Western Hockey League
SaskTel Centre (Saskatoon, SK)
Pacific Coliseum (Vancouver, BC)
 
Ontario Hockey League
Powerade Centre (Brampton, ON)
St. Michael's College School Arena (Toronto, ON)
Hershey Centre (Mississauga, ON)
Oshawa Civic Auditorium (Oshawa, ON)
TD Place Arena (Ottawa, ON)
FirstOntario Centre (Hamilton, ON, Canada)
 
Quebec Major Junior Hockey League
Robert-Guertin Centre (Gatineau, QC)
Scotiabank Centre (Halifax, NS)
Eastlink Centre (Charlottetown, PE)
Colisee Pepsi (Quebec City, QC)
Moncton Coliseum (Moncton, NB)
 

サスクテル・センター
ホーム:サスカトゥーン・ブレイズ (WHL)
所在地:サスカチュワン州サスカトゥーン
開場:1988年
収容人数:15,100人

・ダウンタウンのアリーナが老朽化し、かわりに郊外に建設されたかなり大きなアリーナ。ハイウェイでアクセスすることを念頭に建設された。
・元々は一層の中規模のアリーナだったが1990年12月にIIHF世界ジュニア選手権開催のために2階席を増設し、さらに2009年にも同じくIIHF世界ジュニア選手権開催のために座席を増設し現在のキャパシティとなった。
・2010年代にいくつかNHLのエキシビション・ゲーム(プレシーズン・ゲーム)が行われている。
・アリーナの近くにホテルあり。
行き方:北の町外れ。空港の北。ゲームやイベントのある日はダウンタウンのバスターミナルから直通シャトルバスが運行される。試合終了後もダウンタウンへ戻るバスが運行される。ハイウェイをぶっ飛ばすので所要時間は20分もかからない。
観戦したゲーム(1):
2019.10.25 WHL Saskatoon Blades vs. Winnipeg Ice

パシフィック・コロシアム
ホーム:ヴァンクーヴァー・ジャイアンツ (WHL:2001-2016)
所在地:ブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーヴァー
開場:1968年
収容人数:16,281人

photo by 球場巡礼

・NHLカナックスが1995年までホームとして使用。現在のテナントであるジャイアンツは誕生した2001-02年シーズンから2015-16年シーズンまで使用。
・2010年の冬季オリンピックではフィギュア・スケートの会場として使用された。
行き方:ダウンタウンの西。
観戦したゲーム(1):
2013.03.15 WHL Vancouver Giants vs. Kelowna Rockets

パワーエイド・センター
ホーム:ブランプトン・バタリオン (OHL:1998-2013)
所在地:オンタリオ州ブランプトン
開場:1998年
収容人数:4,980人

photo by 球場巡礼

 バタリオンはライバルのミササガと同じく1998年のリーグ・エクスパンションで新たにOHLに参加した新興チーム。アリーナもバタリオンの誕生と共にオープンした。2005-06年シーズンが始まるまでは"Brampton Centre"と呼ばれていたが、スポーツドリンクのメーカーがネーミング・スポンサーとなり現在の名称に変更された。
 外観は倉庫か工場を思わせるようなグレイ一色の安っぽい普請で特に凝った装飾などもなく目立つアリーナ・サインもない。エントランスの周囲だけがかろうじてブルーにペイントされているが、何となくそこでチケットを売っているのだろうな、と想像できる程度でたいした事はない。場内は一見するとミササガの"Hershey Centre"とよく似ているが、実はこっちの方が一回りほど小さい。シートは全てパープルで統一されている。両サイドライン沿いのスタンド最上段には90年代から需要が激増したスイート・ルームが完備されており、片側のゴール裏にはこのアリーナの目玉であるゲームを見ながら食事ができるレストランが入っている。NHLはムリだがジュニアの試合くらいは優雅に見たい...という小市民的な贅沢を実現できる場所だ。ちなみにレストランの下はアリーナでは珍しいベンチシートのブリーチャーになっている。スタンド裏のコンコースには各種売店やチームストア、そしてお約束の地元出身スポーツ選手を讃えるHall of Fameなどがある。キャパ5,000人クラスアリーナのテンプレート的な、非常にオーソドックスなアリーナ。観戦環境は文句なし。

