アメリカン・アソシエイション

Impact Field (Rosemont, IL)
Newman Outdoor Field (Fargo, ND)
Shaw Park (Winnipeg, MB)
Sioux Falls Stadium (Sioux Falls, SD)
U. S. Steel Yard (Gary, IN)
Northwestern Medicine Field (Geneva, IL)
Haymarket Park (Lincoln, NE)
 

シカゴ・ドッグズ
球場:インパクト・フィールド
所在地:イリノイ州ローズモント
開場:2018年
収容人数:6,300人

photo by 球場巡礼

・シカゴの郊外、オヘア国際空港のすぐ東側に新設された現代風な球場。周囲にパーキング・スペースがあまりなく球場では珍しい立体駐車場を備えている。
・左中間にあるスコアボードはなんと両面仕様になっており、球場のすぐ東側を通るハイウェイを走るクルマから裏面が見えるようになっている。
・黒・赤・チョコブラウンを使った斬新な外観でレトロさは一切ない。
・オープンコンコースを採用しており、特に内野の通路は立ち飲みしながらおしゃべりするおとっつぁんの需要を見込んでかなり幅広に造られている。
・芝生席はないがライト側には数列のブリーチャーが用意されている。
・"Squeeze"という黄色いマスコットはマスタードの容器のカタチになっている(頭に吹き出し口がある)。
・オヘア空港に発着する飛行機がすぐそばを飛んでおり、かなり大きく見える。
・AHLに所属しているアイスホッケーのプロチーム"Chicago Wolves"もローズモント市内のアリーナでプレイしている。

行き方:ゲームのある日は地下鉄ブルー・ラインのRosemont駅からフリーシャトルが球場まで運行されている。改札を出るとバスターミナルになっており、改札から一番近い乗り場から発着している。運行頻度は15分に1本くらい。試合開始の1時間前からナイトゲーム終了後まで運行されている。シャトルバスは球場行きの便と映画館・アウトレットモール行きの便の2種類があるので注意。シカゴ近郊をカバーしているPace Busが運行している。球場の徒歩圏内にホテルもある。

観戦したゲーム(1):
2019.06.14 Chicago Dogs vs. Fargo-Moorhead RedHawks

ファーゴ-ムーアヘッド・レッドホークス
球場:ニューマン・アウトドア・フィールド
所在地:ノース・ダコタ州ファーゴ
開場:1996年
収容人数:4,513人

photo by 球場巡礼

 州を跨いでいるが実質的に一つの町であるノース・ダコタ州ファーゴとミネソタ州ムーアヘッドの両市では20世紀初頭からマイナーの球団が活動していた。その中でも有名なのは旧ノーザン・リーグに所属し、1933年〜1960年まで存在していた"Fargo-Moorhead Twins"だろう。1953年にはファーゴ育ちのロジャー・マリスが地元でプロ野球選手としてのデビューを飾り、その年のリーグ新人王に輝いている。なお、チーム名は"Twins"となっているが、当時はMLBにツインズはまだ存在していなかったのでツインズ傘下というコトではない。1960年にツインズが活動を停止して以来ファーゴはマイナーリーグ空白地帯となっていたが、1996年に現在のチームが立ち上げられ、36年振りに町に球音が戻ってきた。チームは発足から2010年までノーザン・リーグに所属していたが、2010年からアメリカン・アソシエイションに移籍している。現在のところノース・ダコタ州唯一のプロフェッショナル・ベースボール・チームである。
 球場はノース・ダコタ州立大学のキャンパス内にあり、大学のベースボール・チーム"Bison"と共有している。大学の球場だからと言っても人工芝だったり、スタンドの裏側が外から丸見えだったりするようなチープな造りではなく、レンガ造りのクラシックな外観にガラス張りのスイート、趣向を凝らしたコンセッション(売店)、球場に来るけど野球は見ない人たち用のスペースの設置など、同年代にできたマイナーリーグ用の新球場と比べても何ら遜色はない。グランドスタンドはダグアウトまでで、そっから先は基礎部分のない簡易スタンド。外野に観戦スペースはなく、行き来もできない。外野と外界とはフェンス1枚で隔てられているのみ。ライト・ポールのあたりがキッズの遊び場、レフトの外野側が大人たちの遊び場になっており、テーブル席やバーなどが設えてある。レフト側は売店が充実していて、中でも一番人気は「ファーゴで一番ウマいハンバーガー」との評判が高いレストラン"Hi-Ho"が出している売店。他の売店と違ってコイツだけは独立した店舗での営業が許されており明らかに特別待遇を受けている。あらくて見にくいビジョンを備えたスコアボードは左中間にあり、得点はイニング終了ごとに係員が得点板をボードにひっかけるマニュアル式。こおゆう小ネタ的発想にアメリカ野球のフトコロの深さを感じてしまう。右中間には前述のロジャー・マリスが当時背負っていた背番号8が永久欠番として掲げてある。1961年にルースのシーズン最多HR記録を破りながら公式記録としては認められず失意のまま引退→死去したマリスだが、ファーゴ市内にはマリスのミュージアムもあり、地元ではホームタウン・ヒーローとして今も尊敬を集めている。

