MLB アメリカ/カナダ以外の球場

London Stadium (London, England)
Estadio de Beisbol Monterrey (Monterrey, Nuevo Leon, Mexico)
Sydney Cricket Ground (Sydney, NSW, Australia)
Hiram Bithorn Stadium (San Juan, Puerto Rico)
Tokyo Dome (Tokyo, Japan)
 

ロンドン・スタジアム
所在地:ロンドン(イングランド)
開場:2012年
収容人数:60,000人

photo by 球場巡礼

・2019年6月に史上初めてプロフェッショナル・ベースボール・リーグのない国でMLBの公式戦が行われた。2試合ともレッドソックスのホームゲームだったがヤンキースはホーム用のピンストライプのジャージィを着用。
・スタジアムは2012年のロンドン五輪に合わせてオープンし開会式、閉会式および陸上競技の会場となった。五輪後に座席を8万から6万にダウンサイズし、ロンドン東部をナワバリとするプレミアリーグのウエストハム・ユナイテッドのホームとなった。
・サッカーのセンターラインを野球でもセンターラインとしたため外野のふくらみがなく、2試合でホームランが9本も飛び出すという打者天国仕様となった。
・座席はほとんどが屋根に覆われている。
・アクセスがストラトフォード駅の一択なので試合終了後の混雑がハンパない。
・2020年もカブス×カーディナルズの公式戦が2試合行われた。
行き方:地下鉄ストラトフォード駅から徒歩20分
観戦したゲーム(2):
2019.06.29 Red Sox vs. Yankees・・・NYYはマサヒロ・タナカが先発
2019.06.30 Red Sox vs. Yankees

エスタディオ・デ・ベイスボル・モンテレイ
所在地:ヌエボ・レオン州モンテレイ(メキシコ)
開場:1990年
収容人数:22,061人

photo by 球場巡礼

・メキシコ最大の野球場で普段はメキシカン・リーグの強豪スルタネス・デ・モンテレイの本拠地。なお、スルタネスは2019-20年シーズンからウインター・リーグ(リーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ)の方にも参戦することとなった。メキシコの2大リーグの両方に参加しているチームは現在のところこのスルタネスとハリスコ州グアダラハラをホームとしているチャロスの2チームだけ。
・1996年8月に初のMLB公式戦を開催(パドレス対メッツ3連戦)。これはMLBにとってアメリカ/カナダ以外の国で初めての公式戦となった。1999年4月にパドレス対ロッキーズの開幕戦1試合が行われて以降メキシコでの公式戦は長らく行われていなかったが2018年5月、実に19年振りにパドレス対ドジャース3連戦が行われた。その後2019年にも2カード(4試合)が行われた。
・2018年のMLB公式戦開催に向けて右中間のスコアボードを全面LEDの現代風なものにリニューアルし、外野スタンドの一部をくりぬいてアメリカ式のブルペンを設置するなどMLBに寄せた大改装が行われた。またフィールドは芝の部分をひっぺがし人工芝がインストールされた。
・2018年の"MLB Mexico Series"ではチケットはオンラインで発売されず球場窓口とモンテレイ市内のプレイガイドのみの取り扱いだった。チケットは当日でも球場の窓口で買うことができたが、球場周辺にはダフ屋も多く出張っていた。メキシコの物価を考えるとチケットは法外な値段だったためセカンドマーケットでは供給過多気味で相場は定価以下だった。
・スタンドは3層構造で外から見るとかなり大きく感じるが、実は1層あたりの列数が少ないので全体のキャパシティは意外と少ない。
・センターの後方に山頂がノコギリのように尖っている山が見える。モンテレイのシンボルでスルタネスのチームロゴにも取り入れられている。
・バッターズアイの上にはスルタネスがリーグ・チャンピオンになった年の大きな短冊状のタテ看板が並んでいる。
・内外野のウォール、球場の外観、座席は全てチームカラーのネイビーで統一されている。
・2階席、3階席へはグルグル巻きのスロープを使って上がっていく。コンコースはオープンではなく昔ながらのクローズド・タイプ。90年オープンの割には造りが古くさい。
・アッパーデックは野ざらしで屋根は一切ない。
行き方:モンテレイ市内を走る地下鉄1号線のNinos Heroes駅下車スグ。運賃は片道4.50ペソ。(2018年05月現在)
観戦したゲーム(3):
2018.05.04 Padres vs. Dodgers・・・LADが継投によるノーヒッター達成
2018.05.05 Padres vs. Dodgers・・・LAD先発のケンタ・マエダ、5回3失点で勝敗付かず
2018.05.06 Padres vs. Dodgers