※バタリオンは2012-13年シーズンを最後にオンタリオ州ノース・ベイに移転した。移転の理由はOHLで最低の観客動員。ノース・ベイには1982〜2002年までNorth Bay Centennials というOHLのチームがあり、新チームはセンテニアルズがホームとしていた1955年オープンの"North Bay Memorial Gardens"を使用する。新チーム名はバタリオンをそのまま引き継ぎ"North Bay Battalion"となった。
*Brampton Battalion・・・バタリオンというチームだが、ものすごくユニークなコンセプトなので紹介しておく。「バタリオン」とは陸軍の単位で「大隊」と訳されるらしい。つまりこのチームは軍隊なワケで、何かにつけてミリタリー色を前面に押し出している。まずジャージーは緑の迷彩色で両肩には階級章のようなパッチ。そしてヘルメットもジャージーに合わせてオリーブ・グリーンでペイントされている。映画「大脱走」のテーマに乗って軍服姿のマスコット「Serge<サージ>」が登場。場内は暗転し、攻撃ヘリのプロペラ音が不気味に鳴り響く。そして選手はなんと戦車をかたどったゲートから勇ましく入場。BGMは佳境に入り、あちこちで爆撃の効果音がドンパチ炸裂。ベトナム帰還兵がアリーナにいたら思わず座席の下に隠れてしまいそうな過激な演出。ちなみにアリーナ内の球団オフィスは「ヘッドクォーター」(作戦本部)...つっこみドコロ満載のチーム。
行き方:ブランプトンはミササガの北、トロントの北西に隣接する近郊都市。アリーナはHighway 407号線と410号線が交差するジャンクションの北西側、Kennedy Rd. に面して建っている。アリーナの周辺には野球場やラグビー場があり、ちょっとしたスポーツ・コンプレックスになっている。
 アリーナへはKennedy Rd. を南北に走るBrampton Transit のバス#7で簡単に行ける。ただしこの路線はターミナルや地下鉄の駅を起点としているわけではないので他社のバスから乗り継ぐ必要がある。南側(ミササガ側)から攻める場合は"Hershey Centre"へ行く際にも使うMississauga Transit のバス#53が使える。Kennedy Rd. & Courtney Park Dr. でBrampton Transit のバス#7(北行き)へ繋げばOK。北側から攻める場合はTTCのバス#36B(地下鉄Yonge-Universtiy-Spadina線のFinch駅発)→Highway 27 & Finch Ave. でBrampton Transit のバス#11に乗り換え→Steeles Ave. & Kennedy Rd. で#7(南行き)に乗り換え。あるいはSteeles Ave. & Kennedy Rd. からならアリーナまで歩いても約20分ほど。Brampton Transit もMississauga Transit もTTCも全て夜中の12時頃まで走っているのでナイトゲーム終了後でも帰れる。運賃はTTC以外はどちらも1回C$2.50で他社バスへのトランスファーはできない。(06年4月現在)
観戦したゲーム(3):
2005.11.13 OHL Brampton Battalion vs. Saginaw Spirit
2006.03.26 OHL Brampton Battalion vs. Belleville Bulls (Playoff 1st Round Game 2)
2006.04.06 OHL Brampton Battalion vs. Barrie Colts (Playoff Eastern Conference Semifinals Game 1)

セント・マイケルズ・カレッジ・スクール・アリーナ
ホーム:トロント・セント・マイケルズ・メイジャーズ (OHL:2000-2007)
所在地:オンタリオ州トロント
開場:1956年
収容人数:1,617人

Photo by 球場巡礼

 OHLメイジャーズは1997年のリーグ・エクスパンションで誕生し、最初の3シーズンは当時NHLメープル・リーフスのホームだった"Maple Leaf Gardens"でプレイするという名誉を預かった。しかしトロントではリーフスの人気がすさまじく、スモール・タウンなら歓迎されるはずのOHLもトロントではそっぽを向かれアテンダンスは低迷。2000-01年シーズンからキャパの小さなこのアリーナに移ってきたがそれでも空席が目立つという状態は改善されなかった。ちなみにセント・マイケルズ・メイジャーズとは変わったチーム名だが、これはOHLに1906〜61年まで実在していた昔のチーム名を引き継いだもの。
 アリーナは名前の通りセント・マイケルズ・カレッジ(カソリック系の私立の男子校)の施設で、初代メイジャーズはこの学校によって運営され、選手も全員この学校の生徒だった(2代目は経営も選手も全く別)。見るからに年季の入っているカマボコ型アリーナで、内部の壁はなんと木造。正面の外壁には大きく"HOME OF THE MAJORS"とペイントされている。エントランス近くのコンコースにはNHL入りした元Majorたちのパネルがズラリと並べられており、天井から垂れ下がっている歴代の優勝バナーや永久欠番バナーなど、場内の至る所でチームの長い歴史を垣間見る事ができる。スタンドは一応全方向にあるがゴール裏はエントランス側に2列、奥側にはたった1列しか座席がない。またサイドライン沿いにもそれほど座席があるわけではなく、ペナルティ・ボックス側に6列、ベンチ側には4列あるのみ。もちろん全てベンチシート。内部の壁はチームカラーと同じく白・水色・紺にペイントされている。スコアボードはさすがに吊り下げ型だが、間違いなくOHLではダントツのショボさをほこるボロアリーナだった。
 トロントで苦戦を強いられ続けたチームは誕生10年目でついに音を上げ、2006-07年シーズン終了後にお隣のミササガに移転。チーム名を"Mississauga St. Michael's Majors"と改めた。メイジャーズは出て行ったがジュニアAの"St. Michael's Buzzers"は引き続きこのアリーナをホームとして使用している。
行き方:アリーナはカナダ最大の都市トロントのアップタウン(ダウンタウンの北)、Bathurst St. & St. Clair Ave. にある。地下鉄Yonge-Universtiy-Spadina線のSt. Clair West駅から徒歩1分。駅前の巨大スーパー"Loblaws"の裏側(北側)にセント・マイケルズ・カレッジのキャンパスがあり、アリーナはその一番手前に建っているのですぐわかる。
観戦したゲーム(7):
2005.09.11 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Guelph Storm (Pre-Season Game)
2005.09.23 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Mississauga IceDogs (Home Opener)
2005.10.09 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Peterborough Petes
2005.11.10 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Kingston Frontenacs
2005.12.30 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Brampton Battalion
2006.02.23 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Brampton Battalion
2006.03.28 OHL Toronto St. Michael's Majors vs. Barrie Colts (Playoff 1st Round Game 4)

