Holly"が残念なことに全然カワイくないのだ。このコの眼光のスルドさはタダモノではない。ちなみにオウルズの応援スタイルはフクロウの鳴き声をマネて「ホー、ホー」と唸る。こんなマヌケな応援で選手は気合いが入るのかね? オウルズは2020年限りで一旦活動を停止し、2022年にコロラド州ウインザーへ移転し"Northen Colorado Owls"として活動を再開する予定。 |
行き方:オレムはソルト・レイク・シティの南にあるスモール・シティ。SLCのダウンタウンからライトレールと路線バスを乗り継いで90〜120分ほどで球場までたどり着ける。まずUTAが運行しているライトレール"TRAX"でSalt
Lake/Sandy Line の終点"Sandy Civic Center 10000S"駅まで。駅前がバスターミナルになっているので、ここから#811のSouthbound(Provo行き)に乗り込み約1時間。バスは途中からハイウェイ15号線(I-15)を走るが、ハイウェイを降りてUniversity
Parkway に入るとすぐ左側に球場が見えてくる。バスはそのまま球場を通り過ぎUtah Valley University のキャンパス内に入るのでそこで下車。球場へは歩いてスグ。 バス・ストップからUniversity Parkway を渡るとファストフードやIHOPなどのレストラン、ウォルマートが並んでいる。帰りのバスもキャンパス内の同じ場所に入ってくる。バスを待つための小屋があるのですぐ分かるだろう。SLCに帰る最終は21:55発。このバスを捕まえればTRAXの北行き(SLC行き)の最終にも間に合うのでご安心を。運賃は片道$2.00(ライトレールとバスのトランスファーは無料)。#811の最終は平日と土日は発車時間が違うので予めキチンと調べておくのが賢明。 |
観戦したゲーム(1): 2009.06.25 Rookie Pioneer League : Orem Owlz vs. Ogden Raptors (Home Opener) |
センテニアル・フィールド
テナント:ヴァーモント・エクスポズ/レイク・モンスターズ(SS-A:1994-2020)
所在地:ヴァーモント州バーリントン
開場:1922年
収容人数:4,000人
レイク・モンスターズはヴァーモント州唯一のプロフェッショナル・ベースボール・チームだったが2020年のオフに断行されたマイナーリーグ改編により廃業となった。以降、ヴァーモント州はプロ・ベースボール空白州となっている。球場はヴァーモント大学のキャンパス内にあり、最初の卒業生を送り出してから100周年を記念して造られたので「センテニアル」と名付けられた。地理的にモントリオールに近いことから長らくエクスポズ傘下に入っていたが、エクスポズがワシントンに移転したあとも2005年の1シーズンだけ"Vermont
Expos"と名乗っていた。最後までエクスポズの名を守っていたのはモントリオールではなく実は傘下のマイナーチームだったのだ。 現在のグランドスタンドが完成したのは1922年だがフィールド自体は1906年にオープンしていたらしい。さすがのアメリカでも開場してから100年以上の現役球場ともなると数える程しかないが、それらの中でもこの球場は特に昔の変わらぬ雰囲気を色濃く残しているような気がする。周囲のひっそりとした森の佇まいや、薄暗い照明、長い間何も変わっていないのだろうなと思わせるスタンドからの景色など、北国のマイナーリーグが持つ素朴な味わいが濃密に球場を包んでいる。 もちろん設備もそれなりに味わい深い。外観はレンガ造りではなく、鉄骨とホワイトでペイントされた板塀の組み合わせ。重厚感はないが逆にそのシンプルさが郷愁を誘う。通路を抜けてスタンドへ出るとフィールド、フェンス、森、スタンドの鉄骨、座席、木製の屋根などほとんどのものがグリーン一色に統一されていることに気付く。球場のインテリアによく使われる深い緑色を「フォレスト・グリーン」とは、なるほどよく言ったものだ。こういう原始的な球場を見ると球場の外観やインテリアにグリーンがよく使われるのは必然であるとわかる。スタンドはU字型で内野部分しかカバーしていない。屋根の下はペイントがハゲてクタビレ果てた木製のハネ上げイス、屋根のない部分はコンクリートムキ出しのGA(自由席)になっている。木製の跳ね上げイスはお尻と背骨が痛く、お金では買えない心地よい苦痛を我々に与えてくれる。屋根の下のバックネット裏最上段には木製の小箱のような放送ブース。この時代の球場ではよくある様式だ。スタンドの奥は1塁側がクラブハウス、3塁側にはキッズの遊び場や売店、飲食スペースが設けられている。外野はフェンス一枚のみで観戦できるスペースはない。この球場で一際ユニークなのはレフト側にあるスコアボード。こいつも例外なくボディは木製で出来ているのだが、その裏面はなんと背中合わせに隣接しているフットボール場のスコアボードとして利用されているのだ。リバーシブルのスコアボードにお目に掛かれるなんて、わざわざヴァーモントくんだりまで来た甲斐があったぜ! フィールドはライトよりレフトの方が10フィートほど深く、左右非対称。スタンドのカーブが浅めなのでファウル・エリアは結構広い。照明が灯る頃になると夏でもジャケットが必要なくらい冷えてくるので防寒着は忘れないように。 |
行き方:シャンプレーン湖の東岸に位置するバーリントンは州内最大の町。ダウンタウンの東に名門ヴァーモント大学(通称:UVM)の広大なキャンパスが広がり、球場もそのキャンパス内にある。ダウンタウンの中心であるショッピングモールからPearl St. まで北に上がり、東へColchester Ave. をひたすら歩けばいつのまにかキャンパスに入っているので、大学病院を過ぎてしばらく行くと右手に球場パーキングの看板が見えてくる。所要時間は約40分。また、ダウンタウンのショッピングモールから出ているCCTA(チッテンデン・カウンティ・トランスポーテーション・オーソリティ)のバス#2はColchester Ave. を通って東へ行くので利用できる。 |
観戦したゲーム(1): 2008.06.23 SS-A New York-Penn League : Vermont Lake Monsters vs. Tri-City ValleyCats |
クーパー・スタジアム
テナント:コロンバス・クリッパーズ(AAA:1977-2008)
所在地:オハイオ州コロンバス
開場:1977年
収容人数:15,000人
名門ヤンキースのトップ・ファーム・クラブを長年務めてきた正統派マイナーリーグ・スタジアム。球場名は1977年にマイナーリーグをコロンバスに復活させたハロルド・クーパー氏にちなむ。1層構造の割にはキャパが多いので、ほとんどの座席が集中するグランドスタンドが如何に大きいか想像できるだろう。現在の感覚だと間違いなく2層構造にして列数を抑えたりするのだが、これだけのキャパを1層で賄おうとするアタリに70年代的球場哲学を感じる。スタンド下段に広めのコンコースが通っており、そっから下のフィールド・ボックスはプラッチックの一人掛けイス、そっから上の一般席は昔ながらの座り心地の悪いスティール製の一人掛けイスになっている。外野にはピクニックエリアがあるもののスタンドはなく、外周をぐるっと一回りする事はできない。スタンドを覆う存在感のある大屋根やそれを支えるムキ出しの鉄骨、天井からブラ下がっている淡い暖色系の電球、スタンド裏の薄暗いコンコースなど、21世紀のトリプルAクラスの球場ではほぼ消滅してしまった旧き良き時代の様式を残していた貴重なオールド・スタジアムだった。1977年オープンのスタジアムを「オールド」と言ってしまうには早計かもしれないが、ここには間違いなく独特の時代遅れな雰囲気が存在していた。 この球場で見逃せなかったのはコンコースに展示されていた歴代シーズンのロースターの似顔絵。チームの全体写真を年度別に並べて展示している球場はたまにみるが、似顔絵で勝負しているのは珍しい(似てる・似ていないは置いといて...)。古いものからじっくり見ていくとNHK-BSが大好きなヤンキースのスーパー・スターらにに混じり、トリプルAまで来たものの挫折し、海を渡って日本に流れてきた懐かしの助っ人達を多く拝めたりする。「彼も若い時分はコロンバスでプレイしていたのね...」と思うとマイナー観戦も俄然楽しくなるってモンです。 2008年がこの球場でのファイナル・シーズンになり、クリッパーズは2009年からダウンタウンに新しく建設された"Huntington Park"に移った。球場はしばらく放置されていたが2014年4月から解体工事が始まり、跡地にはレース場が造られるとの事。 |
