Oracle Park (San Francisco, CA)
Coors Field (Denver, CO)
Petco Park (San Diego, CA)
Chase Field (Phoenix, AZ)
Dodger Stadium (Los Angeles, CA)
 

サン・フランシスコ・ジャイアンツ
球場:オラクル・パーク
所在地:カリフォルニア州サン・フランシスコ
開場:2000年
収容人数:41,915人

photo by 球場巡礼

 ダウンタウンの南、海辺のチャイナ・ベイジンと呼ばれるエリアに建設された野球専用球場。1958年にジャイアンツがニューヨークから移転してきて以来、数えて3代目の本拠地球場になる。オープンした当時は通信会社がスポンサーで"Pacific Bell Park"(通称:パック・ベル)と呼ばれていたがその後社名変更や合併により2度名称が変わり、2019年から現在の名称になった。特徴はなんと言ってもフィールドの向こうにサン・フランシスコ湾が見えること。そして1塁側のスタンドからはSFとオークランドをつなぐベイ・ブリッジまで見えてしまう。海がすぐそばに迫っているのでライト側には観戦スペースがほとんどなく、ライト方向へのホームランは直接海に着弾することがある。これはスプラッシュ・ヒットと呼ばれ、かつて左の強打者バリー・ボンズがしょっちゅうホームランを海へ叩き込んでいたのは記憶に新しい。海沿いに立地しているためボールが常に湿気を含み、この球場はボールが飛ばないことでも有名。現在のMLBの本拠地球場の中ではサンディエゴの"Petoco Park"と並び最も投手有利な球場と認識されている。左中間にはブリーチャーがあるものの海が見えやすくする為の配慮か高さがかなり抑えてあり、スコアボードと巨大なコークのビンとグローブのオブジェ以外景観を乱すものはない。右中間にスタンドが設置できないため、ほとんどの座席は3層からなるどでかいグランドスタンドと3塁側スタンドに集中していて、特にアッパーは傾斜がきつく高さもあるのでフィールドからはかなり遠い。その分眺めはバツグンで、特にサンセットの瞬間は空が薄紫色になり、思わずもっとも眺めのよろしい球場の称号を贈りたくなる。キャンドルスティック時代の名物だったイニング間のケーブルカー・レースは現球場ではスポンサーの都合で自動車レースに変わっている。
 最近はどこの球場ででも食べられるガーリック・フライだが、ここの"Gilroy Garlic Fries"はつとに有名。コンコースを歩いていると嫌でもキョーレツな刺激臭が鼻を刺激してくる。ゲーム中に買おうとするとかなり並ばねばならないが、かといってゲーム前に買うと作り置きの冷めたべちゃべちゃのモノをあてがわれる可能性が高く、なかなか揚げたてにありつけないのが問題。
行き方:ダウンタウンの南に位置し、近くには近郊列車カルトレインの駅もある。ダウンタウンから歩いて行けるが案外遠いので30分はみといた方がいい。道は簡単で、3rd St. か4th St. をひたすら南へ、ハイウェイ80号線をくぐってさらに進むと左手に照明が見えてくる。球場の住所は"24 Willie Mays Plaza"となっているが場所的には3rd St. & King St. の角がメインゲートになる。
観戦したゲーム(7):
2000.06.13 Giants vs. Reds
2000.06.14 Giants vs. Reds
2000.06.16 Giants vs. Astros
2011.09.03 Giants vs. Diamondbacks
2013.03.17 WBC Semifinal Game 1 Japan vs. Puerto Rico・・・日本先発の前田健太がPR打線につかまり日本は準決勝で敗退

2013.03.18 WBC Semifinal Game 2 Dominican Rep. vs. Netherlands
2019.04.26 Giants vs. Yankees (Interleague)

コロラド・ロッキーズ
球場:クアーズ・フィールド
所在地:コロラド州デンヴァー
開場:1995年
収容人数:50,480人

photo by 球場巡礼

 以前はガラが悪く治安も良くなかったダウンタウンの北、ユニオン・ステーション周辺の歴史地区に建設されたHOK(現ポピュラス)の設計による2代目本拠地球場。ネーミング・スポンサーは今更説明するまでもないが地元コロラド州の世界的ビール・メーカー。まだネオ・クラシック様式の野球専用球場が珍しかった90年代当時、重厚な赤レンガ装飾や鉄骨がムキ出しになった外観、グリーンで統一されたシートや左右非対称のフィールドは話題となり、MLBで一番人気の球場だった。計画当初は43,500席の予定だったが、球団創設から最初の2シーズンだけ使用していた"Mile High Stadium"(NFLブロンコスと共用)に集まってくるお客さんの多さに対応するため急遽5万超えのキャパに変更になった。海抜1マイル(1.6km)の高地にあるため通常の球場よりも9%も打球が飛び、しかも変化球があまり曲がらないという、全米屈指の打者天国球場。おまけにファウル・ゾーンもかなり狭いときている。アッパーデックの20列目の席はきっちり海抜1マイルという事で座席がチームカラーの紫色に塗られている。オープンからなんと7シーズン連続で年間観客動員数300万人を突破し長らく繁栄を謳歌していたが2002年以降は一度も300万人に届かず、大きすぎるスタンドはもてあまされ右中間のアッパーデックは2014年から座席を削ってフードコートに変身した。この球場の名物はBatter's Eye(バックスクリーン)の上のロックパイルと呼ばれているスタンド。ここはキッズとシニアなら$1.00、大人でもたった$4.00で入れる人気の席で曜日やカードによっては試合開始直前に行っても売り切れていることも多い。

