ダブルAノースイースト

Peoples Natural Gas Field (Altoona, PA)
UPMC Park (Erie, PA)
The Diamond (Richmond, VA)
FirstEnergy Stadium (Reading, PA)
FNB Field (Harrisburg, PA)
Northeast Delta Dental Stadium (Manchester, NH)
Canal Park (Akron, OH)
Mirabito Stadium (Binghamton, NY)
Hadlock Field (Portland, ME)
TD Bank Ballpark (Bridgewater, NJ)
 

アルトゥーナ・カーヴ
球場:ピープルズ・ナチュラル・ガス・フィールド
所在地:ペンシルヴェニア州アルトゥーナ
開場:1999年
収容人数:7,210人

photo by 球場巡礼

・1999年にエクスパンションで誕生した新しいチーム。発足以来20年以上ずっとパイレーツの傘下に入っている。
・球場に隣接するレイクモント・パークという遊園地のジェットコースター(スカイライナー)がライトのウォールのすぐ向こうに見えるのが最大の特徴。
・外観はフォレスト・グリーンの鉄骨と赤レンガ装飾を多用したネオ・クラシック様式。外観は往時の鉄道の扇形車庫をモチーフにしているらしい(アルトゥーナは東海岸とピッツバーグを結ぶ鉄道で栄えた町との事)。
・フィールドはかなり掘り下げられている。3塁側にあるゲートから入場すると眼下にフィールドを見渡す感じ。左中間の芝生席にもガケの名残が残っていてかなりの急斜面になっている。
・ライトポール際にあるカーヴのブルペンはかわいらしい木造の一軒家風になっている。
・スタンドはダブルデック。2階スタンドの方が大きい。
・レフトポール際には大人のための広いウッドデッキのバーがある。フィールドの方を向いたバーカウンターがあり、直射日光が当たらないようにちゃんと天幕が張ってある。
・2階のコンコースにはチーム創設以来各シーズンのオープニング・デイ・ラインナップのバナーが飾ってある。2005年のラインナップには3番ホセ・バティースタ、4番ブラッド・エルドレッドの名前が並んでいた。
・チーム名はピッチングのカーブボールとアルトゥーナ郊外にある鉄道の名所"Horseshoe Curve"にちなんで命名された。ホースシュー・カーヴはアルトゥーナの西にあり、世界でも珍しい220度の大カーブで観光名所にもなっている。
行き方:アルトゥーナはピッツバーグから東へバスで3時間半ほど行ったところにある中規模都市。グレイハウンド・バスのターミナルがダウンタウンにある。球場はダウンタウンのはるか南にあり公共の交通機関では行けないが、途中までは路線バスで行ける。ダウンタウンのバスターミナルからLogan Valley Mall へ行くバスが何本か発着してるので、それでモールまで行きそこから球場までレイクモント・パークをぐるっと大回りして徒歩40分。モールの周辺にはチェーン系モーテルがいくつかあるのでナイトゲームの際は利用できそう。
観戦したゲーム(1):
2015.07.13 Altoona Curve vs. Bowie Baysox

