カロライナ・リーグ

Segra Park (Columbia, SC)
Grainger Stadium (Kinston, NC)
Joseph P. Riley, Jr. Park (Charleston, SC)
 

コロンビア・ファイヤーフライズ
球場:セグラ・パーク
所在地:サウス・カロライナ州コロンビア
開場:2016年
収容人数:9,077人

photo by 球場巡礼

・ポピュラス社のデザイン。ダブルAクラスの豪華な球場。
・球場周囲はまだ開発途上で将来的にはコンドミニアムや建売住宅、オフィスビルなどが球場を囲むように建設される予定。
・ライト側にはテナント用のオフィスビルが併設されており、球場のコンコースとビルの1階が直結している。
・コロンビアはサウス・キャロライナ州の州都でありながら2004年にCapital City Bombers が同州のグリーンヴィルに移転して以降プロフェッショナル・ベースボール空白地帯だった。2015年のオフにジョージア州サヴァンナを本拠地にしていたSavannah Sand Gnats が移転してきて12年振りに町に球音が戻った。
・野球をあまり熱心に見ない人用のスペースが充実しており、ポール際や外野にはグループ用のテーブル席や、フィールドの方を向いて飲み食いできるカウンター席、階段状の芝生席、バーなど様々な観戦スタイルが選べる。
・フライドチキンのチェーン店「ボージャングルズ」の有名なアイスティを売る屋台が球場内にある。一杯4j。ボージャングルズは外野芝生席のネーミング・スポンサーでもある。
行き方:コロンビアはサウス・カロライナの州都。球場はダウンタウンの北東のはずれにある。ダウンタウン内からなら歩いて行けるが、グレイハウンド・バスのターミナルはダウンタウンの北8`のところにあり、路線バスかタクシー、ウーバーなどでいったんダウンタウンまで出る必要がある。
観戦したゲーム(1):
2017.07.14 Columbia Fireflies vs. Greensboro Grasshoppers

ダウン・イースト・ウッド・ダックス
球場:グレインジャー・スタジアム
所在地:ノース・カロライナ州キンストン
開場:1949年
収容人数:3,410人

Photo by 球場巡礼

 21世紀になって何度かリノベーションされているので悪い意味でのクタビレ感はあまりなく、むしろ本格的なアンティークさと嫌味ではない程度の新しさがほどよく調和しているオールド・スタジアム。ボロ球場マニアならまずその佇まいを見ただけでクラっとくるだろう。とりあえず立地がいい。郊外でもダウンタウンでもない住宅地の中に立地している。キンストンは田舎町なのでダウンタウンの中心からちょっとはずれただけで街路樹が茂る普通の住宅地になる。このような庶民的な場所にある球場は必ずゲームの雰囲気もそれと似たようなフレンドリーなものになる(郊外の球場が寂しく閑散とした雰囲気になるように)。外観も素晴らしい。ムキ出しの鉄骨に支えられた巨大な木製の屋根に赤レンガ。外野フェンスは木の板一枚。素朴だがこれ以上に完成された球場の外観なんてあり得ないだろう。天井から吊されている裸電球が雰囲気に似合いすぎ。
 グランドスタンドはダグアウトらへんまでで座席はすべて新しいハネ上げイスがインストールされている。ダグアウトから向こうは1塁側が近年改装された芝生席兼ピクニック・エリア、3塁側が昔ながらのアルミ製ベンチシート。外野に観戦スペースはない。スタンド内の通路より内側(つまりフィールド側)はボックス席になっていて、相撲の枡席のように区画ごとに区切られている。ユニークなのはこのスペースには固定イスがないこと。その代わり折りたたみのパイプ椅子が用意されているので、そいつを各々自分らで広げて区画の中で好きなように配置できるのだ。これこそまさにボックスシートの原点。
 古い球場なのでオープンした1949年から色々なプロフェッショナル・ベースボールのチームが本拠地としてきたが、1978年にやってきたシングルAカロライナ・リーグのチームは一度も途絶えることなく2011年まで延々と続いた。最後の住人となったKinston Indiansは2011年を最後に惜しまれつつ同じノース・カロライナ州のゼブロンに移転し、これでキンストンのプロ野球史は潰えたかに思われた。が、しかし2017年にカロライナ・リーグがエクスパンションすることとなり、新加盟した2チームの内の1つがキンストンをホームにするというまさかの展開で6年振りのカンバックとなった。
行き方:キンストンは絵に描いたようなノース・カロライナの典型的な田舎町。鉄道の駅舎、グレイハウンド・バスのターミナル、ボロいモーテル、フリーウェイ沿いのファストフード店以外には旅行者に関係のありそうなものは一切なかったように思える。球場は町を東西にぶったぎるフリーウェイ70号線(ダウンタウン内ではVernon Ave. と名を変える)の1ブロック北、Grainger Ave. 沿いの住宅地の中にある。フリーウェイの南側、N. Independence St. & E. Blount St. にあるグレイハウンド・バスのターミナルから球場までは歩いて10分ちょいなのでアクセスは簡単。N. Independence St. を北へ5ブロック、Vernon Ave. を越えてGrainger Ave. まで来たら右手(東)の方に球場が見える。
観戦したゲーム(1):
2006.05.17 Kinston Indians vs. Potomac Nationals

