ハイAセントラル

Day Air Ballpark (Dayton, OH)
Modern Woodmen Park (Davenport, IA)
 

デイトン・ドラゴンズ
球場:デイ・エア・ボールパーク
所在地:オハイオ州デイトン
開場:2000年
収容人数:7,230人

photo by 球場巡礼

 デイトンを本拠地にしていた最後のマイナーリーグがこの地を去ったのが1951年。それから再びプロ野球が町に戻ってくるまで半世紀も待つ事になろうとは、当時は誰も夢想だにしなかっただろう。デイトンの新チームはその初年度にいきなりシングルAのシーズン観客動員記録を塗り替えたばかりでなくマイナーリーグ全体でも観客動員8位にランクされるほどの超人気球団となった。これ程のマーケットを50年間もほったらかしにしていたミッドウエスト・リーグ各球団のオーナー達は自らのマヌケっぷりをさぞ呪った事だろう。
 球場はどう見てもダブルAクラスか下手すればトリプルAでもいけそうな、それはもう立派なハコ。グランドスタンドのアッパーデックは金持ち用のスイートだけでなくきちんと一般のお客さん用のシートもある。シングルAの球場で2階に一般席があるのは流石と言えよう。内野・外野のコンコースは全て繋がっているので歩いて球場全体を一周できる。芝生席、ブリーチャー、テーブル席、カウンター風立ち見スペースなど、外野では色々な観戦スタイルが楽しめるようになっている。シートはブリーチャーも含めて全席独立したセパレートタイプ。人気のある球場は細やかな心配りが良くできておりますなぁ。レフト側にあるスコアボードは、あえて言うならこの球場唯一の特徴。デジタル・ビデオ・スクリーンの上に2匹のドラゴン(もちろん東洋風ではなく西洋風)がのっかっていて、目が赤く光るというギミックを備えている(別に花粉症で充血しているワケではない)。オープン以来地元のフィフス・サード・バンクがネーミング・スポンサーを務めていたが2020年1月からDay Air Credit Unionに変わり現行の名称となった。同じ州内のトリドやリーグ内にもフィフス・サード・バンクの名を冠した球場があったのでややこしさは幾分解消された。
 この球場、確かに整然としていていい球場なのだがこれは!という決め手もない。文句あるんかい!と言われても困るのだが、どこから見ても表情が同じと言うか、面白みに欠けると言うか。ちなみに球場の設計を手がけたのはHOK(現ポピュラス)ではなくHNTB。HNTBの当時の代表作がこの球場と"Louisville Slugger Field"である、と言うのも妙に納得できるハナシなワケで。
行き方:デイトンはシンシナティから北へ1時間ほどのキョリにある中の下くらいの都市。球場はダウンタウンの北側の一画、Great Miami River の川沿いに立地している。通りで言うと1st St. & Patterson Blvd. 辺り一帯。周囲は結構寂れている。グレイハウンドのバス・ディーポから徒歩10分弱。
観戦したゲーム(1):
2005.06.01 Dayton Dragons vs. South Bend Silverhawks

クワッド・シティズ・リヴァー・バンディッツ
球場:モダン・ウッドメン・パーク
所在地:アイオワ州ダヴェンポート
開場:1931年
収容人数:5,200人

photo by 球場巡礼

 開場から長らくは単に"Municipal Stadium"と呼ばれていたが、地域のスポーツ振興に貢献したスポーツライターのジョン・オドネル氏に敬意を表して1970年から"John O'Donnell Stadium"に変更された。現在の名称は2008年からで、2007年のオフにオーナーが変わるやいなやすぐにネーミング・ライツが採用された。チーム名も2004年から4シーズンは"Swing of the Quad Cities"などと言う馴染みにくい名前になって迷走していたが、球場名を一新すると同時に以前の"River Bandits"に戻した。
 球場はミシシッピ川の水際に立地しており、スタンドから見えるアーチ型の美しい鉄橋がこの球場を全米でも屈指のmust-see ballparkたらしめている。2003年のオフにほぼ全面的に建て直すくらいの大規模改装が行われ、レンガ造りのクラシックな外観はそのまま残されたがグランドスタンドをすっぽりと覆っていた昔ながらの大屋根は取っ払われた。実際に見てみると話に聞いていた以上に美しい球場で、川・橋・空・ベースボールの四者が見事に融和し、素朴ながらも野球場としてこれ以上のものがあるとは思えないような贅沢な空間である。スタンドは二層構造で近年改装した球場はどこでもそうだが、二階はスイートのみで一般用の座席はない。シートはネイビーで統一され白くペイントされた内装と相まって清潔感のあるいい雰囲気になっている。水辺には青系の色がよく似合う。この規模の球場にしては珍しく外野が全面ラワン(芝生席)になっており、ミシシッピ川から吹いてくる川独特の生臭い風を感じながら観戦できる。芝生席の向こうはリバー・ウォーク(川沿いの散歩道)を隔ててすぐ川面になっているほど川が近く、フィールドもほぼ水面と同じ高さなのでしばしば洪水の被害にあっている。最近では2001年にフィールドが全面浸水したため、シーズンの残り試合を全てロードで行った事もあった。
行き方:ダヴェンポートはイリノイ州とアイオワ州の州境に位置する小さな町。チーム名にもなっているクワッド・シティとはダヴェンポートに隣接する三つの市(Rock Island、Moline、Bettendorf)を含めた総称。ダヴェンポートへはシカゴからグレイハウンド・バスで約4時間。デイ・ゲームなら日帰り観戦も可能。球場はダウンタウンの西、ミシシッピ川にかかるCentennial Bridgeのたもとにある。グレイハウンドのバス・ディーポから歩いて10分もかからない。
観戦したゲーム(1):
2005.05.30 Swing of the Quad Cities vs. Wisconsin Timber Rattlers・・・野手に転向した元STLの投手R. アンキールが出場