エリー・シーウルヴズ
球場:UPMCパーク
所在地:ペンシルヴェニア州エリー
開場:1995年
収容人数:6,000人

 元々シーウルヴズはショートシーズン・シングルAニューヨーク-ペン・リーグ所属だったので球場もシングルAの規格に沿って造られた。なのでダブルAにしては少々手狭に感じられるが、ただ狭いという理由でこの球場を一刀両断するのはあまりにも芸がなさすぎる。この球場こそ実はマニアから一目置かれている、愛すべきヘンテコリン球場なのだ。
 グリコの「一粒で二度おいしい」という有名なフレーズはこの球場にこそ相応しい。なぜならここのスタンドは左右で造りが全く異なるという、世界基準でもなかなかにレアな球場で、一度の観戦で二球場分の気分を味わえてしまうのだ。そのスタンドはホームベース後方で完全に分断されており、3塁側は一般的な1層のスタンド、1塁側はダブルデックのオープン・コンコース・スタイルになっている。とりあえずホームの後ろがメインエントランスになっていて、ゲートをくぐるとスタンドとスタンドに挟まれた空間からフィールドが見えるのは、ありそうでほとんどあり得ない眺めと言えるだろう。野球をじっくり見るのに一番適しているホームベース後方に観客席がない時点で既に異次元的センスを垣間見るコトができる。ホームを挟んで左右に展開するスタンドは規模は小さいが、この両者は全く別物として造られていて決して繋がっていたスタンドを分離させたものではない。1塁側のスタンドのトップには放送席やスイートが備えられている。3塁側スタンドの一階コンコースの天井からはヒーターが吊してある。春先にはこのヒーターのありがたさが身に染みるだろう。風と寒さで野球観戦どころではないのだ。ちなみにこの両スタンドはホーム裏2階の渡り廊下で繋がっているが、3塁側から1塁側へ渡れるのはスイートの契約者のみ。一応両スタンドの向こうにはブリーチャーとパーティ・デックがあるが、外野には座って観戦できるスペースはない。外野のライト側はフェンス一枚を隔てて普通のストリートになっていて一般の民家が並ぶ。元々この土地にはシアーズという有名なデパートがあったので球場はダウンタウンの一区画の中にスッポリとはまっているのだ。
 球場はOHLエリー・オッターズのホームとなっているTullio Arena と隣接しており、ちょうどセンター〜レフト間にアリーナの壁がでで〜んと横たわっている(そのためレフトの方がライトより狭い)。ユニークなのはそのアリーナの外周のスペースが球場の外野立ち見スペースを兼ねている点。つまり3塁側のブリーチャーの向こうはアリーナに直結しており、両方の施設は自由に行き来できるのだ。球場とアリーナの共有スペースがあるなんて、そんなのアリーナ?
行き方:エリーは五大湖の一つ、エリー湖の南岸湖畔に面する中都市で実は州内で4番目に大きい町でもある。四角いペンシルヴェニア州の左上(北西)のはじっこに位置し、ニューヨーク州バッファローから南へ、オハイオ州クリーヴランドから北へ、どちらからもちょうどバスで約2時間のキョリ。球場はダウンタウンの南側、目抜き通りであるState St. から一本東へ入ったFrench St. と10th St. の角。周囲にはビルヂングが並び、ほとんどダウンタウンの中心部にあると言ってもいい好物件。グレイハウンド・バスのターミナルはBayfront Pkwy. (事実上の1st St. ) & State St. に新設されたItermodal Transportation Center 内にあり、そこはシティ・バスのターミナルも兼ねている。ターミナルから球場まで歩いても10ブロックだが、ここから発着するバスは全てState St. を通るので、10th St. で降りれば球場まで1ブロック。
観戦したゲーム(1):
2006.05.21 Erie SeaWolves vs. Reading Phillies