ハーシー・センター
ホーム:ミササガ・スティールヘッズ (OHL)
所在地:オンタリオ州ミササガ
開場:1998年
収容人数:5,420人

Photo by 球場巡礼

 元々はアリーナのオープンと同時にエクスパンションで誕生した"Mississauga IceDogs"がホームにしていたが、チームは2006-07年シーズン終了後に新天地を求めてナイアガラ・フォールズに近いセント・キャサリンズへ移転した。そこへ間髪入れず隣町トロントから現在のテナントである"Toronto St. Michael's Majors"が転入。チームは2011-2012年シーズンまで"Mississauga St. Michael's Majors"と名乗っていたが、オーナーが変わったのをきっかけに2012-13年シーズンから現在のチーム名に変更した。
 旧ミササガ・アイスドッグズ(現在のナイアガラ・アイスドッグズ)はこの地で誕生して以来4勝56敗、9勝56敗、3勝56敗という信じられないような惨めな成績を残してきたのだが、4年目に11勝すると5年目には初のプレイオフ進出、6年目には地区優勝するまでに急成長した。チームのオーナーは元NHLのヘッドコーチであり、現在CBCの看板番組"Hockey Night in Canda"のコメンテイターを務める「カナダ・ホッケー界のご意見番」ドン・チェリー氏。彼は自分のチームがあまりも不甲斐ないのでついに4年目には自らがヘッドコーチに就任。そのシーズンは一応チーム史上初となる2桁勝利(11勝)をあげた...。
 アリーナは一層構造でスタンドはリンクを取り巻くように造られている全方向タイプ。スタンドの最上段のベンチ側にはスイートが、ペナルティ・ボックス側にはこじゃれたバー&レストランが完備されている。アルミ材と鉄骨ムキ出しの天井がちょいと安っぽいが、ジュニア・レベルのアリーナとしては相当立派で下手すればAHLのフランチャイズも誘致できるくらいだ。シートは全てエンジ色で統一されている。ペナルティ・ボックス側のサイドライン席はプレミアム・シートになっていて、いやらしい事にここだけクッション付きの座席。ネーミング・ライツを獲得したのは誰もが知っているあのチョコレート会社。もちろんアリーナ内の売店ではハーシーズのチョコが何種類も売られている。ちなみにアリーナの住所は"5500 Rose Cherry Pl. "となっているが、ローズ・チェリー女史はドン・チェリーの奥さん(故人)。
行き方:アリーナはミササガの郊外、Highway 401号線と403号線が交差するジャンクションの南西側にあり、Mississauga Transitのバス#53がアリーナのすぐ前を通る。#53はピーク時とオフ・ピーク時によってアリーナの西側を通る場合と東側を通る場合があり、西側(オフ・ピーク時)の場合は問題ないが、東側(ピーク時)の場合だとKennedy Rd. & Coopers Ave. で降りてアリーナまで歩く必要がある(徒歩約10分)。#53はミササガ最大のバス・ターミナル"Square One"(ショッピング・モールに隣接)から発着しており、ナイトゲーム終了後でも走っている。運賃は1回C$2.50。
 トロントから行く場合は地下鉄Bloor-Danforth線のIslington駅からMississauga Transitのバス#3、20、26でSquare Oneまで。そっから上記の#53へ繋げばOK。(06年3月現在)
観戦したゲーム(3):
2005.10.07 OHL Mississauga IceDogs vs. Toronto St. Michael's Majors (Home Opener)
2005.11.23 OHL Mississauga IceDogs vs. Guelph Storm
2006.03.03 OHL Mississauga IceDogs vs. Toronto St. Michael's Majors

オシャワ・シヴィック・オーディトリウム
ホーム:オシャワ・ジェネラルズ (OHL:1964-2006)
所在地:オンタリオ州オシャワ
開場:1964年
収容人数:4,025人

Photo by 球場巡礼

 このアリーナはボビー・オア抜きでは語れない。NHLブルーインズで活躍し殿堂入りも果たしている史上最高のディフェンスマンがジュニア時代に4シーズンを過ごしたのがここオシャワ。エントランス・ロビーにあるシーズン・チケット・ホルダー専用ラウンジには彼の名前が付けられており、当時の背番号2はもちろん永久欠番になっている。ちなみにオアが活躍していた1960年代当時、チームはNHLブルーインズと選手育成契約を結んでいた(現在のジェネラルズはNHLとは何の関係もなくなっている)。
 アリーナはアンティークと言えるほどの味わいはない、平べったい倉庫スタイルの野暮な外観。同じ敷地内にはスウィミング・プールやフットボール・フィールドが併設されている(プールとリンクを別々に作ってしまうトコロが根本的に日本とは違いますな)。外観も内装も取り立てて書くべき何かを備えているワケではなく、ただ単に客席とリンクだけがある、狭い庶民的なハコ。しかしこの適度な狭さがファンとの一体感を生み、ジュニア・ホッケー独特の親密な雰囲気を作り出しているワケで、一概にでかいハコ万歳!とはいかないのがジュニアの奥深さ。座席は古いながらも一応チーム・カラーの赤と青に塗り分けられており、それなりにメンテナンスもされている。天井が低いのでスコアボードは横長タイプのスクリーンなし。ロビーやコンコースには過去の名選手や名場面のパネルがズラリと並んでいるのだが、その中にはローリング・ストーンズが1997年に行ったワケありチャリティ・ライブの写真パネルも展示されているので興味のある方は要チェック。
 チームは2006-07年シーズンの途中、2006年10月29日のキングストン戦を最後にダウンタウンの新アリーナ"General Motors Cnetre"に移ったのでこのアリーナは現在空き家。ちなみにチーム名のジェネラルズは当時のスポンサーだったジェネラル・モーターズ社から名付けられた(オシャワにはGM社のカナダ本部と大規模な工場が現在もある)。
行き方:オシャワはオンタリオ湖畔に広がる中都市でトロントの東約60キロに位置する。グレーター・トロントの東端と位置付けられており、つまりオシャワまでがトロントの郊外であると言える。
 アリーナはダウンタウンの北西にある巨大なショッピング・モール「オシャワ・センター」から歩いて15分程。オシャワ・センターの北西の角(King St. W & Stevenson Rd. )からKing St. を西へ。Thornton Rd. という大きな通りまで来たらそいつをすかさず左折(つまり南へ)、しばらく進むと左手にアリーナが見えてくる。トロントからオシャワ・センターまではGo TrainとGo Busを乗り継いで約1時間。トロントからOshawa駅までは列車で行き、そこからバスに乗り換えてOshawa Centre Mallのバス・ストップで下車。運賃はトロントから片道C$7.60。(05年11月現在)
観戦したゲーム(1):
2005.11.27 OHL Oshawa Generals vs. Mississauga IceDogs

