サザン・リーグ

Regions Field (Birmingham, AL)
Admiral Fetterman Field (Pensacola, FL)
Smokies Stadium (Knoxville, TN)
Riverwalk Stadium (Montgomery, AL)
AT&T Field (Chattanooga, TN)
 

バーミンハム・バロンズ
球場:リージョンズ・フィールド
所在地:アラバマ州バーミンハム
開場:2013年
収容人数:8,500人

photo by 球場巡礼

・2013年にダウンタウンの南にオープンしたバロンズ三代目のホーム。トリプルAクラスのどえらい球場で立ち見、芝生、イス席、テーブル席、ラグジュアリー・スイートなど、考えられるありとあらゆる観戦スタイルが選べる。
・ニグロ・リーグの名門"Birmingham Black Barons"に敬意を表し、球場のお隣に"Birmingham Negro Southern League Museum"が2015年8月にオープンした。

行き方:ダウンタウンのサウスサイド。鉄道の線路のすぐ南。
観戦したゲーム(1):
2014.06.26 Birmingham Barons vs. Mississippi Braves

ペンサコーラ・ブルー・ワフーズ
球場:アドミラル・フェッターマン・フィールド
所在地:フロリダ州ペンサコーラ
開場:2012年
収容人数:5,038人

photo by 球場巡礼

・ダウンタウンのペンサコーラ湾に面した公園内にある。スタンドから海が見える。
・ビーチ・リゾートらしく球場はブルーとホワイトを基調としてさわやかなカラーリング。設計はポピュラス社。
・チーム名のブルー・ワフーとは魚の名前だが、ブルーはペンサコーラ基地を本拠地にしているアメリカ海軍のアクロバット飛行チーム「ブルー・エンジェルズ」とかけている。

行き方:ダウンタウンの海側、Main St. 沿い。
観戦したゲーム(2):
2014.06.22 Pensacola Blue Wahoos vs. Huntsville Stars
2014.06.23 Pensacola Blue Wahoos vs. Huntsville Stars

テネシー・スモーキーズ
球場:スモーキーズ・スタジアム
所在地:テネシー州ノックスヴィル
開場:2000年
収容人数:6,000人

photo by 球場巡礼

 グレート・スモーキー・マウンテンズの麓に建設された秘境のスタジアム。元々チームは"Knoxville Smokies"という名前でノックスヴィル市内でプレイしていたが球場老朽化のため1999年のシーズン終了後に現球場に移ってきた。その際に「ノックスヴィル」という名を捨て、より広域にアピールできるよう「テネシー」を名乗る事になった。球場の周辺は人里離れた辺鄙な場所なのでパーキングを含めた敷地はたっぷり取られている。外観は大きな緑の三角屋根とサンドストーンの粗いレンガが印象的で、山荘を思わせるようなオシャレな造り。球場内にはグレート・スモーキー・マウンテンズ国立公園の観光案内所も併設されており、全体的に「リタイアした中流以上の白人」が好きそうなリゾートっぽい上品な雰囲気が漂う。球場内はグランドスタンド、フィールド共にシメントリーで余分な装飾は一切排除。「シンプルこそベスト」をここまで徹底的に貫いている球場はありそうでなかなかない。しかしながら球場の周りに人工の建造物がほとんどない事もあってシンプルなのに存在感は十分。また周囲の環境にも違和感なく溶け込んでおり、実にゆったりとした牧歌的な空間になっている。
 グランドスタンドの外野側は背もたれ付きのベンチシート、三角屋根がかわいらしい2階部分はスイート契約者専用となっている。外野は全て芝生席。後方に迫っている山の中腹にはキャンプ場があり、そこではBBQをしながらタダ見をキメ込む不埒なヤカラも多数いる。山が近いので夏でも陽が沈むとヒンヤリと涼しく、また同時に虫が照明付近に大量発生する。チームストアの品揃えは結構充実しており、なんと選手の使用済み脱ぎたてホカホカ生キャップまで販売していた(サイン入り)。手にとって臭う勇気はなかったが、きっと熟成されたジャック・ダニエルのような深みのある力強いテイストに仕上がっているに違いない。
行き方:ノックスヴィルは東西に長いテネシー州の東の端、名門テネシー大学のある町。球場は厳密に言うとノックスヴィルではなく、近郊のコダックという町にあるのだが球場までの公共の交通機関はなくクルマでしかアクセスできない。行き方は簡単。ハイウェイ40号線(I-40)の407番出口を出てスグ。球場はハイウェイから直接見える。
観戦したゲーム(1):
2005.07.9 Tennessee Smokies vs. Chattanooga Lookouts

