Rogers Centre (Toronto, ON)
Fenway Park (Boston, MA)
Yankee Stadium (Bronx, NY)
Oriole Park at Camden Yards (Baltimore, MD)
Tropicana Field (St. Petersburg, FL)
 

トロント・ブルー・ジェイズ
球場:ロジャース・センター
所在地:オンタリオ州トロント(カナダ)
開場:1989年
収容人数:50,598人

photo by 球場巡礼

 ご存知世界初の開閉式ドーム球場。センターの後方にホテルが併設されており、フィールドに面している部屋やレストランから観戦できてしまうという事でオープン当時はすごく話題になった。当時トロントでプレイしていたロベルト・アロマーがこのホテルに住んでいたのは有名なハナシ。とりあえずドーム内の巨大な空間に驚かされる。球場という以前に人工の建造物として一見の価値はある。屋根は3枚のパネルからなっており、古い割には音もなくスムースに開閉する。スタンドは3層にわかれているが、地上5階に相当するアッパーデックからでもそれほどフィールドが遠いとは感じない。傾斜が結構キツイので、座席からバッテリー間までの実質的な直線キョリは案外短いのかも知れない。またフィールド・レベルは席数(列数)が多い割には傾斜がないのでその分高さが抑えられているのかも。座席は全てチームカラーのブルーで統一されている。7回にはセブンス・イニング・ストレッチとしてちょっとこっぱずかしい振り付けの「ブルー・ジェイズ体操(OK Blue Jays)」が行われる。恐らくアメリカのファンには失笑を買っていると思われるが、トロントだけのローカル・パフォーマンスなので振り付けはネタとして是非マスターしておきたい。
 両翼100m、中堅121.9mで完全なシンメトリー。フィールドはカナダ製の人工芝Field Turf。オープンから長らく"SkyDome"として親しまれてきたが2005年からジェイズの親会社でもある通信会社のロジャース社がネーミング・スポンサーとなり現在の名称に変更された。一応球場なのに野球を全く感じさせないセンターと言ってしまうところがカナダらしい。もちろんセンターの綴りは英国風に"Centre"。ジェイズ以外にCFLのトロント・アルゴノーツもホームとして使用しているが、以前はNBAラプターズもチーム創設の1995年から"Air Canada Centre"が完成する2000年2月まで仮住まいしていた。スタジアム内の売店ではエスプレッソ・チェーン"Timothy's"のコーヒーがオフィシャル・コーヒーとして販売されている。また2006年からはロジャースの携帯ショップ&レンタルDVDショップがドーム内にオープンした。個人的な話で恐縮だが、私は2005~06年までトロントに住んでいたことがあり、当時は足繁く観戦に訪れた。よって北米で最も多く観戦した球場はここ"Rogers Centre"であり、MLBではブルージェイズのファンであると公称している。
行き方:カナダ最大の都市トロントのダウンタウンの南、オンタリオ湖岸寄りのFront St. 沿いにど〜んと鎮座している。というかトロントのランドマークであるCNタワーの隣なのでダウンタウンのホテルから歩くならタワーを目印にすればよい。地下鉄を使う場合最寄り駅はYonge-Universtiy-Spadina線のUnion駅になるが、駅を出てスグというワケではなく結構西へ歩く。
観戦したゲーム(42):
2006.04.23 Blue Jays vs. Red Sox
2006.05.22 Blue Jays vs. Devil Rays
2012.06.30 Blue Jays vs. Angels

【その他のイベント】
2005.08.24 CFL Toronto Argonauts vs. Calgary Stampdeders・・・観衆:24,637人
2005.09.26 The Rolling Stones / A Bigger Bang World Tour