ロバート・ゲルティン・センター
ホーム:ガティノー・オリンピックス (QMJHL)
所在地:ケベック州ガティノー
開場:1952年
収容人数:4,310人

Photo by 球場巡礼

 住宅街の中にひっそりと佇むオールド・アリーナ。デザインや装飾などとは無縁の無愛想な倉庫のような外観で、カナダの町中でこのような得体の知れない建物を見付けたらまずホッケー・アリーナだと思ってよかろう。現在のテナント「オリンピックス」が入ってきたのは1973年から。当時チームは"Hull Festivals"と呼ばれていたが1976年のモントリオール五輪を記念して"Hull Olympiques"に改名した(ケベック州はフランス語圏なので「オリンピックス」の綴りが英語でないことに留意されたし)。ちなみにアリーナのある地区はハルという地名だったが2002年にガティノー市に合併されたのでチーム名もその時に変更された。
 築50年以上経っているだけあって相当使い込まれた感のあるボロアリーナである。昔のアリーナは概して天井が低くスタンドの照明が薄暗い。どれだけ天井が低いかと言うと、大きくクリアしたパックが「ゴンッ」と天井の鉄骨に当たるくらい低いのだ。しかしこの天井の低さと照明の暗さがジュニア・ホッケー独特の一体感、あるいはプレイヤーへの親近感を助長しているとも言えるワケで、この窮屈な雰囲気が嫌いなホッケー・ファンは多分いないだろう。スタンドは360度全方向タイプでスタンド裏とスタンド最上段にコンコースが設けてある。座席は未だに木製のハネ上げ椅子が現役で使われている。あちこちハゲてはいるが赤・白・青のトリコロール・カラーにペイントされていて、こういうトコロからもひしひしとケベック魂を感じてしまう。吊り下げ式のスコアボードにはスクリーンは当然ない。得点経過や残り時間の表示は電光ではなく、一昔前のデジタル時計のように上下に二分割された数字がパタパタとめくれる昭和スタイル。なつかしくて思わず子供の頃家にあった目覚まし時計を思い出してしまったよ。
行き方:ガティノーはカナダの首都オタワとオタワ川を隔てて隣接するツイン・シティ。2002年の市町村合併によりケベック州内で5番目に大きい都市となった。
 アリーナへはオタワ側の国会議事堂やナショナル・ギャラリー(National Gallery of Canada)の並ぶエリアあたりからなら徒歩でもアクセスできる。ナショナル・ギャラリーの脇の道を川の方へ進むとAlexandra Bridgeになるので橋をそのまま渡ってしまう。橋を渡ればケベック州になるので急に道路表示などがフランス語一辺倒になる。橋から続く道はBlvd. St-Laurentと名を変えるが気にせずにまっすぐ進む。15分ほど行けばRue De Carillonという小さい通りが現れるのでそいつをすかさず右へ。曲がるとすぐにアリーナが見える。Blvd. St-Laurentはかなり大きな通りなのでバスも走っているが、そのバスがオタワ市内から発着しているかどうかは不明。
観戦したゲーム(1):
2005.11.20 QMJHL Gatineau Olympiques vs. Cape Breton Screaming Eagles