リッチモンド・フライング・スクイーレルズ
球場:ザ・ダイヤモンド
所在地:ヴァージニア州リッチモンド
開場:1985年
収容人数:12,134人

photo by 球場巡礼

 アメリカの野球場はボールパークたるべし、という我々の妄想を見事に裏切ってくれる、ある意味超個性的なスタジアム。オープンした当時は近代的なクッキーカッターのマイナーリーグ版として持て囃されただろうが、今となっては「巨大なコンクリの産廃予備軍」としか言いようがないシロモノ。1985年当時、設計者やクライアントは近い将来マイナーリーグの球場はこのような進化を遂げると思って先取りしたのだろう。しかし完全に時代の進む方向を読み違えたようだ。だからと言ってコイツが見るに値しないウンコ球場かと言うと、必ずしもそうと言い切れないのが球場学の深遠なるトコロ。この時代の、この様式のもので今も現役で使われている球場は、実はそれほど多くない。
 球場は大きな通りに面したひらけた場所にド〜ンと建っている。周りにはアリーナやフットボール・スタジアムが集まっていて、ちょっとしたスポーツ・コンプレックスになっている。周囲に背の高い建物がないのでこの必要以上にでかい球場は結構な迫力で迫ってくる。外観はスタンド裏の段々が丸見えのコンクリむき出しスタイル。ただしこの巨大なスタンドはフィールドをぐるっと取り巻いているわけではない。ちょうど内野と外野の真ん中あたりでスパッと、なんの説明もなしに突然終わる。まるで五ェ門の斬鉄剣で斬られたかのような感じで、外側から見ると見事な断面図のようになっている。是非ご覧あれ。スタンドは一応ロウアーとアッパーに分かれている。ただし1階席は席数が少なく、ほとんどの座席は2階席に集中している。1階と2階の間はスイートになっており、1塁側のはじっこにはガラス越しに観戦できるレストランが入っている。コンコースはスタンド裏にある。座席はアルミ製のハネ上げ椅子で座り心地はとてもわるい。フィールドレベルがこの調子なのでもちろん2階席には期待できない。上3分の2は全てアルミのベンチシートなのででおしりがすこぶるイタイ(ただし背もたれは付いている)。外野は木製のフェンス1枚で外界と隔てられている。この規模なのに外野に全く観戦スペースがないのは頂けない。
 オープン以来ずっとトリプルAリッチモンドが本拠地としていたがさすがに誰もがトリプルAの球場としてはモノ足りないと感じていたようで、21世紀になってからは度々大改装や新球場建設のウワサがでた。しかしなかなか予算を計上しないリッチモンド市に業を煮やしたチームはアトランタの郊外、グウィネット・カウンティに移転する事を決定。1966年以来、40年以上もブレーヴスとの関係を続けてきたリッチモンドは、新球場建設を約束した若いピチピチの町にあっさりと愛すべき息子をかっさらわれてしまったというワケ。リッチモンド・ブレーヴスのホームとしては2008年が最後のシーズンとなり、1年間の空き屋生活を経て2010年から現チームがコネチカット州から移転してきた。
行き方:合衆国建国時に栄えた古都リッチモンドは大西洋岸からジェームズ川を西へ下った内陸部に位置する中都市。ヴァージニア州の州都ではあるが人口は20万人足らずで州内では第5の町にすぎない。4大スポーツのフランチャイズはない。ちなみにヴァージニア州は"State"ではなく正式には"Commonwealth"と表記する。
 球場はジェームズ川の北岸に広がるダウンタウンのはるか北西、フリーウェイ64号線(95号線)とN. Boulevardという大通りが立体交差するポイント近くにある。グレイハウンドのバス・ターミナルの真正面、徒歩30秒。グレハン利用者にはアクセス至便。
観戦したゲーム(1):
2006.05.18 AAA International League : Richmond Braves vs. Columbus Clippers