行き方:州都コロンバスはオハイオ州の中央に位置する(ちょうどシンシナティとクリーヴランドを直線で結んだ真ん中ぐらい)。4大スポーツではNHLだけが2000-01年シーズンからフランチャイズを置いている。球場はダウンタウンの南西(W Mound St. & Central Ave. )にあり、ダウンタウンのTown St. を走るCentral Ohio Transit Authority の#3バスでアクセスできる。West行きのバスに乗っていればMound St. に沿って球場が建っているので見過ごす事は絶対にない。所要時間は約15分。ダウンタウンから歩くとキッチリ1時間はかかる。ナイトゲーム終了後もバスは走っているので安心。州会議事堂付近にバスの案内所があるので、球場へ行く#3のスケジュールをゲットしておけばもっと安心。 |
観戦したゲーム(3): 1997.06.17 AAA International League : Columbus Clippers vs. Scranton/Wilkes-Barre Red Barons (DH) 2006.04.27 AAA International League : Columbus Clippers vs. Louisville Bats |
![]() |
ザ・ボールパーク・アット・ジャクソン
テナント:ウエスト・テン・ダイヤモンド・ジャックス/ジャクソン・ジェネラルズ(AA:1998-2020)
所在地:テネシー州ジャクソン
開場:1998年
収容人数:6,000人
メンフィスから移転して来るチームを迎え入れる為に建設されたシンプルだが美しい球場。オープン当初、球場のネーミング・ライツを獲得したのはお菓子のプリングルズ社でボールパーク・サインにもおなじみのプリングルズおじさんの顔がデザインされていたが2012年シーズンの終了後に契約延長を断られ2013年から現在の名称になった。当時は球場内の売店で食べきりサイズのプリングルズ・チップスを1パック$0.75で販売していた。 フィールドは地面からかなり掘り下げてあり、ゲートのあるコンコースからかなり低い所に見える。グランドスタンドはアウトフィールドの途中までしかなくちょっと足りない感じだが、スタンドに高さがあるのでキャパは結構ある。座席はGA(自由席)が背もたれ付きのベンチシートでその他は全て1人掛け。バックネット裏と1塁側には2階席もある。座席がほとんどインフィールドに集中していて、しかも傾斜があるのでどこからでも見やすい球場だ。ライト側の斜面にラワン(芝生席)とキッズの遊び場、3塁側には屋根付きの結構広いピクニック・スペースがある。外野はフェンスばかりでブリーチャーなどはなく、レフトフェンスの向こうにはフリーウェイが走っている。 開場当時はすごい人気で他のチームもうらやむウハウハ経営だったが、近年ではさっぱりさびれてしまいスタンドは常に閑散としているようだ。以前はスタンドを盛り上げるチャーミングなチア・リーダーがいたのだが、2005年の再訪では彼女たちの姿はどこにもなかった...。チームは1998〜2010年まで"West Tenn Diamond Jaxx"と名乗っていたが、2011年から都市名を入れた現在の名前に変更した。 |
行き方:ジャクソンはテネシー州の西部、州都ナッシュヴィルとメンフィスの中間に位置する小都市。球場はダウンタウンのはるか北側を走るインターステイト40号線沿いにあり、ダウンタウンからの公共の交通機関は皆無。もちろん球場のまわりには道路以外なにもない。クルマで行く場合はI-40の85番出口からF. E. Wright Driveへ入り南へ。球場は左手に見えているハズなので一つ目の通り(Ridgecrest Extended)を球場の方へ道なりに進めばOK。ナッシュヴィルから西へ2時間、メンフィスから東へ1時間のドライブ。 |
観戦したゲーム(2): 2002.05.16 AA Southern League : West Tenn Diamond Jaxx vs. Mobile BayBears 2005.07.01 AA Southern League : West Tenn Diamond Jaxx vs. Huntsville Stars・・・トニー・グウィン・ジュニアがハンツヴィルの1番CFとして先発出場 |
シュライン・オン・エアライン
テナント:ニュー・オリンズ・ゼファーズ/ベイビー・ケイクス(AAA:1997-2019)
所在地:ルイジアナ州ニュー・オリンズ
開場:1997年
収容人数:10,000人
ベイビー・ケイクスは元々は"Denver Zephyrs(ゼファーズ)"という名前でコロラド州デンヴァーを本拠地としていたが1993年のMLBエクスパンションではじき出されニュー・オリンズに移転してきた。移転後もニックネームは変えず"New Orleans Zephyrs"としてプレイしていたが、2017年に現在の名称に変更しデンヴァー時代から続いた名跡が途絶えることになった(移転してもニックネームを変えなかったプロスポーツチームと言えばMLBのドジャースやジャイアンツ、NBAのジャズ、レイカーズ、NHLのフレームスなどが有名だが、移転が決まればすぐに新しい名前でビジネスを始めるマイナーリーグではかなりレアな事例だった)。ベイビー・ケイクスはデンヴァー時代はマイナーリーグ史上最大の球場だったマイル・ハイ・スタジアム(*)をホームとしていたが、ニュー・オリンズにはトリプルAクラスの球場がなく1993年から4シーズンは5,000人ちょいしか収容できないニュー・オリンズ大学の球場"Privateer Park"でプレイしていた。待望の新球場がオープンした97年から数シーズンは目新しさで多くのファンを集めたが、00年代ではこれぐらいの球場はトリプルAでは普通になってしまった事もあり10年代になると人気はジリ貧状態だった。球場の外観はレンガ装飾、グランドスタンドは2層構造、シートは全てグリーンのハネ上げイスという典型的なネオ・クラシック様式。外野にはブリーチャーはないがレフト側にピクニック・エリア、ライト側に山のようなこんもりとした芝生席があり、さらにポール際にはグループ用の貸し切りプールもあった。プールと言ってもマイナーでよく見るバスタブのようなショッボイものではなく結構本格的な大きさ。南部は日中は言うにあらず、夜でもネバネバと相当ねちっこい暑さなのでさぞ気持ちよろしかろう。ニュー・オリンズと言えばケイジャンやらクレオールといった名物料理が多くあるにもかかわらず、球場の売店にはオーソドックスなものしか置いていなかった。 |
*マイル・ハイ・スタジアム・・・もともとはマイナーリーグのために建設されたスタジアムだったが増設に次ぐ増設で最終的にキャパは76,273人にも達した。1948〜2001年までNFLブロンコスのホーム。MLBロッキーズも"Coors Field"が完成するまでの1993〜94年の2シーズンだけ使用し、MLBの観客動員記録をことごとく塗り替えたのは記憶に新しい。 |
行き方:アメリカでも屈指の観光都市ニュー・オリンズはルイジアナ州の東端、ミシシッピ川の河口に位置する。4大スポーツではNBAペリカンズとNFLセインツがフランチャイズを置いている。球場は厳密に言うとニュー・オリンズ市内ではなくお隣のMetairie(メタリー)という町にある。場所的にはちょうどニュー・オリンズ国際空港とニュー・オリンズのダウンタウンの間で、空港からダウンタウンへ行くバスから球場が見える。ダウンタウンからバスで行く場合はE2という空港へ行くバスが球場のすぐ横を通る。E2バスはダウンタウンのTulane & Loyolaから出発し、Tulane Ave. をひたすら西へ走る(Tulane Ave. はCarrollton Ave. を境にAirline Hwy. に名前が変わる)。球場は左手に見える。ナイトゲーム終了後はE2バスはAirline(Tulane) & Carolltonまでしか行かないのでそっから先は路線バスに乗り継いで帰る事になる。 |