TDプレイス・アリーナ
ホーム:オタワ 67's (OHL)
所在地:オンタリオ州オタワ
開場:1968年
収容人数:9,865人

Photo by 球場巡礼

 67's は「シックスティ・セヴンズ」と読む。カナダ発足100周年の1967年にチームが誕生したのでその名が付けられた。アリーナは現在のOHLの中では一番のキャパを誇り、同時に最も多くのファンを集めている人気チームでもある。チームのジャージーは1934年に消滅した「オリジナル・オタワ・セネターズ」(*)のチーム・カラーであるブラック、レッド、ホワイトをそのまま継承しており、市民の間では67's こそがオタワ・ホッケーの正当な後継者であると認識されているようだ。実際エクスパンションで発足したNHLオタワ・セネターズは1992-93年シーズンから"Canadian Tire Centre"の完成する1996年まで、3シーズン半の間ここを仮ホームとして使用していたが人気はイマイチだった。
 アリーナはLansdowne Park という公共施設が集まっている公園の一角にあり、驚くべき事にフットボール場"Frank Clair Stadium"のスタンド裏のスペースを利用して造られている。アリーナなんてのは言ってしまえばどこも同じような造りでとりたてて特筆すべきものなどないのが普通だが、ここは外も中も滅多にお目に掛かれないような個性的な造りになっている。外観は三角形で、スタジアムの巨大な屋根を支える支柱がアリーナの外枠にもなっておりデザイン的になかなか見るべきものがある。内部はまず多くの観客を捌く事ができる広めのコンコースがあり、そこには各種売店や仮設のチームストアなどがある(チームストア本店は別棟の球団事務所内)。スタンドへ出るとまずフットボール場のスタンドを支えるための巨大な梁と電灯の配線などが露わになっているゴチャゴチャした天井が目に付く。天井をコーティングしている黒い断熱材のようなものが老朽化のためかアチコチで剥離しており、まるで退廃した近未来都市のような雰囲気だ。スタンドはゴール裏と片側のサイドラインに集中しており、フットボール場側には(このアリーナのキャパからすると)申し訳程度にしか座席がなく、おまけにすぐ頭上に天井が迫っていて相当な圧迫感がある。狭いトコロがダメなヒトにはオススメできないセクションだ。天井付近には「お金になるので後からあわてて付け足しました」と言った感じ丸出しの蛸壺のようなスイートがブラ下がっている。空中に浮いているような位置なのでちょっとコワイ。スコアボードは小さいながらも四面のカラービデオ・スクリーン付き。ジュニア・リーグのアリーナではビデオ・スクリーンはまだまだ普及していないので、この点においては贅沢かも。シートは最近になって全席フカフカのクッション付きに差し替えられた。ボロ・アリーナだがまだまだ使う気マンマンらしい。
*オリジナル・オタワ・セネターズ・・・1992-93年シーズンにNHLのエクスパンションで誕生したセネターズは実は二代目で、1893年から1934年まで活動していた同名のチームがかつて存在した。1917年からはその年に発足したNHLに参加し、1934年に消滅するまで四度もスタンレー・カップを獲得した強豪チームだった。
行き方:オタワはカナダの首都で国内四番目のビッグ・シティでもある。ダウンタウンはケベック州との州境になっているオタワ川の南側に広がっており、英語圏文化(オンタリオ州)とフランス語圏文化(ケベック州)の境目に位置しているという事から首都に選ばれた。
 アリーナはダウンタウンの南にあり、ダウンタウンのショッピング・モール(リドー・センター)前から出ているOC Transpoのバス#1、#7でアクセスできる。#1及び#7はダウンタウンのBank St.を南へ行く路線で、アリーナまでは同じ道を走るのでどちらに乗ってもOK。約20分くらいで左手に巨大なフットボール場が見えてきたら下車。ナイト・ゲーム終了後もバスは走っている。運賃は現金だと一回C$3.00だがコンビニなどで売っている一枚C$0.95のバス・チケットだと二枚で乗れる(実質C$1.90)。徒歩だとダウンタウンから約50分。(05年11月現在)
観戦したゲーム(2):
1999.10.29 OHL Ottawa 67's vs. Barrie Colts
2005.11.18 OHL Ottawa 67's vs. Belleville Bulls

ファーストオンタリオ・センター
ホーム:ハミルトン・ブルドッグズ (OHL)
所在地:オンタリオ州ハミルトン(カナダ)
開場:1985年
収容人数:17,383人

photo by 球場巡礼

 ダウンタウンのド真ん中にあるNHLクラスの巨大アリーナ。オープンから長らく"Copps Coliseum"と呼ばれていたが2014年1月からネーミング・スポンサーがついて"FirstOntario Centre"となった。Coppsとは当時アリーナ建設を推し進めた時のハミルトン市長ヴィクター・コップス氏にちなむ。NHLチームを誘致する目的で建設されたが結局やって来たのはなんとジュニアのチームだった。しかし1990年にそのジュニア・チームにさえも去られ、この大箱は長い間空き家となっていた。現在のテナントであるAHLブルドッグズが来たのは1996年になってからの事。今のところこのアリーナのハイライトは1987年に開催されたカナダ・カップ。またNHLやNBAのプレ・シーズンの開催実績も有る。
 アリーナはダウンタウンのショッピング・モールやコンベンション・センターと直結している。外観は白塗りにスモーク・ガラス窓、コンコースの床は学校や病院にありがちなエンジ色のリノリウム材、という如何にも80年代な古くさい造り。コンコースの壁にはお約束のように地元出身のスポーツ選手のパネルが並ぶ。チームストアはそれ専用のスペースというのがなく、コンコースに出店のようなカタチで造営される。また恐らく地元のカード・ショップが出張して来てるのだと思うが、コンコースのあちこちにホッケー・カードの屋台が並ぶ(それほど需要があるとは思えないが...)。NHLクラスなのでとにかくスペースだけは豊富にあるのだ。スタンドはもちろん2層構造だがマイナー・レベルでは1階席だけで十分というワケで2階席は暗幕に覆われ完全にクローズされていた。シートは全席フカフカのクッション付き。何故か色が統一されておらず、赤、オレンジ、イエロー、パープルなどがランダムに入り混じってモザイクのように見える。まるでウッディコーン(飾り用のカラフルなとうもろこし)のようだ。80年代のセンスにしては少々レトロ過ぎやしないか?ブルドッグズ入場の際の音楽がBaha Men の"Who Let the Dogs Out?"なのは言うまでもない。
 1996年からテナントであり続けたAHL Hamilton Bulldogs だが2014-15年シーズンを最後にニューファウンドランド島のセント・ジョンズに移転することとなった。ブルドッグズの転出と入れ替わりに入居してきたのはOHLの"Belleville Bulls"(オンタリオ州ベルヴィル)。Belleville Bulls はチーム名を"Hamilton Bulldogs"に変え、結果的にはブルドッグズと言う名前は続き、AHLからOHLに変わっただけで済んだ。
行き方:ハミルトンはトロントの南西、オンタリオ湖沿いに広がる中都市。鉄工業がさかんで実はカナダで8番目に大きな町とされている。アリーナはダウンタウンの中心にあるショッピング・モール(ジャクソン・スクエア)と直結している。外の通りからのエントランスはBay St. & York Blvd. 辺りになる。グレイハウンドやGo Bus(トロントと近郊都市を結ぶ中距離バス)のターミナルから北へ徒歩約10分。トロントからハミルトンへはGo Busで所要時間55分。ユニオン・ステーションの隣にあるバス・ターミナルから1時間に2〜3本の割合で頻繁に出ている。
観戦したゲーム(1):
2005.11.6 AHL Hamilton Bulldogs vs. Grand Rapids Griffins