レディング・ファイティン・フィルズ
球場:ファーストエナジー・スタジアム
所在地:ペンシルヴェニア州レディング
開場:1951年
収容人数:9,000人

Photo by 球場巡礼

 完成してから既に50年以上も経つ、現在リーグで最も古いスタジアム。レディングは自らを"Baseballtown"と称するだけあって、老いてもなおリーグ屈指の集客力を誇る優良オールド・スアタジムである。オープンから長らくは"Reading Municipal Memorial Stadium"と呼ばれていたが、2000年からネーミング・スポンサーが付いて"GPU Stadium"になり、2002年に現在の名称になった。
 球場の外周はぐるりと分厚いレンガ塀で囲まれており、外のストリートから場内の様子は一切伺えない。エントランスもクラシックなアーチ型の装飾を施した重厚なレンガ造りになっているが、レンガが妙にきれいのでひょっとしたら最近になってリノヴェイションされたものかも知れない。と言うのもこの球場は90年代に入ってから毎年のようにどこかの部分を改装しており、新旧の様々なテイストがゴチャまぜになっているのだ。例えばグランドスタンドにかかっている鉄筋のカバーや、三塁側内野スタンドの切れ目にあるフードコート、レフト外野席にある自慢のウッドデッキ・スタイルのテーブル席&カウンター席などはどれも90年代以降に増築されたもの。デジタル・ビデオ・スクリーンを備えた立派なスコアボードももちろん最近インストールされたシロモノだ。一方、旧テイストの方はグランドスタンドとその裏のコンコースに集約されている。エントランスを抜けると売店の油や煙が臭う薄暗いコンコースに出る。コンコースの壁に掛かっている本日のスタメンや個人成績、今後のプロモーションの予定などが書き込まれたボードを一瞥しつつスタンドへ通ずるスロープを上がると、眼下にパァーッと広がるフィールド。開放的なオープン・コンコースも良いが、古いスタジアム特有の暗から明へのコントラストもそれはそれで捨てがたい。新旧ボールパークの良いトコロを併せ持つ、一粒で二度おいしい魅力的な球場だ。
 ちなみにこのチームはフィリーズ傘下になって40年以上になるが、今のところ永久欠番になっているのはマイク・シュミット(#24)とライン・サンドバーグ(#26)の両レジェンドのみ。ハードルはかなり高いようだ。

【追記】2013年シーズンからチーム名を"Reading Fightin Phils"に変更した。
行き方:レディングはフィラデルフィアの北西、バスで90〜120分ほどのところにある中都市。ダウンタウンに限って言えばこぢんまりとしていてダブルAのフランチャイズを擁する町としては物足りなさも感じる。ちなみにフィラデルフィア〜レディング間のバスはグレイハウンド社ではなくCapitol Trailways というローカル会社が運行している。球場はダウンタウンのはるか北にあり、歩くと結構かかるのでシティ・バス利用が望ましい。シティ・バスのターミナルはダウンタウンの"Sovereign Center"(ECHLレディング・ロイヤルズのホーム)の裏手、8th St. & Cherry St. にあり、そっから球場までは#19のバス1本で行けてしまう。所要時間は約20分、終点がスタジアムになっている。帰りの終バスは21時頃発なので試合終了まで見れるかは微妙。終バスを逃してしまった場合は球場の脇のCentre Ave. をひたすら南へ歩く。途中で5th St. と合流するのでそのまま道なりに進めばダウンタウンに到着。1時間は余裕でかかる。
観戦したゲーム(1):
2006.05.08 Reading Phillies vs. New Hampshire Fisher Cats

ハリスバーグ・セネターズ
球場:FNBフィールド
所在地:ペンシルヴェニア州ハリスバーグ
開場:1987年
収容人数:6,302人

photo by 球場巡礼

 かつての名称"Riverside Stadium"が示す通りダウンタウンからほど近いサスケハナ川のほとり...にではなく球場はなんとサスケハナ川に浮かぶ中州の上に立地している。大阪で言うなら中之島に野球場があるようなもんで、マイナーリーグ広しと言えど川の中州に造られた球場なんてのは他に類を見ない。中州は"City Island"と呼ばれており、球場の他にもちょっとした遊戯施設があるので休日はファミリーで結構賑わう。
 それほど古いスタジアムではないが、90年代に世代交代が加速したせいで今ではリーグで2番目の古株になってしまった。ぼちぼち90年代の息吹が聞こえてきそうなタイミングでオープンしたにもかかわらず、これほど統一感がなくゴチャゴチャしているのは、ある意味貴重な存在と言えるかも知れない。とりあえず写真を撮ろうと思っても球場の顔とも言える正面ゲートやボールパーク・サインが見あたらない。そもそも球場自体に立体感がなく扁平で、外から見えるのはスタンドの裏側と照明灯のみ。構造は単純にして明快。まずフィールドがあって、ベースライン沿いにポン、ポン、ポンとスタンドを置いてみました、って感じ。スタンドに囲まれた中にフィールドがあるのではなく、フィールドのまわりにスタンドを置いただけのごく原始的な構造。言わば少年野球用のグラウンドの親分のようなもので、きょうびのAAレベルではもはや見る事のできない様式だろう。バックネット裏と両ベースライン沿いのスタンドは完全に分断されており、それぞれスタンド裏の通路からアクセスする。大部分を占める通路より上側の座席は全てアルミのベンチシート。フィールドに近いボックス席だけがかろうじてセパレート・タイプのシートになっている。万事がこんな感じなのでもちろん外野席などない。外野フェンスは寸分のスキ間もなく広告で埋まっており、スタンドからは雑然とした昔ながらのマイナーリーグ的風景を堪能できる。無機質なそっけないスタジアムではあるが、ここには最近の判で押したような画一的な新球場とはひと味違う「ゆるい雰囲気」が存在する。昔気質のマイナーリーグ魂は低予算・不人気のチームにこそあり。
行き方:ハリスバーグはフィラデルフィアの西、グレイハウンド・バスで約2時間のキョリにある中都市で、実はペンシルヴェニア州の州都である。球場は上で述べたように市内を南北に流れる大河サスケハナ川に浮かぶ中州に位置し、ダウンタウンやグレイハウンド・バスのターミナルから歩いてアクセスできる。City Island へ渡るにはダウンタウンのWalnut St. かMarket St. にかかる橋を利用する。徒歩の人は球場に近いWalnut St. を使うのが便利だろう。Market St. にあるグレイハウンド・バスのターミナルから球場まで徒歩約15分弱。川の方へ歩いて行けばOK。
観戦したゲーム(1):
2006.05.07 Harrisburg Senators vs. Erie SeaWolves