行き方:ファーゴはノース・ダコタ州の東端に位置する州内最大の町。州境であるレッド川の東側、つまりミネソタ州側の隣町ムーアヘッドとは地続きになっており両市はツイン・シティを形成している。ちなみにファーゴという町の名前はアメリカの4大メガバンクの一つ、ウエルズ・ファーゴ銀行の創設者ウィリアム・ファーゴ氏にちなんで名付けられた。
 球場はダウンタウンの北西に位置するノースダコタ州立大学(North Dakota State University)のキャンパス内にある。グレイハウンド・バスのターミナルの隣がツイン・シティをカバーしているシティ・バスのターミナルになっており、そこから発着する#33や#13A, #13Bなどのバスで大学まで行くことができる。バスは日祝は運行していないので、その場合は徒歩でのアクセスになるが歩いても45分ほど。ターミナルを出てNP Ave. を西へ。University Dr. まで来たらそいつをひたすら北へ。12th Ave. あたりから大学のキャンパスになる。そのままUniversity Dr. を15th Ave. まで上がると左側(西側)に大きな駐車場が見える。

観戦したゲーム(1):
2009.07.04 Northerm League : Fargo-Moorhead RedHawks vs. Joliet JackHammers

ウィニペグ・ゴールドアイズ
球場:ショウ・パーク
所在地:マニトバ州ウィニペグ(カナダ)
開場:1999年
収容人数:7,461人

photo by 球場巡礼

 あまり知られていないがウィニペグはカナダではトロントに次ぐ第2のベースボール・シティであり、ゴールドアイズは独立リーグ全球団の中で1試合あたりの観客数が最も多い人気チームである。現在のゴールドアイズはリーグ立ち上げの翌年(1994年)に誕生した新しいチームだが、ウィニペグには20世紀初頭からマイナーリーグのチームが存在しており、1950年代には既にゴールドアイズを名乗るチームがあった。ちなみに「ゴールドアイ」とは北アメリカに生息する淡水魚で書いて字のごとく「金色の目」をしたお魚さん。ウィニペグ近郊の川でよく獲れるとのコト。もちろんチームロゴもバットを持ったゴールドアイがモティーフになっている。
 チームは創設から1998年までの5シーズンをカナディアン・フットボール・リーグの"Winnipeg Blue Bombers"が本拠地としている"Winnipeg Stadium"で過ごし、晴れて1999年から新設された野球専用スタジアムに移った。ウィニペグ・スタジアムでは1試合で最高22,081人ものファンを集めたこともある実力者なので、新球場もイス席だけで約7,500人を収容できる独立リーグとしては規格外の大箱となった。造りは基本シンメトリーで極めてオーソドックス。外観はサンドストーンとブラウンの煉瓦を用いたレトロなツートーン装飾、場内のインテリアおよび座席、鉄骨は伝統のフォレストグリーンで統一。スタンドはポールからポールまでのフィールドレベルのみで外野に観戦スペースはない。ガラス張りの2階席は全てスイートルーム。なめらかなカーブを描く外野フェンスの向こうはストリートになっており、その向こうにはレッド川が流れている。ダウンタウンの高層ビル群はスタンドのちょうど真裏にあるので座席からは望むことができない。スタンドは全て一人掛けのハネ上げイスで埋められているが、1塁側のポール際、レストランのパティオの下に少しだけ芝生席が用意されている。ここは普段はチケットを販売していないが、ソールドアウトになった時だけ特別に販売するとのコト。もちろん普段の試合でも出入りは自由。コンコースもポールからポールまでで、外野への行き来は一切できない。外野にもコンコースがあってブラブラできるスペースがあればいいのだが、まぁ、フィールドレベルだけでこんだけのキャパがあれば必要ないですかな。
 ここの球場のUsher(場内係員)は非常にレベルが高く、お客さんへの配慮がとても行き届いているので感心した。コンコースから座席へ戻ろうとすると、プレイが途切れるまで通路の入り口のところで止められるのだ。MLBなら当然だが、このレベルのリーグで各通路ごとに係員を配置するには結構なコストがかかると思うのだが、おかげですごく気持ちよく観戦することができた。こうゆうホスピタリティに人気の秘密を垣間見たような気がした。ウィニペグは内陸部なので真夏でも日が沈むと相当冷え込む。観戦の際はパーカーなどの防寒着をお忘れ無きよう。