観戦したゲーム(4): 1998.06.23 AAA Pacific Coast League : New Orleans Zephyrs vs. Oklahoma RedHawks 1998.06.24 AAA Pacific Coast League : New Orleans Zephyrs vs. Oklahoma RedHawks 1998.06.25 AAA Pacific Coast League : New Orleans Zephyrs vs. Oklahoma RedHawks 2005.06.27 AAA Pacific Coast League : New Orleans Zephyrs vs. Memphis Redbirds |
ローレンス-ドゥモン・スタジアム
テナント:ウィチタ・パイロッツ/ラングラーズ(AA:1987-2007)
所在地:カンザス州ウィチタ
開場:1934年
収容人数:6,111人
見るからにクッション性がなく固そうで、ダイビング・キャッチでもしようものならユニフォームが摩擦熱でチュルチュルと溶けて「あつ、あつ、あつ!」状態になってしまいそうな前世紀の青汁人工芝。現在ではもう絶滅したものと思っていたが、なんてこたぁない。ちょっと場末の不人気球場(たとえばここウィチタのような)へ行けば未だに生きながらえているのだ。しかし人工芝には人工芝なりの理由がキチンと存在する。あまりメジャーではないがこの球場では毎年8月にNBC
(National Baseball Congress)* なる団体のワールド・シリーズが開催されていて、大会期間中は連日朝から晩までゲームが組まれる。その酷使に耐えられるように人工芝が採用されているのだ(じゃあなんで外野だけ天然芝なん?)。 開場当時はウィチタの開拓者ロバート・ローレンス氏の名をとって"Lawrence Stadium"と呼ばれていたが、1972年にNBCの創設者レイモンド・ハップ・ドゥモン氏の名前も加わって現在の名称になった。年代物の球場ではあるが名前の変わった1972年や1989年、2001年にそれぞれ大改装が行われ、今では古いのか新しいのかよくわからない中途半端な球場になっている。外観なんてのは特になく柵の向こうにスタンド裏のコンコースが見えるのみ。スタンド裏の柱には一本々々にかつてここでプレイしたメジャー・リーガーやNBCワールド・シリーズに出場した有名選手のパネルが展示してあり、R. クレメンスなどの意外な名前も発見できてなかなか見応えアリ。2007年まではダブルAテキサス・リーグの"Wichita Wranglers"が家主だったが、チームはアーカンソー州スプリングデールへ移転し、2008年から独立リーグのチームが入れ替わりで入ってきた。ラングラーズ時代の席種の呼び方が余所とは違っていてなかなかおもしろかった。一番高いダグアウトの後ろ前列が「マーシャル」、次に高いバックネット裏前列が「シェリフ」、ダグアウト後ろ後列が「デピューティ」、その他のベンチシートが「アウトロー」と呼ばれていた(アウトロー以外は保安官の階級)。チーム名のラングラーとはカウボーイの事なので、まぁ、とりあえず西部っぽくしてみました、と言う事だろう。窓口で「アウトロー1枚、プリーズ」とゆうのがちょっとハズカシイ。外野には特にブリーチャーや芝生席といった観戦用のスペースはないがぐるっと周回できるようになっており、そこにはNBCやウィチタの野球史に関する数々のモニュメントが建っている。外野フェンスは金網になっているのでモニュメントを眺めつつブラブラ歩きながらゲームを横目で見ることができる。いいアイディアだと思った。1塁側になぜか一基だけ残っているオールド・スタイルの照明は必見。 スタジアムは2018年シーズンの終了後に解体され最後のテナントだったインディペンデント・アメリカン・アソシエイションの"Wichita Wingnuts"も2018年を最後に活動を休止した。2020年に跡地に完成する新球場にはトリプルAパシフィック・コースト・リーグの"New Orleans Baby Cakes"が移転してくる予定。 |
*National Baseball Congress・・・北米中のアマチュアやセミプロのベースボール・チームを統括する組織。1931年にレイモンド・ハップ・ドゥモン氏によって創設され、ワールド・シリーズは1935年から毎年ウィチタで開催されている。NBCにはAlaska Baseball Leagueなどの有名カレッジ・サマー・リーグも加盟しているのでワールド・シリーズには思わぬ(将来の)大物選手が参加する事もある。 |
行き方:ウィチタはカンザス州最大の町で、州の真ん中よりやや南東に位置する。グレイハウンド・バスでカンザス・シティから約4時間、オクラホマ・シティから約3時間のキョリ。 |
観戦したゲーム(1): 2005.06.14 AA Texas League : Wichita Wranglers vs. Tulsa Drillers |
ローゼンブラット・スタジアム
テナント:オマハ・ロイヤルズ/ゴールデン・スパイクス(AAA:1969-2010)
所在地:ネブラスカ州オマハ
開場:1948年
収容人数:24,000人
正式名称は"Johnny Rosenblatt Stadium"。ジョン・ローゼンブラット氏は球場建設およびプロ野球チームの誘致にに一役買った地元の政治家。鮮やかなブルーの鉄骨で組まれたスタジアムのメイン・エントランスには誇らしげに"Omaha's
Rosenblatt Stadium"と表記されている。マイナーリーグ球団の本拠地でもあるが、1950年から2010年までおよそ60年間、大学野球のチャンピオンを決める"College
World Series"の開催球場として使用され、その名を全米中に知られていた。もちろん普段のマイナーリーグのゲームでは24,000もの座席は全く必要としないが、CWSが開催される毎年6月の数日間だけは座席が全て埋まってしまうのだ。 球場はお椀型の典型的な昔のスタジアムで小高い丘の上に下界を見下ろすように建っている。エントランス前の広場には"THE ROAD TO OMAHA"と題された学生野球をモティーフにしたスタチュがあり、ゲートの柱には歴代のCWS優勝チームの名が刻まれたプレートが掲げられている。明らかに主役はカレッジ・ベースボールである。巨大なスタンドのうち、外野席と外野側のグランドスタンド(日本で言うトコロのアルプススタンド)はロイヤルズのゲームでは閉鎖されているが、別にそれがなくとも座席は豊富にあるので心配は無用。スタンドは増設に増設を重ねて現在の規模になったと思われるが、統一感を出すためか、気持ちいいくらい悪趣味な原色でペイントされている。まるで子供が適当に考えたような配色だが、センス云々言う前に、「これがオマハの色や!」って言われたら「はい、そーですか...」と納得せざるを得ない強引さがそこにはある。半世紀以上に渡り大学球界の頂点として君臨してきた歴史が背景にあるからだ。やはり頂点であるからには他にはないキョーレツな個性があってしかるべきだろう。バックネット裏に増設された2階席は主にスイートと記者席になっており、一般の人は上がる事はできない。スタンド裏のコンコースは薄暗く、そこにあるチームストアもそれほど力を入れてないようだ。オールド・スタジアムの名残は照明に見る事ができる。シルバーの鉄骨で組み上げられた照明はさすがにペイントされておらず、派手なスタンドとは対照的にしっとりとした存在感が漂う。見た目も格もマイナーの球場の中では一際異彩を放っていたが、残念ながら老朽化には耐えられず2010年を最後にCWSとオマハ・ロイヤルズはそれぞれ別の、各々のサイズに合った新球場に移ることになった。 |
*カレッジ・ワールド・シリーズ・・・毎年6月中旬に行われる全米大学野球のチャンピオンを決める大会。1947年に始まり1950年からオマハで行われるようになった。正式名称は"NCAA Division T Baseball Cahmpionship Games"。ディビジョンT(1部リーグ)の各リーグ、プレイオフを勝ち抜いてきた強豪8チームがトーナメント方式で王座を争う。日本で言うなら夏の甲子園ベスト8くらいの人気で、各大学の地元からファンが大挙して応援に詰めかけスタジアムはほとんどの試合で満員となる。大会にはすでに6月のドラフトでMLB球団からドラフト指名されている有望選手がこぞって出場し、もちろん全米にテレビ中継される。多くのメジャー・リーガーを輩出している南カリフォルニア大学、カリフォルニア州立大学フラートン校、テキサス大学、アリゾナ州立大学、ルイジアナ州立大学、テネシー大学などはこの大会の常連。2011年からはダウンタウンに新たにオープンした"TD Ameritrade Park Omaha"で開催されている。 |