行き方:ダウンタウンの北のはずれ。16th St. を走る無料バスを使ってBlake St. で下車、Blake St. を東へ5分。Blake St. 沿いには醸造したてのビールを提供するレストランが軒を連ねており、そこでゲーム前にいったんガソリンを注入しておいてから球場のゲートをくぐるファンが多い。
観戦したゲーム(4):
1997.05.23 Rockies vs. Astros
1997.05.24 Rockies vs. Astros
1997.05.26 Rockies vs. Cardinals
2013.06.14 Rockies vs. Phillies

サン・ディエゴ・パドレス
球場:ペトコ・パーク
所在地:カリフォルニア州サン・ディエゴ
開場:2004年
収容人数:42,691人

Photo by 球場巡礼

・HOK(現ポピュラス)のデザインによりダウンタウンのど真ん中に建設されたパドレス2代目の野球専用球場。
・こけら落としは2004年3月11日に行われたトニー・グウィン監督率いるサン・ディエゴ州立大学対ヒューストン大学のカレッジ・ベースボール。
・外野が広く、MLBの球場の中では最もホームランが出にくいとされている。そのため2012年のオフに外野フェンスを前に移動させた。
・レフトポールとして利用されているレンガ造りのWestern Metal Supply Co. building は球場建設前からこの地にあった築100年以上の建物。リノヴェイションされ球場の一部としてそのまま使用されている。建物内にはスイートやチームストア、レストランが入り、屋上にはルーフトップ・スタンドが設置されている。
・スコアボードをグイッとレフトに寄せてセンター方向はダウンタウンのスカイラインが見渡せるようにぽっかりと空いた空間になっている。これはHOK(ポピュラス)がフィラデルフィアでも使ったいつもの手法。
・右中間に地面が砂場になったビーチ・スタイルのブリーチャーがある。
・外野の後方は芝生の公園になっており、ゲームのない時は一般に開放されている。サンディエゴの英雄で2014年に若くして亡くなったトニー・グウィンのスタチュが建っている。
・シートはチームカラーであるネイビーに統一されている。
行き方:ダウンタウン内。
観戦したゲーム(2):
2010.06.29 Padres vs. Rockies
2010.06.30 Padres vs. Rockies

アリゾナ・ダイヤモンドバックス
球場:チェイス・フィールド
所在地:アリゾナ州フェニックス
開場:1998年
収容人数:49,033人

 世界初の天然芝の屋根付き野球専用スタジアム。倉庫のような箱の中にシンメトリーなスタンドとフィールドがスッポリと納まっている球場というのは他に類を見ない、非常にユニークな構造であると言える。ここは他の屋根付き球場と違って、快晴のいかにも野球日和という日には屋根が閉ざされる。これはフェニックスの日中の気温があまりにも高くなり過ぎるためで、夏の間はナイトゲームであっても屋根を閉めて行われる。アメリカではお約束だが、逆に場内は冷房がガンガンに効きすぎているので短パン+Tシャツ姿では寒く感じる。屋根はゲーム開催時以外は芝生養生のため基本的に開いていたが、それでもうまいこと芝生が育たず、2019年からまさかの人工芝に変更された(逆に人工芝も進化してきたという証か?)。ゲーム終了後にも屋根が開く時があるので、ゲームが終わってもすぐに席を立たず少し待ってみよう。開く時は前もってアナウンスが流れ、荘厳なBGMとともに屋根が音もなくおもむろに開き始める。開閉が完了すると"タラララッタラー"という突撃ラッパの音が鳴り響き、いいリアクションを暗に要求されるが、ここは拍手すらもせず常連ぶって平静を装うのがツウ。マヌケな顔をして口を開けて見てはいけない。
 マイナーリーグの球場で既に導入されていたアイディアをパクった名物のプールはライト側のブリーチャーにある。左右非対称なのはこのプールとレフト側3階席にあるキッズの遊び場くらいで、場内はきっちり左右対称になっている。フィールドは長方形の箱にハマるようにデザインされているのでやや平べったいような印象を受ける(ちょうどベーゴマのようなカタチで、もちろん外野のふくらみなんてのはなく、フェンスは全て直線で構成されている)。スタンドは中2階を挟んで3層から成っている。この限られた箱の中に約5万もの人を詰め込むため3階席は天井の近くギリギリまで座席が設置されており、コンコースから最上段まで登ると結構クタビレル。オープン以来"Bank One Ballpark"(略してBOB)と呼ばれてきたが、ネーミング・ライツを所有するバンク・ワン銀行がかのJPモルガン・チェイス銀行に吸収合併されたため2005年のシーズン途中から現在の名称に変更された。
行き方:ダウンタウンの南側、Jefferson St. 沿いにある。NBAサンズのホーム"US Airways Center"と同じ並び。
観戦したゲーム(11):
1998.08.25 Diamondbacks vs. Pirates
1998.08.26 Diamondbacks vs. Pirates
1998.08.27 Diamondbacks vs. Brewers
1998.08.28 Diamondbacks vs. Brewers
1999.10.01 Diamondbacks vs. Padres
1999.10.02 Diamondbacks vs. Padres
1999.10.03 Diamondbacks vs. Padres
1999.10.05 Diamondbacks vs. Mets (Division Series Game 1)
1999.10.06 Diamondbacks vs. Mets (Division Series Game 2)