シドニー・クリケット・グラウンド
所在地:ニュー・サウス・ウェールズ州シドニー(オーストラリア)
開場:1848年
収容人数:48,000人

photo by 球場巡礼

・シティの南東、Moore Park という大きな公園内にある円形スタジアム。主にクリケットで使用されるが、以前はサッカーやラグビーでも使用されていた。2014年3月に史上初めてオーストラリアでMLBの公式戦が開催された。
・公園内にはサッカーやラグビーの試合で使われる45,500人収容の"Allianz Stadium"も併設されている。
・Members' Stand と呼ばれている1塁側の時計台付ミドリ屋根のレトロな建物はなんと1878年に完成しており、驚くべき事に現在も使用されている。その次に古いのがMembers' Stand の奥、ライトポールの手前のもう一つのミドリ屋根の建物。こちらはLadies' Stand と呼ばれており1896年に完成している。その他のスタンドはすべて1980年代以降に順次増設されたもの。スタンドはそれぞれ造られた年により高さや構造がマチマチで、円形のスタジアムではあるがフィールドを取り囲むスタンドは統一性がなくツギハギだらけのトリッキーなものになっている。バックネット裏の3層のスタンドは2014年に完成した今のところ一番新しい建物。
・敷地内にはクリケットの英雄のスタチュがあちこちに建っている。
・LEDビジョン付のスコアボードは3塁側スタンドとスタンドの継ぎ目に設置されている。
行き方:ムーア・パークでイベントが行われる時はシドニーのセントラル・ステーションの東側、Chalmers St. からシャトルバスが運行される。所要時間約10分で往復のチケットがAS$6.00で販売される。歩いても30分もかからないが行きはひたすら上り坂になるのでおすすめしない。
観戦したゲーム(2):
2014.3.22 Diamondbacks vs. Dodgers
2014.3.23 Diamondbacks vs. Dodgers

エスタディオ・イラム・ビソーン
所在地:サン・ファン(プエルトリコ)
開場:1969年
収容人数:19,000人

photo by 球場巡礼

 プエルトリコのナショナル・スタジアムとでも言うべき存在で、2001年にはカリブ海諸国で初のMLB公式戦(ブルー・ジェイズ対レンジャーズの開幕戦1試合)が行われた。その後2003・20004年にはMLB機構の管轄下に置かれていたエクスポズ(現ナショナルズ)が「モントリオールでやるよりはマシだろう」と観客動員UPを目論んで公式戦行っている。球場名はプエルトリコ出身の初のメジャー・リーガー、イラム・ビソーン氏にちなむ(1940年代にカブスとホワイト・ソックスでプレイ)。
 ズバリ言ってしまうとMLBの球場と較べるのは惨めなくらいの設備。音響やスコアボード、イニング間の演出は圧倒的にショボく、そもそもオープンエアなのにフィールドが人工芝とはトホホにも程がある。そら選手もプレイすんのイヤがるわ…(*)。全体の構造は日本の地方球場に非常に良く似ている。グランドスタンドは1層で、ブリーチャーはライトとレフトにそれぞれ均等に設えてあり、フィールドもシンメトリー。コンコースはスタンド裏にあってお約束のように薄暗い。マイナーリーグと言うほど小規模でもないので、日本の地方球場レベルと言うのが一番ピッタリくるだろう。独特の無機質な感じもそっくり。特徴はギザギザの屋根と何故か内側に傾いている照明。時代遅れなデザインがラテン的な異国情緒を感じさせるではないか。
 7回表終了時には"Take Me Out To The Ballgame"のスペイン語サルサ・バージョンが流れ、「らしさ」が堪能できる。応援はサッカーでよく使われるホーン(ファァァァァ〜ンと鳴るアレです)が主流で、席の近くで吹かれると相当やかましい。エクスポズの試みはそれほど結果が出なかったのでMLB公式戦は長らく開催されなかったが、2010年6月にマーリンズが6年振りとなる公式戦(メッツとの3連戦)を行った。また2018年4月にもツインズがインディアンズを招いて8年振りとなる公式戦が行われた。
*2003年シーズン終了後、エクスポズの選手がプエルト・リコ遠征のせいで夏場以降ペナント・レースから脱落した、とクレームを付けた。その為2004年のプエルトリコでの試合は全てオールスター前の前半戦に集中して組まれた。
行き方:メジャーリーガーの名産地プエルトリコはカリブ海に浮かぶ小島。独立国家ではなくアメリカの自治州になっているので、実は旅行者にとってはアラスカやハワイと同じくらい気軽に行けてしまう(シカゴやNYから毎日直行便が飛んでいる)。通貨は無論USドルで郵便や電話なんかも本国と同じシステム。公用語はスペイン語のようだが、サン・ファンなどの観光地では確実に英語が通じる。球場のあるサン・ファンはプエルトリコの首都であり最大の町。ダウンタウンにはウォルグリーンズがあり、ウェンディーズがあり、ダンキン・ドーナッツがあり、風景はアメリカとさほど変わらない。
 球場はサン・ファンの南にあるプラサ・ラス・アメリカスというショッピング・モールと隣接しているので場所的にはわかりやすい。イスラ・ベルデ、コンダードなどのホテル地区からはまず車でないと行けない。実際問題としてタクシーを利用するのが現実的だと思うが、行きはシティ・バス、帰りのみタクシーという方法もある。オールド・サン・ファンのバスターミナルを出発してコンダードのホテル地区を経由、プラサ・ラス・アメリカスのパーキング入口まで行く#B21だとわずか25セントで行けてしまう。コンダードからの所要時間は約30分だが夕方の渋滞にハマってしまうと45〜60分はかかる。しかしナイトゲーム終了後は走っていないので帰りは必然的にタクシー利用になる。コンダードまで$20.00くらい見とけばOK。(2004年5月現在)