行き方:オマハはネブラスカ州の東端、アイオワ州との州境に近い州内最大の都市。4大スポーツのフランチャイズは一つもない。球場はダウンタウンの南にあり、ダウンタウンの10th St. を走る#10のバス、あるいは13th St. を走る#13のバスで簡単にアクセスできる。週末はバスは走っていないので歩く事になるが、歩くのなら10th St. よりも13th St. の方が賑わっているので歩きやすい。13th St. をひたすら南へ、インターステイト80号線を越えると左手の丘の頂上にスタジアムが見える。グレイハウンド・バスのディーポから約1時間。 |
観戦したゲーム(1): 2005.06.12 AAA Pacific Coast League : Omaha Royals vs. Memphis Redbirds・・・メンフィスの先発は元中日のケヴィン・ジャーヴィス |
レイ・ウィンダー・フィールド
テナント:アーカンソー・トラヴェラーズ(AAA:1963-65/AA:1966-2006)
所在地:アーカンソー州リトル・ロック
開場:1932年
収容人数:6,083人
我々がマイナーリーグと聞いて思い浮かべる球場とは何か?くたびれたボロい外観、スタンドを覆う木製の屋根、お尻と背筋が痛くなる木製のシート、鉄骨組みの危うい照明灯、外野フェンス一面の広告、ゆるいオルガンの音色、薄暗いスタンド裏のコンコース、天井でゆっくりと回り続ける扇風機...などなど。これらの条件を全て満たしている、そんな理想の球場を求めて日夜彷徨い、ついに出会ってしまったのがこの球場。ここはマイナーリーグの全てが凝縮された、我々の理想を最も具体的に体現しているホンマもんのBallparkなのです。 球場名は元野球選手にしてその後トラヴェラーズのGMを務めていたレイ・ウィンダー氏にちなむ。War Memorial Parkという公園内にあるので球場周辺は木立に囲まれており、いかにもそれらしい牧歌的な雰囲気が漂う。外観はレンガ造りではなく木造。適度にゴチャゴチャしており、整然としていないトコロが郷愁を誘う。グランドスタンドはもちろん木製の古びたカバーに覆われている。フィールド・ボックスのみアルミの無機質なシートになっているが、屋根の下あたりは昔ながらの木製のハネ上げイス。背もたれの角度が浅くて、背骨がゴツゴツ当たるのが趣深い。ネット裏の最上段には放送ブースがあり、その脇にはオルガンがムキ出しで設置されている。演奏者が弾いている姿を晒している球場はマイナーではたまに見かける光景だ。3塁側のスタンドはダグアウトまでしかなくその向こうはアルミのベンチシート。外野フェンスの向こうにはフリーウェイが走っているので外野席はなく、かなり高めのフェンス&防球ネットがそびえている。スタンド裏の狭いコンコースには売店やトラヴェラーズの歴史を展示しているブース、チームストアがあるが、それらの壁は全て板張りになっている。おまけに照明はうす暗いオレンジ色の電灯ときた。これだけでもう、ここがどんなに素晴らしい場所であるかは容易に想像できるハズ。とにかくどこを切ってもマイナーの香り、というかむしろ刺激臭が漂っている空前絶後のオールド・スタジアム。 チームは2007年から川向こうのノース・リトル・ロックに建設された新球場"Dickey-Stephens Park"へ移ってしまったが、球場は破壊を免れてまだまだ存続すると聞く。21世紀の現代においてこのような球場が存在しているだけでもアメリカ野球の未来は明るく思えてしまう。 |
行き方:リトル・ロックはアーカンソー州のド真ん中に位置し、州内最大の町にして州都でもある。"Arkansas"を「アーカンザス」と読んでしまうと即トーシロー認定されるので注意。ダウンタウンは町を東西に流れるアーカンソー川の南に広がっているが、グレイハウンド・バスのターミナルはなぜか川の北側、ノース・リトル・ロックにある。球場のあるWar Memorial Park はダウンタウンの西、フリーウェイ630号線の北側に位置する。ダウンタウンから出ているCAT(Central Arkansas Transit Authority)バスの#5(西行き)が公園内の球場の比較的近くまで行っている。行きはそれで行けるがナイトゲーム終了後にダウンタウンへ戻るバスはない。ダウンタウンまでタクシーだと約10分、$8.00くらい。 |
観戦したゲーム(1): 2005.06.04 AA Texas League : Arkansas Travelers vs. Midland RockHounds |
![]() |
ギル・スタジアム
テナント:ニュー・ハンプシャー・フィッシャー・キャッツ(AA:2004)
所在地:ニュー・ハンプシャー州マンチェスター
開場:1913年
収容人数:3,500人
新球場が完成するまでの1シーズン限定ではあるが、全米屈指のオンボロ球場が奇跡的にプロの世界に戻ってきた。最後の住人である"Manchester
Yankees"(ダブルAイースタン・リーグ:1971〜72年)が出て行って以来、主にハイスクールの野球やフットボールのフィールドとして細々と生計を立てていたようだが、2004年、新たに移転してきたフィッシャー・キャッツの仮のホームとして約30年間振りにプロの世界に返り咲いた。歴史のある球場だけに名前は何度も変わっているが、現在の球場名は当時の市のParks
and Recreation Director:イグナス・ギル氏にちなんでいる。 |
行き方:マンチェスターはニュー・ハンプシャー州の南部、州都コンコードとナシュアに挟まれた所に位置する中都市。ボストンからクルマで2時間弱。球場はダウンタウンの南のはずれにあり、Beech St. とMaple St. に挟まれたValley St. 側がエントランスになっている。ダウンタウンを南北に走るElm St. が町の目抜き通りになっており、どっちかと言うと北側の方が栄えている。 |
観戦したゲーム(2): 2004.05.25 AA Eastern League : New Hampshire Fisher Cats vs. Norwich Navigators 2004.06.08 AA Eastern League : New Hampshire Fisher Cats vs. New Britain Rock Cats |
![]() |
アーム・アンド・ハンマー・パーク
テナント:トレントン・サンダー(AA:1994-2020)
所在地:ニュー・ジャージー州トレントン
開場:1994年
収容人数:6,440人
完成した当時はダブルAクラスではおそらく突出した球場だったと思うが、現在ではここぐらいがダブルAのスタンダードになっている。重厚なレトロ調の正面入口もかっこいいし、球場内の雰囲気や設備もまぁ期待を裏切る事はないと思う。完成から2012年までは"Samuel
J. Plumeri Field at Mercer County Waterfront Park"と呼ばれていたが、2013年からベーキング・ソーダでおなじみのアーム&ハンマー社がネーミング・スポンサーになり現在の名称となった。かつてチームは国境の北、カナダのオンタリオ州ロンドンでプレイしていたが1994年にトレントンへ移転してきた。チームを誘致するのに尽力したサミュエル・プラメリー氏と2人の子供のブロンズ像がメイン・エントランス前広場のベンチに腰掛けている。 2003年からヤンキース傘下になったのがよっぽどウレシかったのか、臆面もなくヤンキース色を全面に打ち出している。手始めにユニフォームやフィールドには誇らしげにヤンキースのロゴマーク。チームストアにはデレク・ジーターらのTシャツが並び、グッズの半分はヤンキースのもので占められている。またバックスクリーンにはヤンキー・スタジアム風の白いアーチ装飾が施されていて、これがまた結構イタイ。2002年まではレッド・ソックス傘下だったのにまるでロジャー・クレメンスのような変わり身の早さには驚かされる。ヤンキース傘下になった途端にデレク・ジーターがリハビリの為にプレイしたが、そのゲームでいきなりアテンダンス・レコードを更新してしまった。ヤンキース印おそるべし。ちなみに私が見たゲームではバーニー・ウィリアムズが同じく調整の為プレイしていたが、惜しくもアテンダンス記録更新はならなかった。球団創設10年足らずで早くもノマー・ ガルシアパーラ(#5)とトニー・クラーク(#33)の番号が永久欠番になっている。 |