ボストン・レッド・ソックス
球場:フェンウェイ・パーク
所在地:マサチューセッツ州ボストン
開場:1912年
収容人数:39,928人

Photo by 球場巡礼

 ご存じMLB最古の球場。開場は1912年4月20日というから日本ではなんと明治44(大正元)年の事。フェンウェイと言う名は地名ではなく、周辺エリアの通称名。何世代にも渡るレッドソックス・ファンの血と汗と涙と、数多のレジェンド・プレイヤー達によって積み上げられてきたこの球場独特の雰囲気は本国アメリカはもとより、遠く海を越えて日本のファンにまで喧伝されており、シカゴの"Wrigley Field"と並んで「アメリカで最も愛されている球場」と称される。ただ、両球場は構造的な部分では全く相反するもので、前者は完璧なシンメトリーに美を見出せるのに対し、こちらは左右非対称の極みとも言えるアブノーマルな形状をニヤニヤと口の端で楽しむのが正しい鑑賞法とされている。
 特徴は今更言うまでもないがレフトにそびえるグリーン・モンスター。レフトのすぐ後ろが通りになっているため距離が十分取れず、その短さを補う為の苦肉の策だったがいつの間にか逆に名物になってしまった(マイナーリーグにはグリーン・モンスターをそのままマネするパクリ球場があちこちにある)。しかし、ついモンスターに目が行きがちだが、右中間の形状もスタンドやブルペンがフィールドに迫り出していて結構気持ち悪いコトになっている。特に外野の最深部はトライアングルと呼ばれており、文字通り三角形に凹んでいる。またライトポール際のふくらみ方もフェンスが官能的なカーブを描いていてかなりヤバイ。
 何故この球場がこれほどトリッキーなフィールドになったかというと、それはひとえに20世紀初頭の球場建設事情による。この時代の球場というのは基本的に市街地のストリートに囲まれた限られた土地に造られる事が多く、その限られたスペースの中にスタンドとフィールドを強引にネジ込むわけだから外野が外の通りに合わせて形作られるのは必然だった。この球場はただ古いだけではなく、今はもぉ見られなくなったその当時の球場建築様式を現代に至るまでキチンと残していることにも意義があるのだ。ただこの球場も一時は解体の危機を迎えたことがあった。2000年前後あたりに新球場ラッシュのあおりを受け、老朽化とキャパ不足を理由にフィールドのサイズ、グリーン・モンスターなどをそっくり真似たニュー・フェンウェイ・パークをつくる計画が持ち上がった。しかし、ボストン市民や球団の上層部は現球場を改修して残してゆく方を選んだ。あの時代は誰もそんな事を考えず、全米各地では新球場がわんさと建設され、旧球場はその度に解体されていった。そんな浮かれた空気の中での冷静な判断はさすがボストン、としか言いようがない英断だったと言えるだろう。よくぞ残してくれたものだ。しかし残したのはいいが、キャパ不足を補うためにグリーン・モンスターの上やライト外野席の屋根の上にスタンドを増設したのは如何なものか。屋根の上にゴテゴテと座席が新たに造られ、スタンド全体の景観がまとまりのない雑なものになってきつつある現状は後世どのように判断されるのか気になるトコロではある。
 有名なボールパーク・サインは球場の外壁、Yawkey Way に面するレンガ造りのビルヂングに掲げてある。この通り沿いにずらりと並ぶスーべニア・ショップにはレッド・ソックス公認グッズは豊富に揃っているが、みなさんが求めている"Yankees Suck"などとプリントされた非公認のお下品Tシャツはない。その手のTシャツがほしい人は試合終了後に出没するもぐりTシャツ売りを探せばよい。きっとあなた好みのイカしたTシャツに巡り逢えるハズ。
行き方:地下鉄グリーンラインのB、C、DでKenmore Square 駅下車、スグ。ゲームのある日はいかにもそれらしい格好をした人達が必ず車内にいるので迷うことはまずない。地下鉄を降りたらすぐ球場に向かうのではなく、グリーン・モンスター越しに見える「CITGO」の巨大看板をまず見に行くのをお忘れなく。あと、球場へ行く前の準備として"Sweet Caroline"の歌詞は覚えて行った方が良い。もちろんニール・ダイヤモンドのレコードを聞いて予習するのが望ましいが、個人的にはエルヴィスが歌っているバージョンもSo Good♪
観戦したゲーム(8):
1996.06.07 Red Sox vs. Brewers・・・当時BOSのホセ・カンセコ、2HR 4RBIの大ハッスル!
1996.06.09 Red Sox vs. Brewers
1997.09.20 Red Sox vs. White Sox
1997.09.21 Red Sox vs. White Sox
2004.05.26 Red Sox vs. Athletics
2004.06.09 Red Sox vs. Padres (Interleague)
2008.06.24 Red Sox vs. Diamondbacks (Interleague)
2010.07.10 "Futures at Fenway" SS-A New York-Penn League : Lowell Spinners vs. Jamestown Jammers

【その他のイベント】
2016.07.17 Paul McCartney / One On One Tour

ニューヨーク・ヤンキース
球場:ヤンキー・スタジアム
所在地:ニューヨーク州ブロンクス
開場:2009年
収容人数:50,287人

Photo by 球場巡礼

・ハイランダーズ時代(1903~12年)の"Hilltop Park"を含めるとヤンキース4代目の本拠地球場。ポピュラス(元HOK)による設計。こけら落としはカブスを招いて2009年4月3日・4日に行われたエキシビション・ゲーム。
行き方:球場はマンハッタンの北、ブロンクスにある。マンハッタンから地下鉄C、B、Dのいずれかで161st/Yankee Stadium駅で下車スグ(ただし"B"は平日しか運行しておらず土日はいくら待っても来ないので注意)。
観戦したゲーム(2):
2010.07.02 Yankees vs. Blue Jays
2010.07.03 Yankees vs. Blue Jays

【その他のイベント】
2014.01.26 NHL Stadium Series : New Jersey Devils vs. New York Rangers・・・観衆:50,105人

ボルティモア・オリオールズ
球場:オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ
所在地:メリーランド州ボルティモア
開場:1992年
収容人数:48,290人