スコシアバンク・センター
ホーム:ハリファックス・ムースヘッズ (QMJHL)
所在地:ノヴァ・スコシア州ハリファックス
開場:1978年
収容人数:10,600人

Photo by 球場巡礼

 アトランティック・カナダでは唯一のキャパ1万人越えのアリーナ。過去にはNHLやNBAのプレシーズン・ゲームが開催され、2003年にはアイスホッケー世界ジュニア選手権、2008年にはアイスホッケー世界選手権の開催地にも選ばれている。オープンした1978年から長らくAHLのチームが置かれていたが、1992-93年シーズンを最後にAHLは何故かアトランティック・カナダ最大のマーケットから撤退。1年の空白の後1994-95年シーズンからQMJHLムースヘッズが入ってきて現在に至る。ちなみにQMJHLがケベック州以外にチームを置いたのはここハリファックスが最初で現在アトランティック・カナダにはハリファックスを含め合計6チームが展開している。
 アリーナはダウンタウンのど真ん中にあり、ワールド・トレード&コンベンション・センターにも直結している便利なロケイション。急斜面の上に建っているので数カ所あるエントランスは全て違うフロアに繋がっていてややこしい。そして中に入っても各フロアには階段が何ケ所かあってそれらが複雑に絡み合っており、慣れないと自分が今どのフロアにいるのかわからなくなる事も。チケット売り場やチームストアは1階、2階・3階のコンコースには売店とかなり広めの飲食スペースがある。コンコースの壁に並んでいるスポーツ・シーンやコンサートのパネルは結構見応えアリ。場内は基本的に1層構造だが1990年代に増設された天井ぶら下がり型スイートが充実しているので相当でかく感じる。また実際天井も高い。サイドライン側のスタンドは下段席と上段席に分かれており、上段席は頭上にスイートがせり出しているので圧迫感があり視界は良くない。結局普通に観戦できる場所は下段席くらいしかないワケで、これじゃいくらキャパが多くても6,000人規模のアリーナと観戦の環境は変わらんような気が...。どっちにしろ1万人規模のアリーナってのは2層構造にするには少なく、また1層だと多すぎる、まさに帯に短し状態。スコアボードにはフィリップス社製の超鮮明高画質デジタル・ビデオ・スクリーンが完備されている。さすが国際レベルのアリーナ。2014年6月からハリファックスを創業の地とするカナダの大手銀行スコシアバンクがネーミング・スポンサーになり現在の名称に改められた。
 最後にウンチクを一つ。ムースヘッズというチーム名は北米のスポーツ・チームにしては珍しくスポンサーの企業名がそのまま使われている。アトランティック・カナダ一帯で人気のある地ビール「ムースヘッド」がそれで、もちろんアリーナ内で販売されているビールも"Moosehead"。こおゆうローカルなネタを発見できるのがスポーツ施設巡りの醍醐味の一つですな。
行き方:ハリファックスは北アメリカ大陸本土の最東端ノヴァ・スコシア州の州都にして最大の町。そしてアトランティック・カナダ(ケベック州以東の大西洋に面した4州の総称)全体の政治・経済・文化の中心地でもあり「大都市」と言っても差し替えなかろう。
 ダウンタウンは入り江になっているハリファックス湾の北に広がっており、アリーナはその中心部にど〜んと位置している。通りで言うとBrunswick St. & Duke St. がメイン・エントランス(ここは3階に繋がっており、チケット売り場は別のエントランスにある)。観光名所のハリファックス・シタデルのすぐ南にあり、シタデルの丘から海を臨むとすぐ眼下に平べったいアリーナが見える。
観戦したゲーム(2):
2005.10.27 QMJHL Halifax Mooseheads vs. St. John's Fog Devils
2005.10.30 QMJHL Halifax Mooseheads vs. Rouyn-Noranda Huskies

イーストリンク・センター
ホーム:シャーロットタウン・アイランダーズ (QMJHL)
所在地:プリンス・エドワード・アイランド州シャーロットタウン
開場:1990年
収容人数:4,000人