行き方:州都トレントンはニュー・ジャージー州の中央、フィラデルフィアとニューヨークを直線で結んだほぼ真ん中に位置する。マンハッタンからはNew Jersey
Transit のNortheast Corridor 線(ペン・ステーション発)で、フィラデルフィアからはSEPTA Regional Rail
の"R7"でアクセスできる。球場の最寄り駅は終点Trenton 駅で双方の鉄道が同じ駅舎を使用しており、ついでにグレイハウンド・バスのディーポも隣接している。所要時間はマンハッタン、フィラデルフィアから共に60〜70分、運賃はSEPTAの方が片道$7.00でNJTよりも$3.00ちょい安い。(03年7月現在) 球場はデラウェア川沿いにあり、駅から見て南西方向になる。Trenton 駅から出ているライトレールの"River LINE"で球場の近くまでアプローチできる。トレントン駅からわずか2駅(所要時間4分)、Cass Street 駅で下車。運賃は片道$1.25。平日・日曜のトレントン駅行き最終は10:09pm、土曜は何故か遅く1:09amまで走っている。駅から球場までは刑務所の手前にあるThunder Rd. (Cass St. )を川の方へちょっと歩けばOK。 |
観戦したゲーム(1): 2003.07.04 AA Eastern League : Trenton Thunder vs. New Britain Rock Cats・・・ニュー・ブリテンのジョー・マウワーは6番キャッチャーで出場 |
イェール・フィールド
テナント:ニュー・ヘイヴン・レイヴェンズ(AA:1994-2003)
所在地:コネティカット州ウエスト・ヘイヴン
開場:1927年
収容人数:6,200人
球場巡礼にはどうしてもかかせない聖地のひとつ。個人的に何年も前から行ってみたかった球場で、バスであっさり乗りつけるのは惜しいと思いあえてダウンタウンから徒歩でアタックした。プロの球場としてはレイヴェンズが誕生した1994年からの新参者ではあるが、イェール大学の野球部ブルドッグズは1927年の開場以来ずっと使用している。蔦のからむ薄汚れた古代のコロシアムのような外観でまずノックアウトされ、薄暗くカビくさいコンコースを抜けると「これがダブルAのフィールドか...」と疑いたくなるようなボロっちい設備。グランドスタンドは昔ながらのひさしで覆われ、バックスクリーンはコケむしたように変色している...21世紀にこんな球場でプロのゲームが行われていると思うだけで鼓動が早くなるのを感じてしまう。ここは野球の神様が残しておいてくれた奇跡の球場なのです。 古いだけに球場に関するエピソードはいくつもあるが、有名なのはアメリカ大統領のジョージ・ブッシュ親子がブルドッグズでプレイしていた事だろう。特にパパ・ブッシュは主将をしていた当時、かのベイブ・ルースと球場で謁見しサインまでもらっているらしい。スタンド裏のコンコースに彼らを含むこの球場でプレイした主な選手のプレートが飾ってあり、幾多のレジェンドにまじって2002年にプレイした田口壮の名前も見つける事ができる。ちなみにスタンドや座席は大部分が改装され、一部は安っぽいアルミになってるわけで、う〜んちょっと…って感じ。ダブルAイースタン・リーグのチームは2003年シーズン終了後にニュー・ハンプシャー州マンチェスターへ移転。その後すぐにインディペンデントのCan-Amリーグが入居してきたが2007年限りで活動を休止し、プロは完全に撤退した。 |
行き方:球場の所在地はウエスト・ヘイヴンだがすぐ近くにニュー・ヘイヴンとの境界線があり、実質ニュー・ヘイヴンにあるといっても差し支えないだろう。ニュー・ヘイヴンはコネティカット州の大西洋岸沿いに位置する古い町で、ダウンタウンにアイビー・リーグの名門イェール大学のキャンパスがあるので有名。ニュー・ヘイヴンへはニューヨークからMTAが運営するMetro-North
Railroad でアクセスできる。最寄り駅はNew Haven 線の終着駅New Haven 駅。グランド・セントラル・ステーションから所要約2時間。運賃はオフ・ピークのラウンド・トリップ(往復)で$23.00。本数は1時間に1〜2本ぐらいだが深夜でも走っているのでナイトゲーム終了後でもマンハッタンへ帰れる。(03年06月現在) 球場はダウンタウンの北西に位置し、ダウンタウンから出ているルートFのバスを利用して行けるがナイトゲーム終了後のバスはない。歩くと60分はたっぷりかかる。ダウンタウンのChapel St. をひたすら西へ、途中でDerby Ave. と合流しElla T. Grasso Blvd. という大きな通りを越えると右手に"Yale Bowl"とゆうフットボール・スタジアム、左手に球場が見えてくる。 |
観戦したゲーム(1): 2003.06.30 AA Eastern League : New Haven Ravens vs. Trenton Thunder |
![]() |
ルーサー・ウィリアムズ・フィールド
テナント:メイコン・ブレーヴス(A:1992-2002)
所在地:ジョージア州メイコン
開場:1929年
収容人数:4,000人
Central City Park という公園内にあるオトギ話に出てきそうなボロ球場。1929年の開場以来数々のマイナーリーグの本拠地として使用された。1992年にブレーヴスが移転してきた時に一部改装さているが、オールド・スタジアムの雰囲気は全く損なわれていない。全体を屋根でおおわれているグランドスタンドも捨てがたいのだが、この球場に関してはレンガ造りの外観の方が見応えがある。特に正面入口はアーチ型のゲートがまるで城門のようで、こいつをくぐるとまるでタイムスリップしたかのような昔のままの光景が眼に飛び込んでくる。グランドスタンドの座席にはハトのフンがひっついてたり、ネットが広範囲にかかっていてフィールドが見づらい事もあるが、そんな野暮なこたぁ気にしないでおこう。2002年を最後にチームが同州内のロームへ去って以来空き家が続いたが、2007年にインディペンデントのサウス・コースト・リーグが入居。しかしこのリーグもたった1シーズンで頓挫し、ついにプロフェッショナル・ベースボールの系譜が途絶えてしまった。当時3塁側のブリーチャーにあった映画セットのようなボロボロのハンバーガー小屋は今でもやっているのだろうか…。 |
行き方:メイコンはジョージア州のほぼ中央、アトランタから南へクルマで90分程の小都市。アトランタからI-75で南へ、I-16へ入ってすぐの2番出口からインターステイトを降りる。Otis Redding Bridge を渡りRiverside Dr. へ入るとCentral City Park の看板が出るので指示通りに。公園に入ったらすぐに球場が見えてくる。 |
観戦したゲーム(1): 2002.05.20 A South Atlanteic League : Macon Braves vs. Savannah Sand Gnats |
ピート・バイデン・フィールド
テナント:フレズノ・グリズリーズ(AAA:1998-2001)
所在地:カリフォルニア州フレズノ
開場:1983年
収容人数:6,575人
2001年の時点でトリプルAクラスの球場の中でもっともキャパの少ない球場だった。それもそのハズでこの球場はFresno State University(フレズノ州立大学)の施設で普段はカレッジ・ベースボールの強豪ブルドッグズのホームになっている。球場名は1948〜69年までブルドッグズを率いた名監督ピート・バイデン氏にちなむ。オリジナルは1966年に建てられ、現在のは1983年に立て直された二代目。 トリプルAの球場としてはタコマの"Cheney Stadium"よりも全然ショボイが、大学の球場にしては内野グランドスタンドの座席には全て背もたれがついているし、かなりいい方だと思われる。実際ブルドッグズは全米でもトップ・クラスの観客動員らしい。内野スタンドの裏側がコンコースになっていて、造りは日本の地方球場によく似ている。狭いコンコースの中に1軒だけプレハブ造りのチームストアがあり、品揃えは良くなかったが値段はどれも控えめで好感が持てた。チームは2001年シーズンを最後に、ダウンタウンに建設された新球場へ移った。ちなみに日本人メジャー・リーガー第1号の村上マサノリ氏が1964年にMLBジャイアンツでビッグリーグ・デビューする前に投げてたのがここフレズノ。当時彼はジャイアンツ傘下のシングルAフレズノ・ジャイアンツに所属していた。もちろん当時の球場はこことは別。 |
