パイオニア・リーグ

Ogren Park at Allegiance Field (Missoula, MT)
Memorial Stadium (Boise, ID)
Lindquist Field (Ogden, UT)
 

ミズーラ・パドルヘッズ
球場:オーグレン・パーク・アット・アリージャンス・フィールド
所在地:モンタナ州ミズーラ
開場:2004年
収容人数:3,500人

Photo by 球場巡礼

・チームは1999年にカナダのアルバータ州レスブリッジから移転してきた。2019年までは"Missoula Osprey"と名乗っていたが2020年から現在のチーム名に改称した。
・最初の5シーズンは地域のスモール・スタジアムでプレイしていた。
・この球場は2004年にオープンしたがかなりの見切り発車で、当時はまだ芝生席やプレスボックスは完成していなかった。完全に完成したのは2007年になってから。
・フィールドは掘り下げ式のオープンコンコース。しかし外野には観戦スペースはなく、場内一周はできない。
・ライト側に鉄道が走っておりライトのポール際がえぐれている。レフトがポールまで94mあるのに対して、ライトはたった87mしかなく、それを補うためライトのフェンスは高さが最大8.2mもある。
・川沿いのトレイル(遊歩道)からタダ見ができる。チェアを持ち込んで優雅に寝そべりながらタダ見を決め込むヤカラが右中間に多数出没する。
・センターにオスプレイのつがいが営巣していて球場周辺をよく飛び回っている。旧ロゴマークに描かれているように横の川で魚を捕ることもあるらしい。
・場内アナウンサーが「ピー」と言うとファンがすかさず「ナッツ」と返すのがお約束になっている。「ピー、ピー、ピー!」と言うと「ナッツ、ナッツ、ナッツ!」と返す、スポンサーがらみのお遊び。
行き方:ミズーラは州内で2番目に大きな町。ロッキー・マウンテンの山々に囲まれたスモール・シティだがダウンタウンにモンタナ大学のキャンパスがあるのでそれなりに賑わっている。球場はダウンタウンを東西に流れるClark Fork River の南岸。バスターミナルから歩いて行ける。
観戦したゲーム(1):
2012.06.27 Rookie-Advanced Pioneer League : Missoula Osprey vs. Helena Brewers

ボイジー・ホークス
球場:メモリアル・スタジアム
所在地:アイダホ州ボイジー
開場:1989年
収容人数:3,500人

Photo by 球場巡礼

・ボイジー川の川岸に広がるステイト・フェアグラウンドの一画にあり競馬場が隣接している。フィールドの周りにスタンドをトントントンと3つ置いただけぼシンプルな造り。
・周辺はガラーンとしているが球場の横の道路は結構大きなストリートでコンビニやファストフード、レストランなんかが並ぶ。ホテルもあればいいのだが、徒歩圏内には見あたらなかった。
・チームは1987年にワシントン州のワラワラ(居酒屋ではない)から移転してきた。ボイジーでは1975、76、78年にもノースウエスト・リーグのチームがプレイしていたがいずれもボラ−高校の球場を間借りしていたためあまり客足が伸びず短命に終わっていた。ホークスも最初の2シーズンはボラ−高校の球場を使っていたが3年目のシーズンにこの球場に移ってきた。なお、75~76年のチームはアスレティックスの傘下に入っており、76年には当時高校を出たてのルーキーだったリッキー・ヘンダーソンがプレイしていたとのこと。
・2020年のオフに断行されたマイナーリーグ改編当時はホークスはショートシーズンAノースウエスト・リーグに所属していたがMLBから契約を切られてしまい2021年からこのリーグに移ってきた。
・3塁側スタンドが日陰になり、1塁側が日向になるので1塁側の方がチケットが安い。
・外野はフェンス1枚で外界と区切られており、外野に観戦できるスペースはない。
・外野のベースライン沿いには3塁側にビアガーデンのようなグループ用のエリア、1塁側にキッズの遊び場がある。
・チームストアはトラックを改造したもので対面販売。商品を手にとって見れないのであまり買う気にはなれない。
・スコアボードは文字のみで映像はなし。照明の柱は木。現代のスタンダードから考えると「ほんまはもっと古い球場なんじゃないの?」と疑いたくなるくらい古さを感じる球場である。
行き方:球場は厳密に言うとボイジー市内ではなく、ボイジーに隣接するガーデン・シティという町にある。当然、ボイジーのダウンタウンからかなり離れており、クルマ以外での球場へのアクセスは事実上バスしかない。平日はValley Rideの#10バスで球場の前まで、土曜日は#9のバスでState St. & Glenwood Ave. まで行けるがどちらもナイトゲーム終了後にダウンタウンへ戻るバスはない。ダウンタウンまで歩くと2時間くらいかかる。日曜日はバスがどれも運休するのでタクシーで往復するしかない。ダウンタウンから片道$15で約15分(ABC Taxi)。
観戦したゲーム(2):
2012.06.23 SS-A Northwest League : Boise Hawks vs. Eugene Emeralds
2012.06.24 SS-A Northwest League : Boise Hawks vs. Eugene Emeralds