ニュー・ハンプシャー・フィッシャー・キャッツ
球場:ノースイースト・デルタ・デンタル・スタジアム
所在地:ニュー・ハンプシャー州マンチェスター
開場:2005年
収容人数:7,500人

Photo by 球場巡礼

 現在のチームがコネティカット州ニュー・ヘイヴンから移転してきたのは2004年。当時まだこの球場は完成しておらず、新チームは記念すべきInaugural Season(初年度)を1913年開場のボロ球場"Gill Stadium"で過ごした。新球場は予定通り2005年にオープンしたもののネーミング・スポンサーが決まらず、1年目だけは仮に"Fisher Cats Ballpark"と呼ばれていた。パッと見たトコロ普通にダブルAクオリティを満たしているかのように見えるが、細部をツブサに点検してみると案外チープ感の漂う見た目だけのスタジアムである事がわかる。まずスタンドの床にはアルミ材が使われている。これはもう金のない球場がよく使う必殺の節約術。アルミの床は見た目が悪いだけでなく雨が降ると滑ってコワイし、悪ガキどもが調子に乗ってガンガン足踏みしてやかましいのでキライ。またこの球場には「外観」と言えるものがない。メインゲートはレフトの外野側に設置されているのだがボールパーク・サインも出ていないし、アーチ状のゲートなんてのもない。ただコンコースに通じる階段があるだけ。あと、コンコースの内壁などにもアルミ材が使われていて場内アナウンスや音楽が変に反響して音響があまりよろしくない。さらに言わせて頂きますとスタンドには一切角度がついておらずポール際までピッと一直線になっている。こおゆうトコロにも配慮がないのはちょっと興ざめ。フィールドはライトが浅くなっているが、これはフェンスのすぐ向こうに鉄道の線路が通っているため。そのため外野にスペースがなく行き来する事ができない。レフト側にだけテーブル席とピクニック・エリアがあるのだが、ラワン(芝生席)がないのは寂しい限りだ。
 ここの目玉はレフト後方の球場の敷地内に建っているヒルトン・ガーデン・イン・ホテル。ゲームのある日に宿泊すれば部屋の窓から観戦できる、ってのは既にMLBで実践されているアイディアだがMLBよりもリーズナブルな値段で提供できるのがマイナーリーグの良いトコロ。もう一つ見逃せないのはレフトポール際で一際目立っているHood Milk の巨大看板。かつて似たような看板が"Fenway Park"のライト・アッパーデックの屋根の上にあったのをご存知だろうか?Hood Milk と言えば野球場。ニュー・イングランドの常識ですね。
行き方:イギリスの工業都市にあやかって名付けられたマンチェスターはニュー・ハンプシャー州の南部に位置し、州内ではもちろん、周辺のメイン州、ヴァーモント州を含めても最大の都市。球場はダウンタウンの南のはずれ、メリマック川の東岸に建っている。メリマック川を跨いでダウンタウンを東西に貫いているGranite St. (町の東へ行くとLake Ave .に名前が変わる)とメリマック川のすぐ東を南北に走っているS. Commercial St. の角からS. Commercial St.を南に行けばドンツキが球場のエントランスになっている。グレイハウンド・バスのディーポから徒歩約15分。ボストンからの日帰り観戦も余裕で可能。ダウンタウンにはAHLマンチェスター・モナークスの本拠地"Verizon Wireless Arena"もある。
観戦したゲーム(1):
2006.05.03 New Hampshire Fisher Cats vs. Bowie Baysox