行き方:フレズノはカリフォルニア州のほぼ真ん中、サン・フランシスコとLAの中間に位置する中都市。日系人が多く住んでいる事で知られている。球場はフレズノ州立大学の敷地内にある。大学はダウンタウンのはるか北、空港の近くでほとんど隣町のクローヴィスと隣接している。具体的には球場はCedar Ave. 沿いのBulldog Lane とBarstow Ave. の間にあり、同じくフレズノ・ステイトのフットボール・スタジアム"Bulldog Stadium"と隣接している。私は大学近くのモーテルに宿をとったのでダウンタウンからのアクセスはよくわからないが、#38のバスが球場の前を通り、#9が近くを通る。この2つのバスいずれかに乗り継げばダウンタウンからでも空港からでもアクセスできる。 |
観戦したゲーム(1): 2001.04.11 AAA Pacific Coast League : Fresno Grizzlies vs. Omaha Golden Spikes |
シヴィック・スタジアム
テナント:ポートランド・ロッキーズ(SS-A:1995-2000)/ビーヴァーズ(AAA:2001-2010)
所在地:オレゴン州ポートランド
開場:1926年
収容人数:20,000人
住宅地の中に忽然と姿を現すメジャー級のオールド・スタジアム。もともとはフットボールのためのスタジアムで野球に使われるようになったのは完成から30年後の1956年のこと。近年になってちょこちょことチームが出たり入ったりしてなかなか長居してくれない状況が繰り返され、ついに2011年からサッカー/フットボール専用のスタジアムに改装されることとなり、2010年が最後のベースボール・シーズンとなった。 スタンド全体を覆う木造のひさしや鉄骨ムキ出しになった柱、コロシアムのようなアーチ状のくり抜きが続く外観などどこを見てもウットリするようなオールド・スタイルで、まさに文化財級の素敵な球場なのだが何故かフィールドは人工芝。これが著しく景観を乱している。ライト側の外野にはすぐ隣の巨大な建物が迫っており、その建物には"Wrigley Field"よろしくタダ見用の観戦スタンドがしつらえてある。 私が観戦したのはショートシーズンAノースウエスト・リーグの"Portland Rockies"時代だったが、このチームは2000年を最後にワシントン州パスコへ移転し、"Tri-City Dust Devils"と名を変えた。入れ替わりに2001年からトリプルAパシフィック・コースト・リーグのアルバカーキが移転してきて4代目"Portland Beavers"となった。本来ならカルガリーが来るハズだったらしいが土壇場でカルガリーが移転を覆し、急遽アルバカーキに決まったらしい。待望のトリプルA復帰に際して球場は全面改修され、ネーミング・スポンサーが付き名称を"PGE Park"と改めた。今は"Portland Timbers"というサッカーチームの本拠地となっている。 |
行き方:消費税0%の町として、またNikeの本拠地としても有名なポートランドはオレゴン州の北端、ウィラメット川沿いに位置し、ワシントン州へもスグ。4大スポーツでは唯一NBAトレイル・ブレザーズだけがフランチャイズを置いている。球場はウィラメット川の西側、SW(南西)と呼ばれる地区にある。ダウンタウンからだとマックス・ライト・レールという路面電車に乗り、そのものズバリ”Civic Stadium”駅で下車。場所的にはSW 20th Ave. & SW Morrison St. らへん。マックスは本数は減るが深夜12時台でも走っているのでナイトゲーム終了後でもダウンタウンへ帰れる。 |
観戦したゲーム(2): 2000.06.22 SS-A Northwest League : Portland Rockies vs. Boise Hawks 2000.06.23 SS-A Northwest League : Portland Rockies vs. Boise Hawks |
ビリー・ヒューバート・フィールド
テナント:ストックトン・ポーツ/マッドヴィル・ナイン(Advanced A:1978-2004)
所在地:カリフォルニア州ストックトン
開場:1927年
収容人数:3,500人
球場はOak Park という文字通りオークの茂る静かな公園の中にあり、まるで樹々の中に埋もれているかのようにひっそりとたたずんでいる。球場としては最低限の設備しかなく、特に古色蒼然した雰囲気を感じさせる風貌でもない。球場の名前は地元出身のマイナー・リーガーで第二次世界大戦の戦死者、ビリー・ヒューバート氏にちなむ。グランドスタンドには広範囲にわたって全体的にネットがかかっており、しかもフェンスに高さがあるので少々観戦しづらい。これはアメリカの古い球場ではよくある現象なので珍しい事ではないが。チームストアはマイナーでも屈指のショボさを誇る。 1999年9月9日の9づくしの日に従来の"Stockton Ports"から"Mudville Nine"というチーム名に変更する事が発表された。マッドヴィル・ナインとは1888年に発表された"Casey at the Bat (*)"という有名な詩に登場する伝説のチームの名前。チーム名の"Nine"にちなみ試合は全て○時09分から始まるようにするなど、かなりの凝りようだったが全く定着する事なくたった2シーズンで元の名前に戻した。改名を機にダウンタウンに今まで前例の無い1800年代風デザインの新球場を建設するハズだったがそのデザインはご破算になり、チームは2005年から普通のデザインの"Banner Island Ballpark"へ移った。 |
*ケイシー・アット・ザ・バット・・・1888年6月にサン・フランシスコ・エクザミナー紙に発表された野球を題材にしたポエムの名作。作者のErnest Lawrence Thayerは、当時マッドヴィルと呼ばれていた球場(原っぱ?)でプレイしていたストックトンの草野球チームをモデルにして"Mighty Casey"などのキャラクターを作り出したとの事。 |
行き方:ミシシッピ川以西で最大の内陸港をもつ中都市ストックトンは、サン・フランシスコの東、サクラメントの南、いづれも車で60〜90分の距離にある。私はサクラメントからグレイハウンド・バスで日帰りでアクセスした。球場は前述の通りダウンタウンの北にあるOak Park の中にある。グレイハウンド・バスのターミナルはダウンタウンの西にあり、球場までは徒歩で40分かかる。行き方は色々あるが、一番簡単なのはダウンタウンのCalifornia St. をひたすら北へ。ドンツキが公園の入り口になっており、公園内を道なりに歩けば球場がみえてくる。ダウンタウンのWeber Ave. & San Joaquin St. から出てる1、3番のバスでも行けるが、ナイトゲーム終了後のバスはない。 |
観戦したゲーム(1): 2000.06.12 A Carifornia League : Mudville Nine vs. San Jose Giants |
キノ・ヴェテランズ・メモリアル・スタジアム
テナント:トゥーソン・サイドワインダーズ(AAA:1998-2008)/パドレス(AAA:2011-2013)
所在地:アリゾナ州トゥーソン
開場:1998年
収容人数:11,500人
トゥーソンの歴代マイナーチームは昔から伝統的にスペイン語で「雄牛」を意味する"Toros"を名乗っており、1997年までは1937年オープンのオールド・ボールパーク"Hi
Corbett Field"を本拠地としていた。しかし1998年、MLBダイヤモンドバックスの誕生とともにトゥーソンはチーム名を"Sidewinders"に改め、ダイヤモンドバックスとホワイト・ソックスのスプリング・トレーニング・サイトとして建設されたこの球場を新たなホームとした。ダイヤモンドバックスと共に順調なスタートを切ったかに思われたサイドワインダーズだったが、ものの数年であっつう間に飽きられ、観客動員は地を這うガラガラヘビのごとくドン底状態に陥った。そしてサイドワインダーズ誕生から10年周年の2008年を最後にチームはネヴァダ州リノへ旅立ち"Reno