行き方:マニトバ州最大の町にして州都でもあるウィニペグは東西に伸びるアメリカ・カナダの国境線のほぼ中央に位置し、カナダ国内でも7番目に大きなビッグ・シティ。4大スポーツでは唯一NHLジェッツがフランチャイズを置いている(現在の"Winnipeg Jets"は2011年にアトランタから移転してきた2代目)。
 球場はダウンタウンの東端、レッド川沿いの西岸にある。このあたりはレッド川とアシニボイン川が合流するエリアで地元では"The Forks"と呼ばれており広大な公園になっている。ダウンタウン内を循環している無料のバスが球場のすぐ近くを通るが、ダウンタウンからPortage Ave. をレッド川の方(東)へ歩けば簡単に見つけられる。

観戦したゲーム(2):
2009.06.30 Northerm League : Winnipeg Goldeyes vs. Schaumburg Flyers
2009.07.01 Northerm League : Winnipeg Goldeyes vs. Schaumburg Flyers

スー・フォールズ・キャナリーズ
球場:スー・フォールズ・スタジアム
所在地:サウス・ダコタ州スー・フォールズ
開場:1964年
収容人数:4,500人

photo by 球場巡礼

 キャナリーズ(カナリアのことですな)は戦前からスー・フォールズのマイナーチームが名乗っていた伝統ある名前のひとつで、1971年にいったん活動を休止したが1993年にノーザン・リーグのオリジナル・メンバーとして23年振りに復活した。その後キャナリーズは2005年限りでノーザン・リーグを離脱し、翌年からは新しく組織されたアメリカン・アソシエイションに所属している。現在のところサウス・ダコタ州唯一のプロフェッショナル・ベースボール・チームである。
 球場は通称"Birdcage=鳥かご"と呼ばれており、メインゲートには"Welcome to the Birdcage"という看板がデカデカと掲げてある。郊外のスポーツ・コンプレックス内にあり、敷地内には7,000席のアリーナやフットボール・スタジアムの他、シェラトンホテルなどが併設されている。ネーミング・ライツ全盛の現代においてなんのヒネリもないプレーンな名前はむしろ新鮮に感じる。1964年に開場し、1966~71年には旧ノーザン・リーグの"Sioux Falls Packers"のホームとして使用された。スタンド裏の構造などが時代を感じさせるが、2000年に大規模なリノベイションが施されているのでただ古臭いだけのスタジアムではない。グランドスタンドは3塁側がダグアウトまでしかないが、1塁側は外野の中程まで伸びている。屋根はない。通路を挟んで座席のグレードが分かれており、前列のフィールド・ボックスは新し目のゆったりとしたハネ上げシートになっている(後列は背もたれ付きのベンチシート)。バックネット裏から1塁側にかけてそびえるガラス張りのモダンなスイートや1塁側アウトフィールドのブリーチャー、3塁側の芝生席などは2000年の大改装の際に新設されたもの。3塁側の芝生席はフィールドから1.5mくらい上にあり、盛り土の部分はレンガでコーティングされている。それが内野フェンスになってるワケで、ファウルボールを追ってもしフェンスに激突しようものなら惨劇なことになりそうでおとろしい...。この芝生席とスタンドの境目あたりに白い屋根の東屋がある。ここでは手打ち蕎麦の実演のようなスタイルで、ゲーム中ずっとオヤヂがゴキゲンなオルガン生演奏を披露してくれる。セブンス・イニング・ストレッチではオヤヂのヴォーカル付きでフルコーラスの"Take Me Out To The Ballgame"が奏でられる。この曲をフルコーラスで聞ける機会なんてなかなかないので有難い。外野には座席はないが、ポール際にはグループがワイワイできるパーティ・エリアが用意されている。
 新球場のような華やかさはないが大々的なアップグレードのおかげで築40年以上の割にはあまり古さを感じさせず、また、球場周りや場内はメンテが行き届いていて清潔感にあふれている。コンクリが黒ずみ、ひび割れの修復跡がそのまま残されているブサイクな日本の地方球場とは雲泥の差である。スモール・シティのオールド・スタジアムではあるが毎シーズン適度に安定した動員をマークしているのも納得できる。