オグデン・ラプターズ
球場:リンドクイスト・フィールド
所在地:ユタ州オグデン
開場:1997年
収容人数:5,000人

photo by 球場巡礼

 数々のメディアでベスト・ボールパーク賞を度々受賞しているのでそのスジの人たちにはよく知られた球場である。ラプターズがオグデンにやって来たのは1994年だが、最初の3シーズンはこの球場ではなく、"Serge Simmons Field"というアルミの仮設スタンドが2つあるだけの、即席で造られた簡素な球場でプレイしていた。パイオニア・リーグのホームゲームは38試合だけなので、まぁ、草野球場でも仮のホームだと思えばガマンできないこともない。しかし、97年に完成したこのスタジアムは、逆に、たった38試合しか開催できないとはもったいないにもホドがある、と誰もが思うような、掛け値なしに素晴らしい、アメリカ球界を代表するmust-see-ballpark の一つであると言えるだろう。
 まず手始めに、形状がいびつである。ダウンタウンの区画にネジ込んであるのでゆとりがなく、特に1塁側スタンドと右中間の外野の変形っぷりが目を惹く。3塁側スタンドはポール際までキッチリと造られているのに対して1塁側のスタンドはダグアウトまでしかない。そっから向こうは外の通りとの兼ね合いで急激に狭くなり、窮屈なアルミの仮設スタンドや猫の額のような狭いラワン(芝生席)があるだけで尻つぼみになっている。外野は右中間の向こうに大きな建物があるため、それを避けるようにフェンスがフィールド側にメリ込むというトリッキーな形状になっている。ドラフトされたばかりの若手外野手はこの球場でいきなり変形球場の洗礼を受けるわけだ。コンコースはスタンド裏にある古いタイプだが3塁側に限りスタンド最上段に通路が設けてある。その通路をポールまで行くと外野側は大人のお楽しみスペース。ウォールの上にオープンエアのバーがあり、フェンスにもたれかかってビール片手に観戦できるという寸法。ありがたいコトにフェンスには折りたたみ式のちっこいテーブルまで設えてある。外観はネオ・クラシックの王道。ノスタルジックな町並みにマッチした薄めのレンガとムキ出しになった鉄骨にレトロな屋根。エントランスには鉄骨を組み合わせたボールパーク・サインと一際目立つクロック・タワー。スケール的には小ぶりだが、小さいなりに存在感は十分ある。
 スタンドからの眺めは最高。ソルト・レイク・シティよりもっと間近に山がそびえており、西日が山に当たってオレンジ色に輝く様は思わず息をのむ光景だ。洗練されたレトロなルックスと、この迫力ある景観がこの球場に数々の賞をもたらしたのは間違いない。敢えて改善してほしい点を言うなら、チームストアが対面式でゆっくり見られないのと、バックネットが広範囲に渡っていて目障りなこと。それ以外は自信を持ってお薦めできる、珠玉のボールパークである。
行き方:オグデンはソルト・レイク・シティの北にあるスモール・シティ。ダウンタウンは小規模ながらも開拓時代の雰囲気を残すレトロな町並みを売りにしており、SLCからクルマや鉄道を使って日帰りでアクセスできる隠れ家的な場所。
 SLCからオグデンへはUTAが運行している"FrontRunnner"と呼ばれる近郊列車で約1時間。グレイハウンンド・バス、ライトレールのターミナルも兼ねているSLCの"Central Station"から乗って、終点のいっこ手前のオグデンで降りれば球場まで東へ1ブロック、徒歩3分。SLCへの最終は23:10発なのでナイトゲーム終了後でも十分帰れる。ただしFrontRunnerは通勤列車なので日曜日は運休となる。往復$11.00、片道$6.00。(09年6月現在)
オグデンの鉄道駅はグレハンのディーポと隣接しているのでグレハンでもアクセスできるが、鉄道の方が便利で確実。
観戦したゲーム(1):
2009.06.24 Rookie-Advanced Pioneer League : Ogden Raptors vs. Orem Owlz・・・オレムの先発マスクは角一晃。