Aces"となり、同時にこの球場をスプリング・トレーニングの本拠地としていたホワイト・ソックスもフェニックス近郊のグレンデールへ移った。最後の住人となったダイヤモンドバックスも1チームだけがトゥーソンに留まる理由はなく、2010年限りで同じくフェニックス近郊のスコッツデールへ移り、この球場は完全に空き家となった。本来なら独立リーグが入居しても良さそうなものだが、2009年から2シーズンだけ存在した独立リーグのチームはこの球場ではなく、前述の"Hi
Corbett Field"をホームに選んだ。2011年、本拠地球場がサッカー専用スタジアムに改装されると言うので追い出されたトリプルAポートランド・ビーバーズがこの球場に入居し"Tucson
Padres"として3年振りにプロ野球のチームが戻ってきた。が、実はこのチームはテキサス州のエル・パソに新球場が出来るまでの仮住まい契約で、結局2013年シーズン終了後に移転し再び空き家となった。しかし、さすがにこのグレードの球場をほったらかしにできる独立リーグはなく、ついにインディ業界の泡沫リーグと名高いペコス・リーグが2016年に"Tucson
Saguaros"を創設し、なんとか現在も本拠地球場として生きながらえているのである。 球場は典型的な90年代後半のHOK社(現ポピュラス社)のスタイル。グランドスタンドはフィールドレベルとアッパーレベルの2層にわかれており、バックネット裏にはスイートも完備されている。オープン・コンコースになっているため場内を一周することができ、外野席は全てラワン(芝生席)になっている。当時はチームストアの中にカードショップが入っており、表にあるカード交換用のスペースはいつもチビッ子で賑わっていた。球場の周りはガランとした荒野が広がっていて如何にもアリゾナな風景。この球場は野球を観る上では何も問題はないが、やはりトリプルAのチームを維持するにはトゥーソンはマーケットが小さく、MLBチームのあるフェニックスに近すぎたのだろう。 |
行き方:西部劇で有名な町トゥーソンはフェニックスの南に位置し、メキシコとの国境も間近。フェニックスからグレイハウンド・バスで約2時間のキョリ。球場はダウンタウンの南東、Ajo Way 沿いのKino Parkway とBenson Highway の間にある。私は自転車(宿のレンタ・サイクル)で行ったが、ダウンタウンから1時間弱かかった。球場の近くに#11のバス・ストップがあったのでシティ・バスで行く事もできると思う。 |
観戦したゲーム(3): 1998.08.29 AAA Pacific Coast League : Tucson Sidewinders vs. Memphis Redbirds (DH) 1998.08.30 AAA Pacific Coast League : Tucson Sidewinders vs. Memphis Redbirds |
アルバカーキ・スポーツ・スタジアム
テナント:アルバカーキ・ドジャース(AA:1969-71)/デュークス(AAA:1972-2000)
所在地:ニュー・メキシコ州アルバカーキ
開場:1969年
収容人数:10,510人
オープン以来長らくドジャースとの関係を続けてきたスタジアム。外見的にはこれといって特徴はなく、名物は外野にあるピクニック・エリア。そこへは車のまま入って行く事ができるのでドライヴ・イン・シアターのように車内から出ずに観戦する事ができた。もちろんバーベキューをしながら観戦するグループも多い。別名ドライブスルー・ボールパーク。球場は小高い丘の上にあり、そこから見えるサンセットは荘厳にして絶品。デュークスは2001年にオレゴン州ポートランドへ移転し、球場は建て替えの為に一旦取り壊された。その後跡地に新球場"Isotopes Park"が2003年にオープンし、カナダのカルガリーから移転してきた新生アルバカーキ・アイソトープスが本拠地としている。 |
行き方:アメリカン・インディアンの文化が色濃く残る町アルバカーキはニュー・メキシコ州のほぼ中央、州都サンタ・フェのすぐ南西に位置する。球場はダウンタウンの南東、アルバカーキ国際空港の北側にあり、ダウンタウンからは#9と#50(どちらも空港へ行くルート)のバスが球場の近く通る。オールド・タウンから行く場合は、Central Ave. (旧ルート66)を走ってる#66のバスでダウンタウンまで出て、そっから上記の#9か#50に繋いで球場へ。ダウンタウンからだと少々時間はかかるが徒歩でも行ける。ブラブラ歩いて1時間ぐらい。行き方は簡単。まずCentral Ave. をひたすら東へ、University という通りまで来たら右折して(つまり南へ)しばらく歩くと球場の照明が見える。行きはずっと登りなのでちょっとタフだが帰りはらくちん。 |
観戦したゲーム(2): 1998.08.21 AAA Pacific Coast League : Albuquerque Dukes vs. Iowa Cubs 1998.08.22 AAA Pacific Coast League : Albuquerque Dukes vs. Iowa Cubs |
ティム・マッカーヴァー・スタジアム
テナント:メンフィス・チックス(AA:1978-97)/レッドバーズ(AAA:1998-99)
所在地:テネシー州メンフィス
開場:1968年
収容人数:8,800人
1963年にオープンし、78〜97年まではダブルAサザン・リーグの"Memphis Chicks"、98〜99年はトリプルAパシフィック・コースト・リーグの"Memphis Redbirds"のホームだった。球場の名前は地元出身でカーディナルズなどでプレイした名捕手ティム・マッカーヴァー氏にちなむ。ダブルAクラスの古い球場にしては珍しくレフト側の外野にブリーチャーがあり、グランドスタンドには屋根がかかっていてなかなか気が利いている。内野席上段からは柱がジャマで少々見にくいのが欠点か。内野が人工芝で外野が天然芝という珍しいフィールドが特徴だった。レッドバーズは2000年からダウンタウンのド真ん中に建設された14,200席の"AutoZone Park"へ移ったが、球場は2005年に解体されるまで長らく放置されていた。 |
行き方:エルヴィス・プレスリーが愛した町メンフィスはテネシー州の西端、ミシシッピ川沿いに位置する。4大スポーツでは唯一NBAグリズリーズだけがフランチャイズを置いている。球場はダウンタウンの南東にあり、リバティランド(遊園地)やリバティ・ボウル(フットボール・スタジアム)、ミッドサウス・コロシアム(アリーナ)に隣接している。ダウンタウンからは#2のバスが球場の近くを通るが、#2には途中からCentral Ave. を通る2CとSouthern Ave. を通る2Sの2ルートがあり、2Cの方が球場により近い所を通る(Central & Early Maxwellで下車)。2Sで行く場合はSouthern & Early Maxwellで降りて、Early Maxwell Blvd. を北へ5分程歩けば右手に球場が見えてくる。 |
観戦したゲーム(2): 1998.08.06 AAA Pacific Coast League : Memphis Redbirds vs. Tucson Sidewinders 1998.08.07 AAA Pacific Coast League : Memphis Redbirds vs. Tucson Sidewinders |
プログレス・エナジー・パーク
テナント:セント・ピーターズバーグ・デヴィル・レイズ(Advanced A:1997-2000)
所在地:フロリダ州セント・ピーターズバーグ
開場:1976年
収容人数:7,184人
正式名称は"Progress Energy Park : Home of Al Lang Field"。頭についてるのはネーミング・スポンサーの企業名で一般的には以前からの名称である"Al Lang Field"あるいは"Al
Lang Stadium"で通っている。球場名になっているアルバート・ラング氏とはMLBのスプリング・トレーニングを初めてフロリダに誘致した人物(1914年の春にセントルイス・ブラウンズがセント・ピーターズバーグでトレーニングを行ったのが最初らしい)。デヴィル・レイズはハイ・クラス・シングルAとロー・クラス・シングルAの数合わせのため同じフロリダ・ステイト・リーグのキシミーと共に2000年シーズン終了後に活動を休止した。 オリジナルの"Al Lang Field"はこの地に1947年に建てられ、現在のは76年に建て直された2代目。オープン以来数多くのチームがここでスプリング・トレーニングを行ってきた歴史があり、1998年にレイズが創設された際も初代スプリング・トレーニングのホームとなった(2009年からポート・シャーロットの"Charlotte Sports Park"へ移転)。海がすぐ近くにあるので見晴らしがよく、3塁側のスタンドからはマリーナに繋がれているヨットも見える。"Tropicana Field"よりもこっちの方がよっぽどトロピカルな球場である。チームストアはシングルAクラスにしてはそこそこ充実していてレイズのグッズも置いていた。現在はサッカー専用のスタジアムに改装されてしまったがまだ現役。 |