モントゴメリー・ビスケッツ
球場:リヴァーウォーク・スタジアム
所在地:アラバマ州モントゴメリー
開場:2004年
収容人数:7,000人

photo by 球場巡礼

 「新しいのに古い」という21世紀のキーワードを体現した好物件。まず外観が秀逸。もし照明がなかったら誰もここが球場だとは気付かないだろう。球場の顔には100年以上前の鉄道の駅舎がそのまま使われている。一塁側のビルディングがそれで、メイン・エントランスを兼ねる一階部分はやバーや売店、二階部分はスイートになっている。白塗りの壁とグリーンとのコントラストが美しい。古い建物をリフォームして球場の一部として再利用するのは既に多くの新球場が取り入れているが、ここは周囲の町並みにマッチしていて全く不自然さがない。フィールドは元々鉄道の操車場だった場所で、レフト〜センター間の向こうには現在も鉄道が走っている。そのため外野のカタチはレフトからセンターが一直線なっていて、センターはまるく、そしてライトは驚くべき事にフラッグ・ポールのある部分だけ内側にエグれている。シンメトリーどころか、ここまでイビツなカタチの外野は見たことがない。フィールドひとつ取ってみても非常に遊び心のある造りになっている。もちろん外野の外周は行き来する事ができる。イス席は4,500しかないが、ライト側にある芝生席や外野のピクニック・スペースや立ち見スペースが結構多いのでキャパは7,000以上になる。線路の向こうには川が流れていて、将来的には川沿い一帯を整備して公園にする計画があるらしい。それを見越して球場名は"Riverwalk(川沿いの遊歩道)"と名付けられた。バックネット裏から三塁側にかけては新築された近代的なスタンドがあり、二階はスイート専用となっている。一塁側から見るのと三塁側から見るのでは眺望が全く違っていて、同じ球場とは思えないトコロもおもしろい。スタンドは列数があまりないのでどこに座ってもフィールドが近い。何から何までホントに良くできた球場だ。
 ちなみに「ビスケッツ」とは一風変わったニックネームだが、これは皆さんが知っている平べったい「西洋風せんべい」ではなく南部料理の方のビスケット(ケンタッキー・フライド・チキンで売ってるアレですな。実はKFCは南部料理店だという事に気づいたヒトは南部検定準一級)。チームロゴはそのビスケットに目と手足がついているというキモカワイイもので、キッズのみならず大人にも結構人気があるようだ。売店では球団の「オフィシャル・ビスケット」として"Mary B's"のビスケットがふたつ$2.50で販売されていた。こおゆう小ネタをさりげなく仕込むお茶目さがまたカワユイ。

行き方:Montgomeryは日本では「モンゴメリー」と呼ばれているが現地では「モントゴメリー」と発音する。アラバマ州の州都でバーミングハムに次ぐ州内第二の都市である。州の真ん中よりやや南に位置する。球場はダウンタウンの北西で急カーブを描いている川沿いにあり、通りで言うとCoosa St. & Tallapoosa St. の角がメイン・エントランスになる。

観戦したゲーム(1):
2005.06.28 Montgomery Biscuits vs. Chattanooga Lookouts・・・モントゴメリーのデルモン・ヤングが3番ライトで先発出場

チャタヌーガ・ルックアウツ
球場:AT&Tフィールド
所在地:テネシー州チャタヌーガ
開場:2000年
収容人数:6,160人

photo by 球場巡礼

 築70年を越えた"Engel Stadium"にかわりダウンタウンにオープンした球場。開場当時は"BellSouth Park"と呼ばれていたが、2007年から企業合併のあおりで現在の名称に変更された。特にレトロ感を意識したような造りではなく、むしろ簡素でそっけない感じ。グランドスタンドの上段やスイートの外壁はなんかステンレスっぽい安い素材を使ってるし(ファウルボールが当たると「ブァ〜ン」というトホホな音が響く)、外観は鉄骨ムキ出しでまだ工事中か?と思わせる程で、全体的な印象としてチープさは否めない。スタンドはほとんどがバックネット〜1塁側に集まっており、3塁側には3列ほどのスタンドがあるのみで、防球ネットの背後は道路になっている。ライト側にはパーティー・エリアとささやかなブリーチャーが設えてあり、振り向くとテネシー川に架かる情緒あふれる石橋や独特の形をした水族館が見える。ローカルネタとしてルックアウツの選手がHRを打つと外野フェンスに隠れているチャタヌーガ・チュー・チュー(汽車ポッポ)がおもむろに煙を吐きながら姿を現す、という演出があるが間延びしてかなりヌルい。
 私が観戦した当時、ルックアウツに以前広島で一瞬だけプレイしていたアレファンドロ・ケサダが在籍していた。そういえばNPBからポスティング・システムを使った初めての移籍選手が彼と聞いていたが、まさかまだダブルAにいたとは!ついでに元中日、阪神のアロンゾ・パウエルがコーチを務めており、日本人を発見した彼らは盛り上がってダグアウトでは思い出したカタコトの日本語が飛び交っていた。
行き方:町のすぐ近くにそびえるルックアウト・マウンテンでおなじみの観光都市チャタヌーガはテネシー州の南の端、ジョージア州との州境近くに位置する。ダウンタウンはテネシー川の南側に広がっており、球場はそのダウンタウンの中心部、テネシー水族館や観光案内所の近くにあるのでアクセスは非常に簡単。通りでいうと3rd St. & Chestnut St. の角がメイン・エントランスになる。
観戦したゲーム(1):
2002.05.21 Chattanooga Lookouts vs. Greenville Braves