観戦したゲーム(3):
2004.5.19 Expos vs. Brewers
2004.5.20 Expos vs. Brewers・・・MON先発のT. オーカ、7回を4安打2失点に抑えるも勝敗つかず
2004.5.21 Expos vs. Giants


東京ドーム
所在地:東京都文京区(日本)
開場:1988年
収容人数:47,000人

photo by 球場巡礼

 MLBに遅れること23年、日本初の屋根付き球場は読売と日本ハムの本拠地として1988年にオープンした。MLBミネソタ・ツインズの旧ホームだった"Metrodome"と同じくドーム内の気圧を上げて屋根を持ち上げるタイプで、出入口は空気が漏れないように回転ドアになっている。通称「ビッグ・エッグ」。メトロドームと違うのはオープン・コンコースを採用している点。これのお陰で立ち見席でも案外いいアングルで観戦できる。完成した時は「全天候型多目的ドーム」という聞き慣れない言葉にフッと未来を感じたものだが、まさかコイツが野球観戦をここまで味気ないものに変えてしまうとは思いもしなかった...。その後の国内のドーム球場建設ラッシュは周知の通り。
 スタンドは基本的に2層に分かれおり、中2階はスイートになっている。2層目はネット裏が最も列数が多く、外野に行くに従って列数が減ってゆくタイプ。ポールを巻き込んで外野席の上まで客席が壁面にへばりついてるのは個人的にはかなりおもしろい構造だと思う。外野席のみ全てベンチシートで、1階のネット裏座席などはクッションが効いているお大尽仕様。シートは鮮やかなブルーで統一されており、見た目・座り心地ともに悪くはないが前後のピッチは結構狭い。開場当時、キャパは甲子園球場を意識してかその上を行く56,000人と発表されていたが、実際は詰めに詰め込んでも約47,000人くらいしか入らない。
 両翼100m、中堅122m。完成当時は国際基準を満たす日本唯一のフィールドだったが実は左中間・右中間のふくらみが全くなくほぼ直線になっているのでスタンドまでの距離は実質短い。今ではそれがバレてむしろホームランが出やすい球場として認識されている。空調が完備されているので空気が乾燥しているのもホームランが出やすい要因だろう。フィールドは全面人工芝。常打ちの読売以外では札幌に移転した日本ハムがセンカンド・ホームとして年に3カードほど主催試合を行う。また楽天やオリックス、ソフトバンクなどのパ・リーグ勢が公式戦を開催することもある。MLBは2000年にメッツとカブスを派遣して初の日本開幕戦を行い、その後2004年、2008年、2012年、2019年にも公式戦を行っている。他の北米4大スポーツではNBAの公式戦とNFLのプレシーズンも行われている。
行き方:JR総武線「水道橋」駅下車、徒歩5分。あるいは地下鉄・大江戸線「春日」駅、三田線「水道橋」駅、丸ノ内線&南北線「後楽園」駅からも徒歩スグ。とにかく最寄り駅が多く交通の便は格段に良い。
観戦したゲーム(4):
2000.03.29 Mets vs. Cubs
2000.03.30 Cubs vs. Mets
2004.03.30 Devil Rays vs. Yankees
2004.03.31 Devil Rays vs. Yankees