アクロン・ラバーダックス
球場:キャナル・パーク
所在地:オハイオ州アクロン
開場:1997年
収容人数:9,297人

photo by 球場巡礼

 97年の開場以来毎試合平均で7,000人前後を集める人気のスタジアム。97年以前チームは"Canton-Akron Indians"という名前でアクロンではなくカントンの"Thurman Munson Stadium"でプレイしていた。新球場に移った際にチーム名は"Aeros"に変更されたが、エアロスの由来は州のナンバープレートを見れば一目瞭然(ヒント:Birthplace of Aviation)。ただエアロスは17シーズンで飽きたらしく、2014年からは現在の名称である"RubberDucks"に変更された。エアロスが案外短命で終わったのでちょっと驚いた。
 赤レンガをふんだんに使用し、周囲の建物と同調しているかのように見せかけた外観を見てすぐにアルファベット3文字の某設計会社を思い浮かべたアナタはだいぶ分かってらっしゃる。実際ここはHOK社(現ポピュラス)の90年代の代表作であり、良くも悪くも典型的なダブルAクラス新球場の雛形とも言える。特徴はレトロなアーチ型装飾が施されている鉄骨組の照明。外野の照明灯は柱1本のちゃっちいモノだが、内野の照明だけは実に凝っていて存在感たっぷり。球場のアクセントとして照明をいじくるあたりにHOKのダンディズムを感じますな。スタンドはオープン・コンコースの1層で屋根はなし。ダグアウトからバックネット裏にかけてスイート契約者しか上がれない2階席が設けてあるのはお約束。多くのお客さんがスムースにお金を落とせるように1塁側の売店だけは外野にまで伸びている。気合の入っているスタジアムはここらへんもしっかりしている。外野は残念ながら一周できないがライトポール際にはベンチシートのブリーチャー、レフト側にはテーブル席のピクニックエリアがある。球場の名前は左中間のすぐ後ろを流れるキャナル(運河)から名付けられた。球場の周辺だけ川沿いがきれいに整備されており、その遊歩道から直接入場できるゲートもレフト外野側に設置されている。キャナルではカモが水と戯れ、フェンスの向こうではヒトがボールと戯れているワケですな。
行き方:アクロンはクリーヴランドの南20kmにある中都市。独立した都市というよりは隣接するカントン(プロ・フットボールの殿堂がある町)と共にクリーヴランドと地続きの一大メトロポリタン・エリアと解釈されている。球場はダウンタウンのど真ん中、町の目抜き通りであるMain St. 沿いに建っているので見逃す方が難しい。グレイハウンド・バスのディーポは町はずれのハイウェイ沿いにあるので少々歩かねばならない。まずハイウェイを跨いでGrant St. を北へ、University of Akron のキャンパスまで来たらドン突きのExchange St. を左(西)へ。しばらく行くとダウンタウンっぽい風景になり、よく見れば例の照明が右側に見えてくる。徒歩約30分。
観戦したゲーム(1):
2006.04.30 Akron Aeros vs. Altoona Curve