Photo by 球場巡礼

 90年代中盤くらいからMLBで突如始まった「古き良き球場の面影を残した最新設備によるボールパーク=新古典主義球場」建設ラッシュのキッカケとなったスタジアム。この球場が大成功したためその後の未曾有のMLBバブルが到来したと言っても過言ではない。シカゴの"Wrigley Field"、ボストンの"Fenway Park"、ピッツバーグの"Forbes Field"(パイレーツの旧本拠地)、ニューヨークの"Polo Grounds"(ジャイアンツの旧本拠地)などを参考に建設された。特徴はなんと言っても93年のオールスター・ゲームでのホームラン競争でケン・グリフィ・ジュニアが打球を直接当てた、ライト後方にそびえる元B&O鉄道の倉庫ビルヂング。100年以上前の歴史的建造物をそのまま球場の一部として利用するなんてアイディア、一体誰が考えたのかしら?素直に尊敬します。ちなみに倉庫ビルはキチンと改装されて1階にはレストランやチームストア、階上に球団オフィスが入っている。そもそもこの球場が当時のスタジアム・デザインの常識を根底から覆すような「どレトロ」調になったのは、この倉庫に調和するようにデザインされた結果だそうだ。全ては倉庫ありきで始まったのだ。この球場で名を上げた建築設計事務所のHOK(現ポピュラス)は以降の新球場はおろか、アリーナや世界各地の競技場のデザインを数多く手掛けるようになり、今や誰しもが認める業界最大手に成長した。
 今では先祖返りを果たして再び常識となったが、左右非対称のフィールドや外野フェンスが全て直線でカクカクしている事、なだらかなフィールド・レベルのスタンドなどオープン当時は全てが斬新だった。ところがコンコースはオープン・スタイルではなくスタンド裏にある昔ながらのタイプ。こんなトコロにふと1992年という時代を感じるではないか。球場近くにある野球王ベイブ・ルースの生家は、現在は博物館として公開されているので要チェック。そしてこの球場では国歌斉唱の際には"Oh!"のかけ声をお忘れなきように。
行き方:球場はダウンタウンのインナー・ハーバー近くにあり、周辺の主要ホテルからなら余裕で歩いて行ける。またワシントンDCからもMARCと呼ばれる近郊列車やグレイハウンド・バスを利用すれば日帰りクセスが可能。グレイハウンドのバス・ターミナルから球場まではRussell St. を北へ徒歩約15分。
観戦したゲーム(7):
1997.08.26 Orioles vs. Royals
1997.08.27 Orioles vs. Royals
1997.08.28 Orioles vs. Royals
1997.08.29 Orioles vs. Mets
1997.10.04 Orioles vs. Mariners (Division Series Game 3)
1997.10.05 Orioles vs. Mariners (Division Series Game 4)
2006.05.10 Orioles vs. Tigers

タンパ・ベイ・レイズ
球場:トロピカーナ・フィールド
所在地:フロリダ州セント・ピーターズバーグ
開場:1990年
収容人数:36,048人

 おそらくMLB史上最後のドーム球場となるであろうこのスタジアムは、実は最新のドーム技術を駆使して1990年に"Florida Suncoast Dome"という名前で完成していた。当時移転の噂があったジャイアンツやホワイト・ソックスを誘致する為に建設されたらしく、ホワイト・ソックスに至っては"Florida White Sox"という名前まで決まっていたが結局実現はしなかった。その後MLBのトレンドは伝統的なオープン・エアの野球専用スタジアムに移ってしまい、ドーム人気は廃れる一方。93年のエクスパンションではデンヴァーとマイアミに敗れ、ついにはNHLのタンパ・ベイ・ライトニングが一時的にホームとして使用する事になったため名称が"Thunderdome"に変わり、ホッケー・アリーナになってしまった。結局タンパ・ベイ・エリアにMLB球団がやって来たのは完成から8年もたった98年のことであった(涙)。売りはMLBでは唯一内野の塁間に土を入れている人工芝グラウンド(人工芝はカナダのフィールド・ターフ社製のものを使用)。ネーミング・スポンサーは言うまでもなく100%フルーツ・ジュースでお馴染みのジュース会社。
 タンパ湾岸地区はいくつかの球団がスプリング・トレーニングを行っている場所なので野球熱は元々高い。特にヤンキースは隣町のタンパに球団事務所を置き、スプリング・トレーニングの本拠地にもしているので、ヤンキース戦ではむしろヤンキース・ファンの方が多かったような気がする。私が行ったのはオープンの年だったのでそれなりに活気は感じられたが、ボールパークという風情には程遠かった。
行き方:ドームはタンパ湾岸の中都市セント・ピーターズバーグのダウンタウンのはずれに位置する。ダウンタウン内からは歩いてでも行けるが、試合のある日はダウンタウン内を無料のバスが巡回し、球場まで連れてってくれる。
観戦したゲーム(6):
1998.07.09 Devil Rays vs. Yankees
1998.07.10 Devil Rays vs. Yankees
1998.07.11 Devil Rays vs. Yankees
1998.07.12 Devil Rays vs. Yankees
1998.07.13 Devil Rays vs. Red Sox
1998.07.14 Devil Rays vs. Red Sox