行き方:スー・フォールズはサウス・ダコタ州最大の町で州の東端にあり、ミネソタ州との州境もスグ近く。球場はダウンタウンのかなり北にあるが、グレイハウンド・バスのターミナルからはわずか南へ1ブロックなのでバス旅行者にとっては特Aクラスのアクセス環境。また空港からもタクシーで10分くらいしかかからない。バス・ディーポ周辺のRussell St. 沿いにはモーテルが点在している。

観戦したゲーム(2):
2009.06.27 Sioux Falls Canaries vs. El Paso Diablos
2009.06.28 Sioux Falls Canaries vs. El Paso Diablos

ゲイリー・サウスショア・レイルキャッツ
球場:USスティール・ヤード
所在地:インディアナ州ゲイリー
開場:2003年
収容人数:6,139人

photo by 球場巡礼

 独立リーグのエクスパンション・チームを誘致する為に建設された新球場。本来は2002年にオープンする予定だったが工事が遅れてしまい、既に結成されていた新チームは記念すべきファースト・シーズンを全試合ロードで転戦するハメになってしまった。ネーミング・スポンサーは地元の大手鉄鋼会社。チーム名の「サウスショア」とはミシガン湖の南湖岸一帯を意味する。赤レンガ造りの外観、オープン・コンコース、充実したスイートルーム、外野を一周できる構造など、90年代末から急速に広まった様式を踏襲した典型的な独立リーグ/シングルAクラスのスタジアム。非常に良く出来てはいるが、「ここでしか見られない」という特徴もなし。とことんオーソドックスな造りを追求した球場と言える。
 この球場の特徴は内野スタンドの端から端まで全てがイス席になっている事(ただしレフトのポール際のみテーブル席になっている)。これくらいのクラスの球場だと概ねイス席は内野辺りまでで、そっから向こうの外野側は芝生席になっているのが一般的なパターン。しかも座席は全てセパレート・タイプの跳ね上げイスときている。案外お金をかけてしっかり造ってあるので驚かされる。外野のレフト〜センター間のすぐ後ろはストリートになっているので観戦スペースはなくコンコースが通っているだけ。その為フェンスはライト側と較べると相当高くなっている。逆にライト〜センター間には、これまた一人掛けのイス席ブリーチャーとマイナー・リーグ観戦の基本である芝生席が用意されている。ダウンタウンの区画の中に収まっているがレフト〜センター間以外は全体的にスペースがたっぷりと取られており、様々な観戦スタイルが選べてしまう。メイン・エントランスを入ってすぐのところにあるチームストアは広くての品揃えも良い。特にTシャツの種類は豊富。内野コンコースにはかつてノーザン・リーグでプレイしたMLB選手のパネルが誇らしげに飾ってある。
行き方:ゲイリーはミシガン湖岸に広がるインディアナ州北東端に位置する工業都市。マイケル率いるジャクソン・ファミリーの出身地、また全米で最も危険な町Best10の常連としても有名。住民の85%がアフリカ系と言われている。
 ゲイリーへはシカゴからNICTD (Northern Indiana Commuter Transportation District) が運行している近郊列車South Shore Line でアクセスできる。ダウンタウンのMillennium Station at Randolph St. (Randolph St. & Michigan Ave. の地下)が始発駅になっており、そこから約1時間でGary Metro Center 駅に到着。駅から球場の照明が見えるはずなので、それを目指して4th Ave. を線路に沿って歩けばOK(徒歩約5分)。球場までの道中はわずかなキョリだがゲイリーの町の雰囲気を感じることができるはず。シカゴへ戻る最終列車は平日が21:11、土日祝は1時間遅い22:04となっている。運賃は往復で$10.60、週末は$9.00にディスカウントされる。グレイハウンド・バスもGary Metro Center 駅に発着する。球場や駅の周りには時間を潰せるような場所は皆無なのでアテにしない方が良い。幸運を祈る!(05年7月現在)
観戦したゲーム(1):
2005.07.24 Northerm League : Gary Southshore RailCats vs. Lincoln Saltdogs