行き方:MLBもフランチャイズを置くセント・ピーターズバーグはフロリダ半島の西の付け根に位置し、NFL(バッカニアーズ)、NHL(ライトニング)がフランチャイズを置いているタンパとともにタンパ湾岸エリアの中心的な町。球場はダウンタウンの東のはずれにあり、ダウンタウンはおろか"Topicana Field"からも歩いて行ける。メジャーとマイナーの球場がこれほど隣接している町は北米でもここだけだった。 |
観戦したゲーム(3): 1998.07.03 A Florida State League : St. Petersburg Devil Rays vs. Tampa Yankees 1998.07.04 A Florida State League : St. Petersburg Devil Rays vs. Dunedin Blue Jays 1998.07.05 A Florida State League : St. Petersburg Devil Rays vs. Dunedin Blue Jays |
ティンカー・フィールド
テナント:オーランド・ツインズ/サン・レイズ/カブス/レイズ(A:1963-72, AA:1973-2003)
所在地:フロリダ州オーランド
開場:1963年
収容人数:5,104人
球場名は1900〜1910年代にシカゴ・カブスで活躍したフロリダ出身の殿堂入り内野手ジョー・ティンカーにちなむ。オリジナルは1914年に完成しており現在のは1963年に全面的に建て直された二代目。お隣には1994年のFIFA
World Cupでも会場として使用されたフットボール・スタジアム"Citrus Bowl"が隣接していてライト側外野フェンスのすぐ後ろにグリーン・モンスターならぬシトラス・ボウルの壁がそびえている。キチンとしたスタンドがあるのはネット裏周辺だけで、他の席は仮設スタンドっぽい。 私が見た1998年6月30日のゲームでは有名な隻腕投手ジム・アボットが先発。一度引退したがホワイト・ソックスと契約し、当時はダブルAバーミンハムでプレイしていた。バーミンハムはマイケル・ジョーダンが一時所属していた事で有名だが、選手の移動用バスに彼の直筆サインがでかでかと書かれていた。チームは設備老朽化のため2000年からブレーヴスのスプリング・トレーニングのホームでもあるディズニー・ワールド内の"Cracker Jack Stadium"に移ったがそれでもアテンダンスが奮わず結局2003年シーズン終了後にアラバマ州モントゴメリーへ移転した。その後この球場にプロフェッショナル・ベースボールが戻ってくることはなく、2015年4月に解体された。 |
行き方:世界中の観光客が集結するテーマ・パーク銀座オーランドはフロリダ半島のほぼ中央、東側に位置する。4大スポーツの中では唯一NBAだけがフランチャイズを置いている。球場はダウンタウンのバス・ターミナルから#20のバスで約10分、巨大な"Citrus Bowl"が見えてくれば下車。 |
観戦したゲーム(2): 1998.06.30 AA Southern League : Orlando Rays vs. Birmingham Barons 1998.07.01 AA Southern League : Orlando Rays vs. Mobile BayBears |
コーエン・スタジアム
テナント:エル・パソ・ディアブロス(AA:1990-2004)
所在地:テキサス州エル・パソ
開場:1990年
収容人数:10,000人
球場の名前はエル・パソ出身のメジャー・リーガー、アンディ&シドのコーエン兄弟(1920〜30年代に活躍)にちなむ。この球場をホームにしていた「ディアブロス」とはスペイン語で悪魔という意味。ランボルギーニ社のスーパーカーでもおなじみだろう。エル・パソはメキシコとの国境に接している町でほとんどスペイン語が公用語になっている。とてもエル・パソらしいローカル色の強いチーム名だ。球場は郊外のだだっ広い荒野の中にあり、まわりには何もない。たまにアメリカを表現する際にほんとは何かあるのに大袈裟に「何もない」と言ってみたりするが、ここエル・パソでは本当に何もない!アドビ住居風のサンドストーン色の外壁がきれいなモダンな球場で内野のスタンドからは荒野と岩肌ムキ出しの丘が見え、誰もが想像するサウス・ウエスタン直球勝負な風景が広がる。ナイトゲームなら砂漠に沈むサンセットは見逃せない。空全体が真っ赤になる光景は神々しい。 ダブルAテキサス・リーグのディアブロスは2004年シーズン終了後にミズーリ州スプリングフィールドへ移転したが、2005年からさっそくインディペンデントのセントラル・リーグ(後にアメリカン・アソシエイションに吸収される)のチームが入れ替わりで入ってきてチーム名をそのまま引き継いで運営された。しかしトリプルAパシフィック・コースト・リーグのトゥーソンが新球場建設を条件にエル・パソへ移転してくることとなり、1974年から長きにわたり続いていたディアブロスとエル・パソの歴史は2013年限りで終わりとなった。ダブルAが撤退してその9年後に(球場は違えど)同じ町にトリプルAが入ってくるとゆうのは非常に珍しいケース。 |
行き方:メキシコとの国境の町エル・パソはテキサス州の西端、ニュー・メキシコ州との州境に位置する。メキシコ側の町ファレスへはリオ・グランデ川に架かる橋を渡ればすぐ。 球場はダウンタウンからかなり離れている。パブリック・バスでアクセスできるがナイトゲーム終了後のバスはない。まずダウンタウンのターミナルから42番のバスでNorthgate Mallまで。Northgate Mallはちょっとしたターミナルになっていて、そこで7番のバスに乗りかえて球場まで。Northgate Mallから球場までは歩いても30分ぐらい。7番は本数が少ないので歩いたほうが早い場合もある。 |
観戦したゲーム(2): 1998.06.19 AA Texas League : El Paso Diablos vs. San Antonio Missions 1998.06.21 AA Texas League : El Paso Diablos vs. San Antonio Missions |
マリネリー・フィールド
テナント:ロックフォード・エクスポズ/ロイヤルズ/カビーズ/レッズ(A:1988-1999)
所在地:イリノイ州ロックフォード
開場:1988年
収容人数:4,500人
私が観戦した当時はカブス傘下の"Rockford Cubbies"というチーム名だったが、1999年からレッズ傘下になったので下の前も"Reds"に変わった。球場名は地元のアマチュア球界に多大な貢献をしたが36歳で亡くなったルイス・マリネリー氏にちなむ。球場はRock River 沿いのブラックホーク・パークという公園の中にあり、森に囲まれた静かな環境。建物は比較的新しいが至ってシンプルで、あんまり金かけてないなという印象。チームストアは球場の設備の割には意外にも充実しており、実際に選手が着ていたゲーム・ジャージーなども売っていた。シングルAミッドウエスト・リーグのチームは1999年シーズン終了後にオハイオ州デイトンへ移転したが、2002〜05年まではインディペンデントの"Rockford RiverHawks"(フロンティア・リーグ所属)がホームとしていた(チームは2006年から郊外に建設された新球場へ移ったがその後活動を休止)。 |
行き方:ロックフォードは映画『プリティ・リーグ』でとりあげられた女性だけのプロ野球チーム「ロックフォード・ピーチズ」がホームにしていた町。シカゴの西、車で約90分のところに位置する。球場へはロックフォードのバス・ターミナルから見知らぬ親切なオバサンにクルマで連れて行ってもらったので詳しいアクセスは不明。ロックフォードへはシカゴのオヘア空港からも上記のターミナル行きのバスが出ている。 |
観戦したゲーム(1): |