ビンガムトン・ランブル・ポニーズ
球場:ミラビト・スタジアム
所在地:ニューヨーク州ビンガムトン
開場:1992年
収容人数:6,012人

Photo by 球場巡礼

 何の特徴もないのが特徴のプレーンなスタジアム。コンコースはスタンド裏に、外野にはキッズお楽しみのブリーチャーやラワン(芝生席)がなく、スタンドもフィールドも共にシンメトリーでまるで日本の球場のようだ。外観もコンクリ打ちっ放しの質素なもので、こんだけ工夫のない球場はアメリカでもそうそうお目にかかれるシロモノではない。とは言っても別に不愉快になるワケでも、観戦になんら支障があるわけでもない。むしろどこの席に座ってもプレイが良く見えるし、フィールドの向こうには一面に山々が見えて如何にもマイナーらしいのんびりとした雰囲気がする。シートは全席セパレートのハネ上げタイプで鮮やかな、と言うか安っぽいブルーでペイントされている。以前は"Municipal Stadium"というこの球場にピッタリなまるでジョークのような平凡な名前だったが、現在はネーミング・スポンサーが付いている。
 ビンガムトンにはダブルAイースタン・リーグ創設時から長きに渡ってフランチャイズがあったが、1968年に転出して以来ずっと空白期間が続いていた。そして1992年、24年振りに新球場と共にやって来たのが現在のチーム。以降、一度も親球団(ニューヨーク・メッツ)を変える事なく長年"B-Mets"と呼ばれ地元に親しまれていたが、近年は観客動員に苦しみ、ついに2017年から親球団の名前を捨て"Rumble Ponies"を名乗ることとなった。ダブルAクラスにちょうどよい質素な球場がニューヨーク州の田舎町にシックリはまっていて悪くない。

行き方:ビンガムトンはニューヨーク州中南部の中都市で、マンハッタンからグレイハウンド・バスで約3時間半のキョリ。デーゲームなら日帰り観戦も可能。球場はダウンタウンの東に位置する。グレイハウンド・バスのターミナルからわずか2〜3ブロックしか離れておらず、徒歩約10分とアクセスは抜群に便利。中央郵便局の隣、通りで言うとHenry St. & Fayette St. がエントランスになっている。

観戦したゲーム(1):
2004.06.07 Binghamton Mets vs. Norwich Navigators

ポートランド・シードッグズ
球場:ハドロック・フィールド
所在地:メイン州ポートランド
開場:1994年
収容人数:6,860人

Photo by 球場巡礼

 球場、チーム共に1994年のリーグ・エクスパンションで誕生した新興球団。デビュー以来なんの縁もゆかりもないマーリンズ傘下時代が続いたが、2003年より念願のレッド・ソックス傘下にチェンジした。ご存知の通りニュー・イングランド地方は「レッドソックス・ファンにあらずんば人に非ず」をモットーとしている土地柄。チームにとって「レッド・ソックス傘下」という看板はノドから手が出る程ほしかったに違いない。実際マーリンズ時代は水色だったチーム・カラーは即レッドに変わり、レフトには"Fenway Park"を模したグリーン・モンスターを作ってしまう程の力の入れよう。しかも、グリーン・モンスターだけでなくスコアボードや巨大なコークの瓶、さらに"CITOGO"の看板までコピーするのだから恐れ入る。芸が細かい!
 しかしながらハコ自体は何の変哲もない、ダブルAレベルではむしろ下ランクの球場。基本は茶レンガと濃緑の鉄骨を組み合わせたオールド・ファッションな外観に、1層スリ鉢型屋根なしのグランドスタンド。いただけないのはフィールド・ボックス以外のスタンドの床にアルミ材を多用している事。まず見た目が安っぽいし、キッズががしがしストンピングをかますのでとにかくやかましい!せっかくいい雰囲気の球場なのだからこおゆう所もキッチリと金をかけてほしかったなぁ...。バックネット裏最上段にスイート・ルームがあり、各部屋には「テッド・ウィリアムズ」だとか「カール・ヤストレムスキー」だとかのソックス・レジェンドの名前が付けられている。コンコース裏のチームストアは狭いながらも品揃えは豊富。バットをくわえているシードッグ(アザラシ)のロゴがかわいいので人気があるようだが、オジサンにはちょっとポップすぎる…。
行き方:ポートランドは名前の通り大西洋湾岸に面した中都市で、メイン州の南部に位置する。ボストンからグレイハウンド・バスで約2時間のキョリ。球場はダウンタウンの西のはずれにあるが、グレイハウンド・バスのディーポからは徒歩3分とかなり便利。通りで言うとPark Ave. & Gilman St. がメイン・エントランスとなる。ディーポから球場の照明が見えるので、それ目指して行けばOK。ダウンタウンから行く場合はCongress St. を走るバスでひたすら西へ。
観戦したゲーム(1):
2004.05.26 Portland Sea Dogs vs. Binghamton Mets