ケイン・カウンティ・クーガーズ
球場:ノースウエスタン・メディシン・フィールド

所在地:イリノイ州ジェネヴァ
開場:1991年
収容人数:10,923人

photo by 球場巡礼

 シカゴ近郊にある典型的なシングルAサイズのスタジアム。あのHOK(現ポピュラス)がごく初期の頃にデザインを手がけた作品ではあるが残念ながら全てにおいて特に見るべきモノはない。しかし何故か人気は絶大で常に毎年1試合平均7,500人前後を集めマイナー全体の中でもトップクラスをキープしている。一応90年代に入ってからオープンしているのでオープン・コンコースを採用している。なだらかな丘の斜面を掘り下げて造られているのでスタジアムには「外観」と呼べるような建屋はなく、全体的にのっぺりとした平べったい構造になっている。スタンドは外野側の途中までしかなく下段は赤にペイントされた一人掛け、上段は背もたれ付きのシルバーのベンチシート。ポール際周辺は芝生席になっているが、これだけではどう考えても7,400人は収容できない。秘密は外野席にあった。外野席は全て一般のファンお断りのグループ専用パーティ・ゾーンになっており、その奥にはその気になればいくらでも収容できそうな広大なピクニック・エリアが控えている。この球場は個人客よりもグループ客をいくつも誘致し、彼らを野球以外で楽しませる事によって動員を伸ばしているのだ。実際、場内でかかる音楽や頻繁に行われるイニング間のプロモーションは徹底的に子供をターゲットにした演出ばかりでファミリー層にかなりウケていた。だが、純粋なベースボール・ファンには騒がしすぎて決して「居心地の良い空間」というわけではない。また人が多い割にはコンコースが狭くて非常に行き来しにくいのにはマイった。
 2020年のオフに断行されたマイナーリーグの再編でクーガーズはMLBが定めた設備のクオリティに達していなかったため120チームの中に残ることができなかった。というわけで2021年からアメリカン・アソシエイションに所属を変えて活動を続けている。