Photo by 球場巡礼

 プリンス・エドワード島最大のアリーナで1993〜96年まではAHLがフランチャイズを置いていた事もある。現在のチームは1999年に"Montreal Rocket"という名前でモントリオールで創設され、2003-04年シーズンからプリンス・エドワード島に移ってきた。移転から2012-2013年シーズンまでは創業時のニックネームを引き継ぎ、"P.E.I. Rocket"と名乗っていたが、翌シーズンからオーナーが代わり現在の名称に改められた。「ロケット」とは1942〜60年までモントリオール・カナディアンズで活躍したモーリス・リシャールのニックネーム。永久欠番はもとより殿堂入りも果たしているリシャールはフランス系カナダ人の象徴としてケベックではカリスマ的存在だったとのコト。チームが移って来た際、チーム名変更はリシャールに対して「畏れ多い」として"Rocket"はそのまま使われる事となった。
 アリーナは競馬場と隣接しており、建物の中には展示場や体育館を兼ねる小規模アリーナも入っている。さしずめシャーロットタウンのスポーツ・コンプレックスと言ったトコロか。メイジャー・ジュニアのアリーナとしては少々手狭だがシャーロットタウンの人口(約32,000人)を考えればこれくらいがちょうど良いのかも知れない。スタンドはリンクを取りまくように全方向に配置されており、シートは全席ブルーで統一されている。コンコースはスタンドの裏にあり、座席へは各セクションに通じる入口からアクセスする仕組みになっている。これくらいのちっこいアリーナだとスタンドの最上段にコンコースを設けて、そこから座席に散って行くのが一般的だが...造りだけはイッチョマエなのね。コンコースには品数の少ないしょぼくれたチームストアと"Robin's Donuts"というやけに人気のある地元チェーンのコーヒー・ショップが入っている。最近のリノベイションでペナルティ・ボックス側のスタンド最上段にバーが、天井付近にはすごく狭そうな独房スタイルのスイートが増設され、狭いなりにも一通り設備の整った近代的アリーナにアップ・グレードした。吊り下げ式のスコアボードにはスクリーンがなく、文字も磁気反転式なので場内が明るいと見えにくいのが難点か。町の規模からするとメイジャー・ジュニアのマーケットとしては物足りないが、安易に移転などせず今後もじっくり腰を落ち着けて島最大の娯楽として定着させてほしいと思う。
行き方:『赤毛のアン』(原題:Anne of Green Gables)の舞台としてお馴染みのプリンス・エドワード島はアトランティック・カナダのセントローレンス湾に浮かぶ小島。島自体が一つの州になっているが面積・人口ともにカナダでは最小の州。観光地として有名で夏は多くのツーリストで賑わう。シャーロットタウンは州内最大の町で州都でもある。現在ではニュー・ブランズウィック州と島を結ぶコンフェデレイション・ブリッジが開通し、フェリーに乗り換える事なく本土からバスでアクセスできる。
 アリーナはダウンタウンの北東、住宅街のKensington Rd. & Park St. 辺りに位置する。2005年からパブリック・バスが運行されるようになったのでアリーナへもKensington Rd. を走るバスでアクセスできるが、本数が激しく少ないので歩いた方がはるかに早い。ダウンタウンのFitzroy St. を北東の方へ歩いて行くと通りの名前がKensington Rd. に変わる。道の名前が変わって2ブロックほど行くと右手にアリーナが見えてくる。ダウンタウンのショッピング・モール(Confederation Court Mall)から徒歩20分くらい。
観戦したゲーム(2):
2005.10.28 QMJHL P.E.I. Rocket vs. St. John's Fog Devils
2005.10.29 QMJHL P.E.I. Rocket vs. Rouyn-Noranda Huskies

コリゼ・ペプシ
ホーム:ケベック・レンパーツ (QMJHL)
所在地:ケベック州ケベック・シティ
開場:1980年
収容人数:15,750人

photo by 球場巡礼

 QMJHLレンパーツのホームと言うよりこのアリーナは圧倒的に今は亡きケベック・ノルディックス(WHA:1972-79年/NHL:1979-95年)のホームとして知られているだろう。90年代後半の好景気の頃、スモール・マーケットのチームは悉くアメリカの資本家に買収され大都市に移転していったが、ノルディックスも例外ではなくコロラド州デンヴァーに居を移し、チーム名をコロラド・アヴァランチと変えた。が、ノルディックスはケベック人にとってはただのホッケー・チームではなく、フランス系カナダ人のプライドとでも言えるような、民族のアイデンティティを体現している象徴的な存在でもあった。実際、未だにケベックに行くとノルディックスのジャージーを着た人を見かけるし、土産物屋には必ずノルディックスのグッズが置かれているほどだ。そして、今ケベックではNHLの規格に合った新たなアリーナを建設し、再びノルディックスを取り戻そうとする動きもあるらしい。ノルディックスが出て行った後アリーナは1999-2002年までAHLケベック・シタデルズのホームとなっていたがイマイチ人気が出ずチームはさっさとオンタリオ州ハミルトンに移転してしまった。シタデルズが受け入れられなかった理由として、シタデルズはノルディックスのかつてのライバルであったモントリオール・カナディアンズ傘下のチームだったから、とも言われている。
 元々は1950年に建設されたオールド・アリーナだが、ノルディックスがWHAからNHLへ編入されたのを機に全面的に改装されて現在の姿になっている。外観は「如何にもアリーナです」と言わんばかりのシンメトリーな体育館スタイル。スタンドは2層になっており、2階席はグレイっぽい白、1階席は上段がブルー、下段がレッドでペイントされている。実に80年代なカラーリングだ。80年代と言えば白フレームにブルー地という昔の目覚まし時計のようなダサかっこいいスコアボードも見逃せない。ちなみにレンパーツのゲームでは2階席はクローズされていた。レンパーツはQMJHLの中でも一番の人気チームだが、NHLクラスのアリーナではさすがに1階席だけで座席は十分足りているようだ。シートは全席木製のハネ上げ式。80年の改装の際にシートは取り替えられなかったのだろうか?天井からはレンパーツのバナーに混じってノルディックスのバナーも下がっており、少々感傷的な気分になる。アリーナは長らく"Colisee de Quebec"と呼ばれていたが、いつのまにやらペプシがネーミング・スポンサーとなり現在の名称に変更された。