サマセット・ペイトリオッツ
球場:TDバンク・ボールパーク
所在地:ニュー・ジャージー州ブリッジウォーター
開場:1999年
収容人数:6,100人

photo by 球場巡礼

 ペイトリオット(愛国者)たちのホームにふさわしく威風堂々とした本格的スタジアム。ビッグシティでもない町にこれほどゴージャスな球場があるとはアメリカ東部恐るべし。フォレスト・グリーンで統一された座席と赤レンガ装飾のビルヂングとのコントラストが一層球場の重厚感を際だたせており、シートに腰掛けていると一種の安堵感のようなものすら感じる。そして私にとってはこれはかなり重要なポイントなのだが、シートは全て独立したイス席になっている。スタンドをぐるっと取り囲む2階のスイートルームは20部屋もあり、3塁側の2階部分にはパーティデックも備えている。これだけの豪華な造りなのでチケットもそれ相応のお値段で、一番高いエグゼクティヴ・フィールド・ボックスはなんと$12.00。独立リ−グでは破格の価格設定だ(2003年当時の価格・感覚)。そのかわりライト側の芝生席は抑えめの$5.00(同)。コンコースにあるチームストアは球場の規模やチームの人気っぷりの割にはやや狭く、品揃えもあまりよくない。チームのロゴがキッズにウケるようなポップなデザインではないのが敗因か。マル得情報をひとつ。球場の駐車場は有料だが向かいにあるショッピング・モールの駐車場ならタダで駐車できるで!
 チーム創設から2020年まではインディペンデントのアトランティック・リーグに所属していたが、ニューヨークから地理的に近いことと長年に渡る安定感バツグンの経営がヤンキースのお眼鏡にかない、2021年からヤンキース傘下のダブルAに昇格した。2020年オフのマイナーリーグ改編でインディペンデント・リーグからMLB傘下のマイナーリーグにスウィッチしたのはここと"St. Paul Saints"(ツインズ傘下のトリプルA)の2チームのみ。
行き方:サマセットとは郡(カウンティ)の名前で球場があるのはブリッジウォーターという町。通勤電車NJ Transit のRaritan Valley線のBridgewate駅が球場に隣接しており、アクセスはかなり便利。電車を降りた瞬間に球場の外野フェンスがスグソコに見える。NJTのRaritan Valley線はニューアークのペン・ステーションが始発駅になっていて、マンハッタンからアクセスする場合はニューアークで一度乗り換えをする必要がある。ニューヨークのペン・ステーションからニューアークまではNortheast Corridor線かNorth Jersey Coast線を利用。乗り換えの際はRaritan Valley線の出るプラットホーム番号をモニターで確認しなければならない。当然帰りも同じように。所要時間はマンハッタンから約1時間、運賃はオフ・ピークのラウンド・トリップで$13.75。本数は減るが深夜でも走っているのでナイトゲーム終了後でもマンハッタンへ帰れる。(03年7月現在)
観戦したゲーム(1):
2003.07.11 Atlantic League : Somerset Patriots vs. Bridgeport Bluefish
・・・ブリッジポートの先発は元日本ハムの今関 勝