行き方:チーム名のケイン・カウンティとは球場のあるジェネヴァ市など付近一帯を統括している郡(County)の名称。ジェネヴァはシカゴの西にあるベッドタウンで如何にもリタイアした白人が好んで住みそうなノンビリとしたスモールタウン。
 そのジェネヴァへはシカゴのダウンタウンからMETRAと呼ばれる近郊列車でアクセスできる。ユニオン・ステーションのすぐ北にあるOglivie Transportation Centerから出ているUnion Pacific West Lineで約70分、その名もズバリGeneva駅が球場への最寄り駅となる。駅から球場の近くまではPace Busの#801で行く事ができるが、このバスは一定方向にしか走っていない循環ルートのためすごく時間がかかってしまい現実的ではない。歩く場合は約1時間見ておけばOK。まず駅前の3rd St. を北へ行きState St. まで出たら右折(東へ)。駅前の3rd St. はダウンタウンの目抜き通りになっており、上品なブティックやカフェ、レストランが並んでいる。交通量の多いState St. をひたすら東へ進むとだんだん歩道がなくなってくるが、その辺りまで来るとKirk Rd. にブチ当たる。そいつを右折(南へ)して歩道のない高架道路(METRAの線路を跨ぐ)を死にそうになりながら渡りきると右手に球場が見えてくる。道は簡単だが危険度は相当高いのでシロートにはオススメしない。シカゴへの最終列車は平日・土日祝ともに22:37。運賃は往復で$10.30だが土日は全線$5.00均一になる。METRAはシカゴから各方面に何本かラインが出ているがそれぞれのラインは始発駅が異なるので注意。(06年03月現在)
観戦したゲーム(1):
2005.07.19 A Midwest League : Kane County Cougars vs. Wisconsin Timber Rattlers

リンカーン・ソルトドッグズ
球場:ヘイマーケット・パーク
所在地:ネブラスカ州リンカーン
開場:2001年
収容人数:4,500人

photo by 球場巡礼

 独立リーグのチームが大学野球の強豪ネブラスカ大学コーンハスカーズとシェアさせてもらう、という条件で建設された小振りだがしっかりお金をかけて丁寧に造られた球場。球場へ歩いて行くには線路をまたぐ専用の連絡橋を通って行く構造になっており、意図したモノかどうかは別として、ファンにわざわざ橋を渡らせるという仕掛けがなんとなく気分を高揚させる。球場はヘイマーケット・ディストリクトと呼ばれる昔の町並みを残すエリアの一角にあり、当然球場の装飾も赤レンガやフォレスト・グリーンの鉄骨を多用したバリバリのネオ・クラシック調。この球場の特徴は、このレベルにしては珍しくグランドスタンドの2階席がしっかり造ってある事。だいたいこれくらいの規模の球場だとアッパー・デックはスイート契約者以外進入する事まかりならん、というのがお約束のパターンだがここは2階席の3分の2くらいが一般にも開放されており、希望とあらば上からの観戦も楽しめる。また2階部分は西日を遮るツイタテも兼ねているので普通より高く造ってある。バックネット裏の壁に描かれた"Haymarket Park Welcomes You"のペイントが鮮やかで目立つ。
 グランドスタンドは両サイドとも内野までしかなく、その向こうから外野席まで全面ラ芝生席になっている。センターにはバックスクリーンの代わりに木の植え込みがあり、芝生席と相まってスゴクのどかな雰囲気をつくり出している。無粋な黒板のようなバックスクリーンを無造作にドンと設置するのではなく、こおゆう細かい演出ができるのはいい球場の証だと言える。芝生席は広くて開放的、スタンドは見た目もさることながら実際の居心地も良く、特にケチのつけようのない素晴らしい球場だ。スタンドからはスカスカのネブラスカの空と異様にでかいネブラスカ大学のフットボール場"Memorial Stadium"が見える。このスタジアム、73,000人以上収容できるのだがこの町の一体どこにそんな多くのヒトが住んでいるのか?
行き方:ネブラスカ州の州都リンカーンは州内第2の都市。町の名前は暗殺された大統領エイブラハム・リンカーンにちなむ。オマハからハイウェイ80号線を西へ2時間くらいのキョリで、ダウンタウン内にはネブラスカ大学のキャンパスがある。
 球場はダウンタウンの西側、鉄道の線路沿いに広がる"Historic Haymarket District"の北に位置する。前述した通り、球場へ行くには鉄道の線路を跨いでいる連絡橋だけが唯一の道となる。連絡橋はフリーウェイ180号線の2本西側を通る8th St. と繋がっているので、ヘイマーケット・ディストリクト近くの中央郵便局の脇を抜けて北へ歩くと橋のたもとに出る。建物はすぐそこに見えるのになかなかたどり着けない、まるで蜃気楼のような球場だ。
観戦したゲーム(1):
2005.06.11 Northerm League : Lincoln Saltdogs vs. Kansas City T-Bones