行き方:一般的には州の名称と区別する為に「ケベック・シティ」と呼ばれているが、正式には「シティ」は不要でただ単に「ケベック」と呼ぶのが真のケベコワ。ケベック州はカナダにあってカナダにあらず。文化的には全く別の国であると言っても過言ではない。特にケベック・シティはモントリオール以上にフランス濃度が濃く、話される言語はほぼ100%フランス語。
 アリーナは世界遺産にも登録されている旧市街から見て北西に位置し、アリーナ周辺は"ExpoCite"と呼ばれるコンプレックスになっている(アリーナの他に何があるのか良くわからないがとにかく色んな建物が並んでいる)。旧市街から直接アリーナまで行くバスはないが#4か#12のバスが近くを通るので、どっかでコイツを捕まえる事ができればアリーナへたどり着ける(#4はPlace Jacques-Cartierというバス・ターミナルから出ている)。私は旧市街の宿からアリーナを歩いて往復したが片道約1時間はかかった。

観戦したゲーム(3):
1999.10.31 AHL Quebec Citadelles vs. Lowell Lock Monsters
1999.11.03 AHL Quebec Citadelles vs. Hersey Bears
2005.10.26 QMJHL Quebec Remparts vs. Baie-Comeau Drakkar

モンクトン・コロシアム
ホーム:モンクトン・ワイルドキャッツ (QMJHL)
所在地:ニュー・ブランズウィック州モンクトン
開場:1973年
収容人数:7,052人

Photo by 球場巡礼

 築30年以上なので最早オールド・アリーナと呼んでも差し支えないだろう。周辺に広大なパーキングを備える郊外型アリーナで、外観はサエないウンコ色の平べったい体育館スタイル。場内は古いアリーナにありがちな独特の暗さと辛気臭さが充満しており、ライトブルーで統一されたシートと頭上に迫る低い天井が独特の陰気な雰囲気をつくり出す。このアリーナの特徴は片側だけが異様に座席数が多い左右非対称なスタンド。ベンチ側や両ゴール裏のスタンドは平均的なジュニア・レベルのそれだが、ペナルティ・ボックス側だけスタンドの高さが三倍ほどある。このスタンド上段は天井の圧迫感がさらにスゴく、おまけにリンクをかなり見下ろすカタチになるので視界が狭く相当キュークツな観戦になる。まぁ、普段のゲームではここまでヒトがあふれる事はないと思うが...。ちなみに何故か上段だけは木製のシート。予算が足りなくてプラッチック製は購入できなかったのかしらん?スタンドに沿って天井も斜めになっており、もちろんアリーナの外観もそれを反映して片側だけ盛り上がったカタチになっている。売店はスペースのたっぷり取れるペナルティ・ボックス側スタンドの裏にあり、これが意外にも充実していてフルサービスのTim Hortonsも入っている。スコアボードは天井が低いので横長の吊り下げ式。ちなみに場内での写真撮影は一切禁止。今までで場内で写真を撮っていて注意されたのは後にも先にもこのアリーナだけ。写真ぐらい黙って撮らせろや!
 1978年から1994年まではAHLのチームが入っており、同リーグが撤退した後すぐに現在のQMJHLのチームが入ってきた。1年目の1995-96年シーズンだけはかつて存在したAHLのチーム名と同じ"Moncton Alpines"と名乗っていたが2年目から現在の名称に変更された。
行き方:モンクトンはセント・ジョンに次いで州内で2番目に大きな都市。もちろん州内2番目と言っても北米レベルで見ると中の下クラスの町に過ぎないが。ちなみにニュー・ブランズウィック州はアトランティック・カナダでは唯一の英語とフランス語を公用語とするバイリンガル州でもある。
 アリーナはダウンタウンのはるか北西にあり、徒歩ではかなり遠い。ダウンタウンのど真ん中にあるショッピング・モール"Highfield Square"前から発着しているCodiac Transit Commissionのバス#13のMID(Moncton Industrial Development)行きがアリーナの前を通る。Killam Dr. & Millenium Blvd. で下車スグ。所要時間は約25分。ナイトゲーム終了後はバスは走っていない。アトランティック・カナダの各都市を結ぶ長距離バスのターミナルとハイフィールド・スクエアは目と鼻の先。
観戦したゲーム(1):
2005.10.24 QMJHL Moncton Wildcats vs. Rouyn-Noranda Huskies