チャールストン・リヴァードッグズ
球場:ジョゼフ・P・ライリー・ジュニア・パーク
所在地:サウス・カロライナ州チャールストン
開場:1997年
収容人数:5,800人

photo by 球場巡礼

 HOK(現ポピュラス社)のデザインによるダブルデックのレトロ調スタジアム。球場はアシュレー川の河口付近に位置し、スワンプと呼ばれる南部独特の湿地帯の上に建っている。球場の周辺はシタデル大学のフットボール場や運動場、パーキングが並び、密度の薄い大味なガラーンとしたエリアになっている(シタデル大学のベースボール・チーム「ブルドッグス」もこの球場を使用している)。
 フォレスト・グリーンのシート、赤レンガ装飾の外観やインテリア、内野の上段席をカバーしているクラシックな三角屋根など、ロークラス・シングルAの球場にしてはディーテールが細かく、塗装や造りもしっかりしていて素直に立派だと言える好物件。しかし、オープン・コンコース様式が定着する直前の球場なのでコンコースや売店などはスタンドの裏にあり、また外野には一切入れない構造になっている。とは言えスタンドは外野の方になると角度が付いていて観戦しやすいし、内野スタンドも傾斜があって快適なのはさすがHOKの仕事。シートはフィールドレベルが跳ね上げイス、通路より上の上段がベンチシートになっている。この球場で個人的に気に入っているのは、バックネット裏の2階席を中心に一段下がって左右に広がる三角屋根。均整のとれた美しい姿はまるで「平等院鳳凰堂」のようで(10円玉参照)、シンプルながらもついつい見入ってしまう。ちなみに3塁側の屋根の下は広めのピクニック・エリア兼立ち見スペースになっていて、ここは夜になるとオトナたちがビールやタバコを片手にワイワイやる社交場と化す。じゃあキッズはどこでワイワイやるのか言うと、1塁側スタンドの一番はじっこに「Joe's Shorless Hill」と呼ばれているビーチ風の砂場ある。ここは以前は芝生席だったらしいが丸々ぶっ壊して、全面に白砂を入れて、パラソルなんぞをおっ立てて、今では子供とファミリーの遊び場になっている。南部名物のスワンプは1塁側スタンドの裏に広がっている。コンコースのフェンスの向こうには鬱蒼とした森と水浸しの湿地が延々と見えるだけ。陽が沈むと吸い込まれるような漆黒の闇になり、球場の明るさとのギャップがますます不気味さを感じさせる。
行き方:旧き良き南部の町並みを残す古都チャールストンはサウス・カロライナ州の大西洋岸に位置する港町。17世紀にヨーロッパとの貿易で栄え、当時は北米大陸で五指に入るほどの大都市だった。現在は観光の町、米軍基地の町として有名。
 球場はダウンタウンから見てはるか北西、フリーウェイ17号線の北側、半島の西側を流れるAshley River沿いにある。通りで言うとFishburne St. & Lockwood Blvd. 辺りがメイン・エントランスになっている。半島の先っぽに位置するダウンタウンから歩くのは現実的ではないが、比較的町の北側に位置する観光案内所やシティ・バスのターミナルからなら歩けないキョリでもない(わざわざ歩かなくてもターミナルから出ている#201のバスが球場の前を通る)。ちなみにグレイハウンド・バスのターミナルは半島の付け根辺りのノース・チャールストンという隣町にあり、そこから前述のシティ・バスのターミナルまでは#10か#11のバスで1時間ほどかかる。
観戦したゲーム(2):
2006.05.15 Charleston RiverDogs vs. Savannah Sand Gnats
2006.05.16 Charleston RiverDogs vs. Savannah Sand Gnats