2007.10.11 Diamondbacks vs. Rockies (National League Championship Game 1)
2007.10.12 Diamondbacks vs. Rockies (National League Championship Game 2)

ロサンジェルス・ドジャース
球場:ドジャー・スタジアム
所在地:カリフォルニア州ロサンジェルス
開場:1962年
収容人数:56,000人

photo by 球場巡礼

 チャベス・ラビーンと呼ばれていたメキシコ系移民のコミュニティを町ごとぶっこわして造られた広大なスタジアム。かつては「全米で最も美しい球場」と称えられた時代もあったが、今となってはMLBで3番目に古いオールド・スタジアムとなってしまった。特徴はノルタルジー感満載の横長の照明と、もはや珍しくなってしまった完全シンメトリーな造り。1塁側から見ても、3塁側から見ても全く同じように見える屋外の球場なんて今時もぉココ以外にはないのでは?それぞれ黄、オレンジ、青、赤に色分けされた4層のスタンドは圧倒的な迫力だが、よく見ればシートのペイントは色褪せており、おまけにイスの座り心地は固くて悪い。コンコースや階段なども薄暗くて、ちょっとうらぶれた感すらある。球場の顔ナンシー・ヘフリー女史のつま弾くこもり気味のオルガンの音色がさらに哀愁を誘い、夕暮れ時になるとカリフォルニヤ〜ンなゆるい空気が辺りをやさしく包み込む...。「昔からこの球場ってこんな感じやったんやろな〜」と知りもしない昔日に想像を巡らせ、ただデカいだけで味はたいした事のない名物ドジャードッグにかじりつく。人気球団にしてはチケット価格も良心的なので(前売りだとさらに安くなる!)、新球場などとは言わず、昔ながらの独特の雰囲気を保ちつつまだまだ現役でがんばって頂きたいものである。
 お勧めは地上10階ぐらいの高さになるトップ・デックでの観戦。チケットは安いし、眺めも抜群なのでかなり気持ちいい。ただしフィールドから遠すぎて打球の行方を追うのが困難ではあるが...。メインのチームストアもトップ・デックにある。ゲーム前にひやかしたい所だが、この時間帯は日本人のマヌケなツアー観光客がうじゃうじゃと蠢いている時があるのなるべくで避けた方がよい。
 ちなみにドジャースはブルックリンから移転してきた1958年から61年までの最初の4シーズンはロサンジェルス・オリンピックのメイン・スタジアムだった1932年オープンの"Los Angeles Memorial Coliseum"をホームにしていた。野球開催時のキャパはなんと10万人超で、2008年3月29日にはLA移転50周年を記念してレッド・ソックスとのオープン戦が行われた。
行き方:球場へ直接行くの公共の交通機関はないが、メトロ・バスの#2、4が近くを通る。
バスはダウンタウンのBroadwayを通りSunset Blvd. 経由でハリウッドへ行く。ダウンタウンから走る事約10〜15分、右手にSuper 8 Motelの看板が見えたらSunset Blvd. & Elysian Park Ave. の角なのでそこらへんで下車。この辺りにはすでにダフ屋が出ているし、案外バスで球場へ行くファンも多いので迷う事はない。そっからElysian Park Ave. のキツイ坂を登ると10分程でパーキングの入り口が見えてくる。リトル・トーキョーからなら歩いても40分ぐらい。ナイト・ゲーム終了後もバスは走っている。バスの運賃は$1.25。(07年09月現在)
観戦したゲーム(11):
1996.05.19 Dodgers vs. Phillies
1996.05.20 Dodgers vs. Mets
1996.05.21 Dodgers vs. Mets
1996.05.22 Dodgers vs. Mets・・・LAD先発ヒデオ・ノモ、6回8K3失点で負け投手に
1998.09.05 Dodgers vs. Giants
1998.09.06 Dodgers vs. Giants
2003.09.12 Dodgers vs. Padres
2003.09.13 Dodgers vs. Padres
2007.09.28 Dodgers vs. Giants
2007.09.29 Dodgers vs. Giants・・・LADタカシ・ サイトゥ、2回を無失点に抑え2勝目
2007.09.30 Dodgers vs. Giants